『 トリフィドの日 』

流星群を眺めながら、世界の終末を思っていた。
その激しい青色の流星の雨は、わたしの知らない星を焼き尽くす。
明日の朝には、この宇宙から、星が一つ消え去っているのだ。
もしもその星に生き物がいるとしたら、地球人類はひとつの出会いの可能性を失うことになる。
流星はそのうち、地球にも降ってくるに違いない。
何もかもが焼かれて消えさる。
学歴も年齢も身分も環境も関係ない。みんなみんな死ぬ。
平等という名の救済。不平等ばかりのこの世界に、やっと救いが訪れる。
やがて来るその日のことを思うと、震えが止まらない。
今、恐怖というものが最高の快楽であることに、ようやく思い至った。
いつまでだって震えていたい。
震わされていたい。
流星の雨が地球に降ってくるその日まで。




2011年04月23日(土)
イメージは、『トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く』by筋肉少女帯より。

この星はもうとっくの昔に滅んでいるんだよ。
流星が降ってきたあの日にね。
僕も君も、この世界にはもういないんだ。
そう考えると、とっても、素敵だよね。