2022年11月29日(火)
森博嗣「馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow」を読んだ。
社会派……というには厭世の色が濃すぎるのだが、どちらかというと本格というよりは社会派っぽい読み心地だった。
この作品の発売日は2020年の10月。
その約一年後にどんな事件が世の中を騒がせていたのかを考えると、薄ら寒くなる。
犯人の動機そのものはありふれたものではあるのだが、その思考に周囲が寄り添おうとする日々をずっと眺めていた読者としては、やはりこういう形で幕が引かれるのは非常にやるせない。
森博嗣作品の主人公としては、こういう世の中を斜めから見ている性格のキャラクターはわりとよくいる印象があり、まさかこんなふうに扱われるとはまったく予想していなかった。序盤からなんとなく不穏な気はしていたが。
加部谷恵美にまた出会えてすごく嬉しかったがゆえに、ラストではかなりつらくなったな……。
帯には「悪いのは、誰か?」という大きな字が書かれているのだが、「その弓を引いたのは誰か?」というのを考えると、加部谷さんと同じ気持ちになれて、大きく心が沈む感覚を味わえる。
GシリーズもXシリーズも途中までしか読めていないので、そちらもまた読まなくちゃなーと改めて思った。
Gシリーズは終盤まで来ていた気がするし、この機会に読むぞー。
#読書
社会派……というには厭世の色が濃すぎるのだが、どちらかというと本格というよりは社会派っぽい読み心地だった。
この作品の発売日は2020年の10月。
その約一年後にどんな事件が世の中を騒がせていたのかを考えると、薄ら寒くなる。
犯人の動機そのものはありふれたものではあるのだが、その思考に周囲が寄り添おうとする日々をずっと眺めていた読者としては、やはりこういう形で幕が引かれるのは非常にやるせない。
森博嗣作品の主人公としては、こういう世の中を斜めから見ている性格のキャラクターはわりとよくいる印象があり、まさかこんなふうに扱われるとはまったく予想していなかった。序盤からなんとなく不穏な気はしていたが。
加部谷恵美にまた出会えてすごく嬉しかったがゆえに、ラストではかなりつらくなったな……。
帯には「悪いのは、誰か?」という大きな字が書かれているのだが、「その弓を引いたのは誰か?」というのを考えると、加部谷さんと同じ気持ちになれて、大きく心が沈む感覚を味わえる。
GシリーズもXシリーズも途中までしか読めていないので、そちらもまた読まなくちゃなーと改めて思った。
Gシリーズは終盤まで来ていた気がするし、この機会に読むぞー。
#読書