ちいかわの更新を楽しみにしている。

あのことでかつよの話が好きで、今後に期待していたのだけれど、そこにモモンガとカニちゃんという相似形が現れたことで、さらに深みが出そうな気がする。

かつてちいかわだったけど、今はもうちいかわではなくなったあのこ。
かつてちいかわで、今も心はちいかわだけれど、ちいかわの肉体を失ったでかつよ。
かつてでかつよだったけれど、今はマイペースに自分の道を行くモモンガ。
そして、今も昔もちいかわであるカニ。

どちらも、見た目は同類に見えるけれど、中身は相容れないというコンビになっているのがおもしろい。
モモンガの中身がでかつよだと知っていたら、カニちゃんはきっと友だちにはならなかっただろう。
モモンガが元の体に戻ったら、あのこは本能のままにモモンガを殺してしまうかもしれない。

これまでは、モモンガを元の体に戻してほしいと思って読み進めていたけど、ここに至って、もう戻ることはないのだろうなという実感が出てきたように思える。
なぜなら、もうモモンガもでかつよも、自分なりの生き方と、新しい友だちを見つけたから。

過去にどんな自分だったかというこだわりを捨て、現在の自分にとってふさわしい人間関係を選んで生きていくという展開はとても現実的で好きだ。
「いつか戻るんじゃないか」と過去にこだわっている読者を置いて、ふたりはこの体のまま、未来へと歩んでいくのかもしれない。

ただ、この世界のどこかには、たぶんモモンガを元に戻してしまえるような装置も存在していそうなので(一個は壊したけどまだまだありそう)、このあとで元の体に戻って、ふたりとも友だちを失うという展開もありえるのが、ちいかわの怖いところだ。