宿野かほる「ルビンの壺が割れた」を読了。かなり短いので一瞬で読める。
数年前に勤めていた職場で、同僚が「これ読んだけど、めちゃくちゃつまらなかったんだよ~」と言っていたのを思い出し、いまさらのように気になって、読みはじめることにした。
「おもしろかったんだよ~」より「つまらなかったんだよ~」のほうが鮮明に記憶に残るのかもしれない。

フェイスブックで偶然発見したかつての恋人へ一方的にメッセージを送るところから物語が始まり、メッセージのやりとりによってのみ、物語が進行していく。
賛否両論の作品として当時話題となっていたけれど、読んでみたらたしかに「これは賛否両論だわ……」という感じ。

ただ、メフィスト賞作品(特に初期)を通っている人は、こういうタイプの話は楽しめるかもしれない。すぐに終わるくらい短いのもあって、自分としては悪くない読後感だと思った。
ミステリとしてはもう一仕掛けくらい欲しかった気がするけど、「このふたりはなぜ、直接会うこともなく、ただただ思い出話のメッセージを送り合っているんだ?」という謎へのアンサーが紐解かれていくホワイダニットの仕掛けはかなり好きだったな。

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