背筋「口に関するアンケート」を読んだ。
まず、この装丁と値段で本を出そうと思った時点で勝っていると思う。
本が売れない時代に、どうやったら本を売ることができるかという問いかけに対し、『安く、小さい本を売る』というアンサーを出しているのがときめく。
豆本が好きな人は、書店で見て「お!」と思ったのでは。
「なんだかわからないけど、とりあえず買ってみようかな」と思わせる、特殊な読書体験へのアプローチが楽しい。

謎めいたタイトルを最後の最後で回収する構成もおもしろい。
装丁も「アンケート」というコンセプトと噛み合っている感じがして、相性よかった。
もちろん、短い分だけ恐怖要素は控えめになってはいるんだけど、この短さでここまで怖くできるのはやっぱりすごい。さすが背筋さん。
最後まで行ってから読み返すと、見える景色が変わるという仕掛けがよかった。

あと、この作品のAudible版があるらしいんだけど、それはさすがに鬼畜すぎないか……?と思った。
Audibleにするところまで含めての戦略なのかもしれない。だとしたらすごすぎる。
「穢れた聖地巡礼について」も読まなきゃなー。畳む


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