「ビルスさま。今日のおやつ、何になさいます?」
「なんでもいいよ。なんでもいいけど、まずかったらきみごと破壊しちゃうからね」
ここは、4032の緑の877惑星――地球。
サタンシティに住む十五歳の少女、なまえは、宇宙一の料理人を目指して修業を重ねていた。
そんな折、地球に破壊神ビルスと呼ばれる神が襲来し、孫悟空と死闘を繰り広げる。
その死闘が終わった、すこしだけ後。
少女は、仕事のお得意さまであり、姉貴分でもあるブルマから、ビルスのことを教えてもらう。
その神さまは、おいしいものが大好き。
そして、ちょっとでも機嫌を損ねると、相手を殺してしまうらしい。
料理の道を極めるため鍛錬を重ねている少女は、その神さまに会ってみたくなってしまった。
「ブルマさん。わたし、その神さまに会ってみたいのです。どうにか、都合していただけませんか?」
「か弱い女の子が会うような相手じゃあないわよ。と言っても、あなたのことだから、意地でも会おうとするんだろうけど」
ブルマの協力により、少女は破壊神ビルスに謁見。料理人という立場で、ビルスのもとで修業をさせてほしいと申し出る。
最初はすげなく断られそうになるが、隣で状況を観察していたウイスは、不敵に笑ってこう言った。
「まあまあ、とりあえず、その子の料理を食べてみたらいいのではありませんか。まずければお引き取り願えばいいだけの話ですよ」
「それもそうだ。じゃあ、一品、つくってみてくれる?」
少女のつくったカラメルプリンは、見事、ビルスの舌を満足させた。
かくして、戦う力を持たない少女は、何もかもを破壊する力を持つ、おそろしい神さまの料理人になったのだった。
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