Scene-02
「つーわけで、女の子に話し相手になってくれって頼まれちゃったんだなぁ、これが」
億泰は誇らしげに胸を張る。
「ずっりーよ億泰! 自分だけ女の子と仲良くしようだなんてよぉ」
「なんだか、わたしへの悪口が混ざっていたような気がするのですが、気のせいですか?」
話を聞いていた仗助と未起隆はそんなふうに応じる。
「へっへっへ。ようやく、この虹村億泰の時代が来たっつーわけなんだよねえ」
「それで億泰さん、その彼女はいったい、なんという名前なのですか?」
「そうだ、名前は気になるぞ。もしかしたら、ぶどうヶ丘高校かもしれねえし」
「……みょうじなまえって言ってたなぁ。ぶどうヶ丘生には見えなかったかなぁ」
「聞いたことのねえ名前だな」
「新手の『スタンド使い』だったりして」
と言ってから、未起隆は自分の言葉を恐れるように目を見開いて、首を傾げた。
「スタンド使いは引かれあう……ね」
仗助は急に真顔になり、億泰に指をつきつけた。
「吉良のやつがいなくなっても、悪いスタンド使いが消えてなくなるわけじゃねえ。その女、一応気をつけておいたほうがいいかもな」
20170617