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「#居酒屋新幹線」第一話を見た。
いわゆる「孤独のグルメ」乗っかり系グルメドラマ。
出張先でテイクアウトグルメを買って、新幹線のなかでおしゃれに盛り付けて一人居酒屋を開店して楽しむという話。
家には妻と娘が待っており、居酒屋をやっているあいだはSNSの友だちが集まって画面のなかで和気あいあいし、現地の人とも心温まる交流がある、というキラキラ生活ぶりがあまり好きではなかった。

「孤独のグルメ」の革新的なところは、主人公を呑んべえに設定しないという部分でした。
呑めない人は呑める人の食べ方に共感できないし真似もできないけど、呑める人は呑めない人の食べ方を真似できる。
そして、必要以上に人と交わらないうえに酒を飲まない孤高の男だからこそ、モノローグの多さとのギャップが笑える。
井之頭五郎が独身であることや呑んべえではないことは、「孤独のグルメ」をよりおもしろくするために必要な要素です。
こうした「孤独のグルメ」の長所をあえて消してから露骨に乗っかっていっているわりに、その消された長所を上回る独自性がない、というのが第一話の印象でした。

「孤独のグルメ」という他局の作品のコンセプトに便乗するからには、「孤独のグルメ」との差別化を丁寧に図らなければいけないですよね。
テレ東の「サ道」や「東京怪奇酒」も「孤独のグルメ」と似たようなコンセプトのドラマですけど、こちらは設定や舞台の特異性やキャラクターの強さで独自性を出していました。

「新幹線のなかで居酒屋」という設定にはそこまでのインパクトはなく、「孤独のグルメ」でも電車のなかで弁当食べる話あるしな~、という。

あと、「#居酒屋新幹線」で最大の問題は、「新幹線のなかで居酒屋ごっこするのってどうなの?」という倫理的な障りの部分。
コロナ禍で、長時間の飲酒や車内飲酒そのものが白い目で見られている世の中では、いくらひとり酒とはいえ、ちょっときつい設定かもしれない。
新幹線の席ひとつぶんを個室のような扱いにしていて、フィクションだとわかっていながら「うっ」となってしまいました。

「孤独のグルメ」では、井之頭五郎が新幹線のなかで加熱式シュウマイを作ってしまい、匂いが充満して車内でざわめきが生まれるという話があります。
この描写は、「新幹線のなかは、『公共の場』である(食のエチケットは守らなければならない)」という意識が作品のなかにあるということを示しています。
「#居酒屋新幹線」は、このあたりの倫理観をどう描いていくのか。
隣の席のチケットをちゃんと取ってあるのか不明だったり、周囲の人はどういうふうに彼を見ているのか?という不安が生まれたり、グルメ以外の部分が気になって集中できない構成はシンプルによくないですよね。
SNSしながらごはんを食べるのも、見ていてあまり気持ちよくない。

「食の軍師」みたいに、「この人は周囲から嫌がられるダメおやじですよ~! 迷惑だから真似しちゃダメですよ~!」という描写があれば、それはそれでいいと思うんですけど、まだそこまで突き抜けてはいないかな。
「さぼリーマン甘太朗」のように、品行方正な普段の姿と、食に執着する異常な姿という二面性を推していくのでもいい。
二話以降でこのへんの心理ハードルの問題にフォローが入ったら好感度が上がると思う。

#ドラマ #視聴メモ

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