2025年8月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

マツモトキヨシの店員さんが、異様に親切である。
薬品を買うと、必ず「お大事に」と言ってくれる。
一度、化粧品を買って「お大事に」と言われたことがあるが、あれはたぶんなにかの間違いだろうと思う。
別の店舗では、アプリで割引クーポンを使おうとしたとき、「そのクーポンよりも、こちらのクーポンのほうがお得ですよ」と助言を受けた。優しい。
「今、ティッシュをプレゼントしているんです」と言われ、箱ティッシュを何箱ももらったこともある。ポケットティッシュじゃなくて、箱で!?

きょうは、アプリのルーレットで当たったA賞のクーポンを使おうとしたら、「A賞、おめでとうございます」と言われた。新しいパターン。
言われてみれば、A賞って初めて見たな。レアなのかな。いつもB賞かC賞なんだよな。
と思いながら、特になにも答えずにお辞儀をして店を出た。
マツモトキヨシの店員さんは、親切である。

#買い物



アニメ「光が死んだ夏」のエンディングテーマ「あなたはかいぶつ」の、松井ケムリコラボバージョンがアップされていて、かなりハマっている。
アニメ自体は1話しか見ていないので、どういう話なのかはよくわかっていない。

が、田舎にケムリさんがぼんやり佇んでいる風景があまりによすぎて、いろいろなことがどうでもよくなってしまった。何度でも見られる。
「かつてケムリさんと親友だった自分」という幻覚を見る動画。

「ひっかかりニーチェ」の「本編とバランスをとる時間」を初めて見て以来、もしかすると自分はケムリさんの顔ファン(?)なのかもしれないと思うことが増えた。
いや、顔以外もすごく好きな場合は顔ファンじゃないんだろうか。顔ファンの概念がわからない。
この世でケムリさんにしか出せない、独自の雰囲気があるような気がしている。

#お笑い

「逆転裁判5」を再プレイ中。2話まで終了。
二周目以降は見え方が変わる要素もあって、かなり楽しめるかも。
なお、細部を忘れているので、ピンチも新鮮に楽しめている。
記憶が消えるシンプル脳でよかった。
早く4話〜5話あたりが見たいなあ。

#ゲーム

さまざまな種類の本に囲まれた生活が好きだ。
自分で買った紙の本や電子書籍のほか、近所の図書館の棚にある本を手にとって読んだり、借りて読んだり、近隣の市の図書館からも本を借りてきたり、趣味の被らない人におすすめされた本を読んだり。
快活CLUBで読むマンガもいいし、スーパー銭湯やラーメン屋にあるくしゃくしゃになったマンガや雑誌もいい。
町の小さなカフェにある、今はもう手に入らないようなマイナーな本。
実家の片隅にある、ホコリを被った本。
古本屋さんにある、絶版になった懐かしいマンガ。
むかし、大学の講義でちょっと使っただけの参考書。
出版社の無料キャンペーンで配られていた、電子書籍の知らないマンガの1巻。
つまらない本もあるし、思いがけず素晴らしい出会いもある。

買った本しか読まないという人も、世の中にはたくさんいると思う。
けれど、お金を出して買った本というのは、きっと、すごく狭い範囲の本でしかない。
金銭的な価値を見出せる範囲のジャンルの本って、自分で思うよりも圧倒的に狭いのではないか。
「これを買おう!」と一瞬で決められる本ではなくて、たまたま出会った、よく知らない本というのが、自分の人生にとってはすごく大事だ。
図書館の棚にたまたまあったとか、行きつけの店の片隅でホコリを被っていたとか、本屋さんのおすすめの棚にあったとか、そういう突然の出会いが好き。

むかし、民宿のような小さな宿の階段の下のつきあたりにあった、誰も読まないようなひっそりとした本棚にあった「アンネの日記」を一晩かけて読んだことを、今でも鮮明に思い出す。
むかし、親戚の家で読んだ「電影少女」の官能的な描写にドキドキしたことや、それが途中までしかなくて、つづきが気になって、何年か経って買ってしまったことも。
そういう出会いをしつづけたいという気持ちで、きょうも町中のいろんな場所で本を探している。

#読書



ふと、かつて「美少年探偵団」の原作がそこそこ好きだったことを思い出した。
アニメ版はまったく見ていないし、原作も最終巻(アンコール)を読みそこねていたんだけど、久しぶりに読みたくなってきた。
アニメはOPだけ見てみたら、雰囲気良さそうだった。これもシャフトだったんだ。
西尾維新のノリについていける人、かつ女性主人公の恋愛少なめ逆ハーレムが好きな人……というかなりニッチな人にしか刺さらない作品なのだけど、気軽に読めるのが好きなんだよなー。
アニメもそのうち見てみたい。

#読書

ひさしぶりに、昭和……というか、平成初期を感じる銭湯施設へ行く。

銭湯とスーパー銭湯の中間くらいの雰囲気の温泉施設が好きなんだけど、なかなかないんだよなあ。
今後も設備が古すぎてつぶれていくのではないかと思う。

やたら広めにとってある休憩室とか、そっけない感じの設備とか。お湯の質はガチだったりとか。
脱衣場で立ったまま、持ってきた化粧水を顔に塗り込んでいるおばさまがいて、なんかいいなあ……と思ってしまった。スーパー銭湯には立ったまま化粧水を塗るおばさまはいない気がする、たぶん。

昨年、タオルケットがほしいなあ……と思いながら、いつのまにか夏が終わっていて買えなかった。

今年も、タオルケットがほしいなあ……と思いながら、また、八月が半分過ぎそうになっている。
買いそびれそうだ。
なければないで過ごせてしまうのだが、心地よいお昼寝のために、ほしいなあ。

なんとなく眠たい日。
おいしいスリランカカレーを食べに行った。
夜は「逆転裁判5」の再プレイをPS5で始めた。
そうそう、これこれー!好きー!
と言いつつ、細部はかなり忘れていて、間違えまくっていた。
また一から楽しめそう。

#ゲーム



ふとした拍子にやりたくなる懐かしいゲームがいくつかある。
「逆転裁判」シリーズはその筆頭だが、特に5がやりたい。
1や2は当時何度もプレイしているし、「蘇る」もあったしで、あまりやりたくはならないのだが、4以降は一回ずつしかやっていなくて、もう一度やりたい気持ちがある。
5推しの人をあまり見かけないのだけれど、5、めちゃくちゃ好きなんだよなあ。またやりたい。

「龍が如く7」とかもそうだけど、前作がシリーズ一の絶不評だったのを次作で立て直したナンバリングに特別な愛着がある。
シリーズを打ち止めにせずに次作を世に出すだけでも、非常に勇気がいると思う。
5がこういう出来でなかったら、6はなかっただろうし、もしかしたら、大逆転もなかったかも。

もちろん1~3は変わらず好きだし、5が出て以降は4のこともすこし好きになった。
もう続きは出ないのだろうか……。
令和になって、これ系のゲームが明らかに減ってきている(スマホゲーやマダミスなどに代替されている?)体感があり、寂しさを感じている。
逆転裁判シリーズは、推理ゲームではなく、推理小説が好きな人が作っているからこその、ガチ本格感があるんだよなー。このガチさは今思うと貴重だった。
コンスタントに新作が遊べたあの日々に帰りたい。

#ゲーム



「あかね噺」のアニメ化が決定していた。
原作は11巻くらいまで読んで、あまりにもおもしろすぎて、もったいないので続きを温存している。
王道な熱さで大好きなんだよなー。
からしさんが好きなので、たくさんアニメで見られると嬉しいなあ。

#アニメ



「ペリリュー ー楽園のゲルニカー」がアニメ映画化される。
かつて、途中まで一気読みして、続きが気になりながらも、あまりにも精神的にきつくてギブアップしたという漫画。
漫画の表現力の鋭さによって、この先を読みたくないとすら感じさせるのってすごいと思うんだよなあ。
絵柄に反して、描かれている現実は重い。
絵柄はファニー寄りなのに……という部分は、「総員玉砕せよ!」を思わせるかもしれない。

つらすぎて「火垂るの墓」を二度と見たくないと思うのと一緒で、つらくさせること自体が作品のパワーを示しているのだ、たぶん。
映画で見たら、たぶんもっときついだろうなあと思いつつ、彼らの行く先が気になっている。

#映画

ご当地系の名物お菓子をもっと食べてみたい、という願望がある。
職場でもらったりして、制覇できている部分もあるのだけれど、まだまだ食べたことのない領域のお菓子もたくさんあって、「これ、あの地方のアレに似てるかも」「これは食べたことがない味がするかも」「こんなにおいしいのに、地域限定!?」など、楽しみどころがたくさんあって好き。

個人的に殿堂入りなのは、
・ドゥーブルフロマージュ(北海道)
・ひよ子(福岡県)
・ざびえる(大分県)
・家伝ゆべし(福島県)
・シュガーバターサンドの木(東京都)
・東京ばな奈(東京都)
・十万石まんじゅう(埼玉県)
・赤福(三重県)
・お茶羊羹(静岡県)

あたりかなあ。他にもありそう。
旅行に行ったら、とりあえずひとつは鉄板のやつを買っておきたい。そんな気持ち。

#買い物

オモコロで見てから気になっていた、鹿児島銘菓のかるかん饅頭を食べた。
そこらへんのスーパーに売っていたものなので、もしかすると本物のかるかん饅頭とはやや違うのかもしれないが、パッケージには一応「彩りのかるかん」とある。

いったい、どんな味がするのか……わくわくしながら口に入れると、すごく食べたことのある味。
あれ……これは、とても覚えがあるぞ……。
初めて食べるのに、まるで昔から埼玉にあったような懐かしさ……。
……これ、十万石まんじゅうじゃね?

ただ、十万石まんじゅうはしっとりもっちりとした味わいだが、かるかん饅頭はどちらかというと蒸しパンのような、生地に含んだ空気の存在が感じられる、ふわふわと軽やかな味という違いはある。が、原料的にはほぼ同じだ。
あと、十万石まんじゅうのほうが圧倒的にあんこの量が多い。
たぶん6~7割くらいはあんこである。
かるかんは生地のほうが主役で、あんこのないバージョンもあるらしいので、十万石まんじゅうとは主軸が違うのかもしれない。

どちらもおいしいが、どちらかというと十万石まんじゅうのほうがおいしいのではないかと思うのは、埼玉県民の欲目だろうか。
ネットで検索すると「十万石まんじゅうは、かるかんのパクリなのか?」という不穏な文言まで飛び出す始末。
たぶんパクリではないと思うが、そう言われると十万石まんじゅうの無実を証明してあげたくなる。

ちなみに、調べたところ、かるかんは徳川綱吉の時代に生まれた由緒のあるお菓子。
十万石まんじゅうは太平洋戦争の直後に売られはじめたらしい。
どちらも歴史のあるお菓子ではあるが、「十万石まんじゅうはかるかんのパクリ」という説はこの段階では否定できない……かるかんのほうが歴史が古いようだ。無念だった。

#買い物



このあいだの「復讐ラジオ」の「サ活芸人」と「炎上喫煙所」で初めて知った、演芸おんせんの「からあげ的発言」を見る。

日本の芸能界の、政治や時事ネタに言及すると、内容がまっとうであっても「思想が強い」と叩かれる冷笑的な空気は異様だ。
その空気は、その芸能人を見ている大衆をも無知で冷笑的なポジションにしていくと思う。
普段からそういう話をタブーとして扱っているから、自分が危険思想にハマってしまっても気づかなかったりする人もいる。
事務所の方針であり、ファンからの要望でもあるんだろうけど、それでも、時局にちゃんと言及できる人のほうが人間的魅力はあるだろう。

芸人という立場を逸脱しない範囲ではあるが、それでも、この時局にあらがう漫才。
「からあげ的発言」はそういうネタだ。
歪んだ政治に対して批判的な発言をすることすら許さない窮屈な世界を、業界を、この場でだけは『笑い』へと置き換えていく。
世界をもう一段階歪めた先に、歪みのなかにある偏見の正体が晒される。
構造はシンプルながら、すごくおもしろい。

芸人としての『ウケ』を優先するか、『思想』を優先するか……「復讐ラジオ」でみなみかわさんの提示した究極の選択。
その先には、『ウケ』と『思想』を両立できる理想の世界があるのかもしれない。畳む


#お笑い

岩本ナオ「町でうわさの天狗の子」を全巻読み終わった。読み終わってしまった、のほうが正しいかもしれない。もったいない。

だいぶ昔、9巻くらいまで読んでいて、読んでいない巻は最終局面だけだったんだけど、それでもドキドキしながら新鮮に読めた。
少女漫画というフォーマットではあるのだが、いわゆる『当て馬』的な扱いなどはなくて、当て馬的なポジションにいた人も最後まで重要人物として出番があったり、恋愛もべたべたした感じではなかったり、一捻りした感じが気持ちよかった。恋愛的に重要か重要でないかに関係なく、みんなに丁寧にライトを当てているお話。こういうの、もっと見たい。
「金の国水の国」は映画版しか見ていないんだけど、原作も読みたくなったなあ。あれも恋愛っぽくなくて好きだった。

#読書

最近、体調が悪い日は、ひたすらKindleで読書をしている。
おかげで出費がすごいことになっているが、ある程度は見て見ぬふりをすることにした。
新しい漫画もいいけど、かつて好きだった漫画の世界を再訪するのにもハマっている。
あー、こんな展開あったなー。とか、懐かしいなー。と思っていると、体調が悪い日もなんとか乗り切れる気がするのだった。

#読書

電車で向かいに座っている人のスマホケースの後ろに大きな文字で「毎日15分」と書いてあった。テプラか何かだろうか、自分で作った感じだった。
なにを毎日15分やっているのか、どうしてそれをスマホに貼っているのか、すごく気になったが、結局なにもわからず、世にも奇妙な物語みたいな世界観のまま、降りていった。

小島秀夫監督の「ポリスノーツ」をダウンロード版で購入した。VITAに入れて遊ぶ。
中身についてはまだあまり遊べていないので言及しないが、レトロゲームがダウンロードで買える環境はやはり貴重。
現在、これほどまでに包括的に作品が集まっているレトロゲームのダウンロードストア、他にはたぶんない気がする。
PS3で利用できるアーカイブストアって異常なほどに整っているんだよなー、と思い返すのであった。
似たようなものだとSwitchのサブスクがあるが、こういう整い方はしてないんだよな。
PS3は人気のない初代PSのゲームなどもしっかり揃えてくれているのがすごい。
これくらいの時期のゲームをいつでもダウンロード販売で遊べるようにしておくためには、PS3かVITAが必須になってくる。
そのうちにストアも閉鎖されるかもしれないが、今のところ、PS4よりも3のほうが重要なポジションを占めているのは不思議だ。
PS4でも買えるようにしてくれたらいいのになー。

#ゲーム

2025年7月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する



星野源とオモコロ(匿名ラジオ)が交流をはじめていたとき、「その人たちが交わることあるんだ!?」という新鮮な驚きがあったが、今月、‪ARuFa‬さんのMVが完成していて、「そっちに行くんだ!?」という嬉しさに変わった。
どっちも好きだから、シンプルにとても楽しい。にこにこしている。

#音楽

原田実「江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統」を読み終えた。

唐突だが、少し古めの駐車場で見かける「赤ちゃんが寝ています」という立て看板を見ると、なんとも言えない気持ちになる。
看板の文字は色あせ、設置からすでに30年は経っているのではないかという古び方だ。
おそらく、当時その建物にいた赤ちゃんも、今ではすっかり大人になっているだろう。

もちろん、「赤ちゃんが寝ています」は「実際に赤ちゃんが寝ている」という意味ではなく、「静かにしてほしい」という間接的な訴えだということはわかっている。

けれども、もしその建物にもう赤ちゃんがいなかったら?
それはつまり、「自分の願いを通すために、実在しない赤ちゃんを盾にしている」ことにならないだろうか。
「住民が寝ています」なら、住民がいるかぎり嘘ではない。
それなのに、あえて「赤ちゃんが寝ています」と書くのは、「起こしてしまったら大変なことになる、か弱い存在」を引き合いに出すことで、より強く静寂を求めているように感じられる。
そこに、ほんの少しの違和感、モヤモヤが残る。

最近の新しい駐車場では、こうした表示はあまり見かけない。
おそらく、一時期流行した決まり文句だったのだろう。

長くなってしまったが、ここで言いたいのは、「主張が正当であれば、その根拠となる事実は多少いい加減でも構わないのか?」という問題である。

たとえば「駐車場で騒音を出す人やアイドリングを続ける人がいて、近隣住民が迷惑しているから静かにしてほしい」という主張には異論の余地はない。とてももっともな願いだ。
しかし「赤ちゃんが寝ているから静かにしてほしい」という理由は、証明しようがなく、少しのハッタリを感じる。
仮に本当に寝ていたとしても、今は起きているかもしれないし、もはや赤ちゃん自体がいない可能性だってある。
「赤ちゃんが寝ている」という前提がなくなった瞬間、「では静かにしなくていいのか?」という矛盾が生じる。看板の趣旨から逸れてしまうのだ。

もちろん、この程度のハッタリなら許される範囲ではあるが、それでも「虚構であっても構わない」という姿勢は、慎重に見直されるべきではないだろうか。

さて、本書で取り上げられている「江戸しぐさ」もまた、似たような構造を持っている。
その中身は、「みんなに優しく」「思いやりを大切に」といった道徳的な内容で、基本的には異論を挟みにくい。
一部、自己中心的に感じられるしぐさもあるが、それも含めて「まあいいことを言っている」程度の印象を持つ人も多いだろう。

だが問題なのは、その道徳の来歴だ。
「江戸時代の庶民が実践していた」とされるこの江戸しぐさ、実際には、戦後に捏造されたもので、史料的根拠も裏付けもまったく存在しない。
むしろ、江戸時代の暮らしや常識に照らし合わせれば、とうてい成立しえないような考え方ばかりが並んでいる。

それでもかつては、「江戸しぐさはいいことを言っているのだから、事実かどうかは関係ない。人に優しくするべきなのだから」という理屈がまかり通っていた。
けれども、どんなに立派な主張であっても、それが虚構の土台に立っていれば、正しさそのものが損なわれる。そのことは、もっと強く意識されていいはずだ。

この本では、「江戸しぐさ」というオカルト的な道徳が、いかにして教育現場に食い込み、教科書にまで載るようになったのかを、著者が丹念に検証している。
本来なら「江戸しぐさはあった」と主張する側が、その証拠を提示すべきだ。だが、それは存在しない。
代わりに彼らが持ち出してきたのは、薩長による「江戸っ子大虐殺」によって証拠が失われた、という荒唐無稽な説である。薩長もいい迷惑だろう。

そこで、証拠が存在しないことを示すために、著者は逆説的に「江戸しぐさはなかった」とする側から、文献や当時の慣習をひとつひとつ丁寧に示していく。
そのロジカルな反証の積み重ねが、とにかく痛快で読ませる。

偽史が生まれる背景には、「愛国心」や「現実逃避」あるいは「道徳的理想」が潜んでいることが多い。
「自分の大好きな日本は、もっとすごい国であってほしい」という願望が、事実ではない歴史を生み出す。
その罠に、自分自身も引っかかっていないか、立ち止まって考える必要があると思わされた。畳む


#読書

宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」を読み終わった。
第39回坪田譲治文学賞、2024年本屋大賞受賞作。

周囲からは変わっている子として扱われ、学校ですこし浮いている成瀬あかり。
いろんなことに果敢に挑戦し、ブレずに自分の興味の赴くままに活動をつづけるその姿勢は、友人の島崎みゆきを心酔させる。

そこまで特異ではないあらすじなのだが、読んでみると、すごく新しい味がしておもしろいのだった。一日で、一気に読めてしまう。
成瀬の興味の矛先がいろんな場所に飛んでいって、ひとつだけではないから楽しいのかもしれない。
途中、M-1グランプリへの出場という非常に大きな関門があるのだが、これも物語の主題ではなかったりして、その雑多さが楽しい。
全部がM-1だったら、きっとこういう読後感ではなかっただろうな、と。

成瀬と島崎が歩く青春の道筋を、読者も一緒に歩みだす。
軽やかで、さわやかで、失敗を恐れない。
挑戦しても、その挑戦を成就させる必要などない。
ただ、やりたいことや、やるべきだと思ったことをひたすらする。ダメだったら、次は新しいことをする。その繰り返し。
この作品の時間設定がコロナ禍のさなかだということもあり、成瀬のそういうポジティブな姿勢に勇気づけられる。
自分も、失敗してもいいから、とりあえずやってみようと思える。そんな小説だった。畳む


#読書

「aquagarage」という洋服通販で、2年ほど前にワンピースを購入していた。

夏でも冬でも着られて、ややフォーマルなデザインでもあり、仕事でもおでかけでも使い回せる感じがお気に入りだった。
安いから気楽に着られるし。

先週、そのワンピースのスリットのところを破ってしまい、まだ着られはするけどちょっと危険かも……と感じたため、また同じ服を購入。
2年経過しているのに、同じ商品が残っているのが嬉しすぎた。
通販のたびに小さいクリアファイルを送ってくれるのだが、このファイルもかわいくて、すごく好き。
また手頃な洋服がほしくなったらここで買おうかなーと思っている。

#買い物

「デスストランディング2」をクリアしてしまった。もったいない……と思いながら。
47時間くらいでシナリオ終了。

語りたいことはたくさんあるが、シナリオをネタバレしない範囲でいうと、「Pop Virus」という大好きな曲が、ここまでデスストの世界と噛み合うとは……!という新鮮な驚きがあった。これは本筋にはまったく関係ないので、言ってもいいかな。

デススト大好きな星野源が本人役で登場するというだけでかなり嬉しいが、「音の中で君を探してる 霧の中で朽ち果てても彷徨う」がぴったりすぎて、感慨深いなあ……と思った。BGMにこれを設定している場所を通り過ぎると、ちょうどこのあたりの歌詞が流れる。
星野源本人もデスストの世界に本当にいそうなモブキャラになってて、うまいんだよなー。
無理やり出しました、みたいな感じがないというか。
こういう真面目な職人キャラのモブ多いからなー。

#ゲーム

ハリエット・アン・ジェイコブズ「ある奴隷少女に起こった出来事」を読んだ。
1861年に出版された、ひとりの奴隷の少女の自叙伝。
奴隷として生まれ、主人からさまざまな搾取を受け、差別や迫害に耐え、逃亡しながらも常に光を求めた女性、リンダ。
あまりにショッキングな内容から、長い間フィクションだと判断されていたが、実は筆名で書かれたノンフィクションだったという本だ。

リンダの前向きさに心打たれると同時に、人間が人間を買うことの残酷さや、「そうあって当たり前」である風潮のなかに根深い差別があることなど、令和だからこそ考えさせられる一冊だったと思う。
奴隷を奴隷として残酷に扱った人々は、決して全員が悪人であるわけではなかった。
そうすることが当たり前の常識であり、むしろそうしないことは紳士にふさわしくなかったことすらある。
逃亡生活のなかで、リンダは人の優しさと残酷さの両方に触れ、常にぎりぎりの状況の中、自分の尊厳を守るための究極の選択をしていく。
リンダに優しくしてくれた白人もいたし、リンダを奴隷狩りに差し出そうとした黒人もいた。その人の人間性と人種は直接は関係ない、ということがこれだけでもよくわかる。
人種ではなく個を見ること。どんな状況でも誇りを失わないこと。いつでも自分が正しいと思う選択をすること。
この一冊からなにを読み取るかは人によって違うと思うが、読むべき一冊であることは間違いない。

日本人は差別に無自覚な人が多いと思うのだけれど、今回の参院選の結果があんなふうだったことも踏まえて、自分が無自覚に差別を行っていないか、その足で誰かを踏みつけていないかを常に確認していく必要があると感じた。良書。畳む


#読書

Kindleに大量にたまった未読漫画を、どうにか読まなきゃな~と思っている。
全巻激安セールみたいなイベントのときについつい買って、そのままになっていたりとか。
なにを思ったのか「ゴルゴ13」の序盤を少し買っていたり、これまでの人生でたぶんほとんど通っていない気がする(アニメはちょこちょこ見ていたけど漫画で読んだことがない)「地獄先生ぬ~べ~」の無印を全巻買ったり、懐かしの「破天荒遊戯」を買ったりと、ここ最近だけでもかなり買い物をしている。「彩雲国物語」のコミック版も買ったなあ。
漫画以外だと、ブギーポップマラソンも折り返し地点で休憩中だったり、バッカーノ!も買い直していたりする。

そろそろガッツリ整理して読み出したいな~と思うのだが、整理する機能があまりちゃんとしていなくて、どんどん埋もれていくのであった。
読むぞ!

#読書

あだち充の「H2」がようやく電子書籍解禁されて、8月に発売になるらしい。
中学生~高校生のころにドハマリして、いろんなあだち充作品を読み漁っていたんだけど、濫読しすぎたせいか、内容についてはあまり覚えていなかったりする。
なんとなく、「H2」か「みゆき」が一番おもしろかったような気がする。
せっかくの解禁だし、買いたいなー。

#読書

安藤なつ「介護現場歴20年。」を読む。

お笑い芸人として活躍しながら、介護の仕事をつづけていた安藤なつさんが、これまで経験した介護の仕事について語るコミックエッセイ。

介護は、過酷だったり、薄給だったり、つらいことばかりなのではないかというイメージがあるのだけれど、安藤さんはひとりひとりの利用者と丁寧に向き合い、コミュニケーションや介護の仕事そのものを楽しんでいる。
彼女の快活で誠実な人柄が伝わるエッセイで、晴れやかな気持ちになれた。
合間にあるコラムも読み応えがあって、いい本だと思った。
安藤さんのポジティブで優しい人柄のほうに目が行ってしまって、介護の仕事の内容よりも安藤さんのほうが印象に残ってしまうところが、欠点といえば欠点かもしれない。すごい人だ。

「デイサービスを幼稚園にしない」とか、介護する側だけではなく、される側の気持ちを思いやる姿勢の話が興味深かったなあ。
みんないずれは介護される側になるかもしれないわけで、そのときのために、介護される側の気持ちに沿った介護の形が徐々に完成するといいな。畳む


#読書



少し前に、「海がきこえる」を初めて見た。
見たあとで、リバイバル上映が決まっていることを知ってすこし嬉しかった。
ファンタジーや考察の要素があまり好きではない自分が、スタジオジブリで一番好きな作品はおそらく「コクリコ坂から」なのだが、これもトーンとしてはやや近くて、好きだったなー。

日本アニメのよくない慣習として、人物が記号的すぎるというものがあると思う。(もちろんすべての作品がそうであるわけではない)
「海がきこえる」はそうした切り分けが少なく、人間の多面性を感じさせる作品で、好みだった。

「ツンデレ」「ヤンデレ」「クーデレ」などとキャラクターを細かく切り分けていくことがいろんなジャンルで当然のように行われているが、現実の人間は、そんな属性で切り分けられるものではない、と強く思う。
病んでいて落ち込んで自暴自棄になる日もあれば、人にやさしくできる日もあるし、急に不機嫌になって怒る日だって、あっていい。常にツンツンしているとか、ずっとトーンが暗いとか、一貫性があるほうがむしろ不自然だ。
そして、荒れている人に当たられた側も、なんの理由もなくそれを許していいし、あとから急に思い出して怒ったっていい。
実際、日常はそうやって、なんの脈絡もなく流れていくものだから。
そうした日常のコミュニケーションの風景を、描写をサボらず、記号化せず、情感を持って丁寧に映し出しているのが「海がきこえる」なのではないかと思った。
劇的に物語が動くことはないが、じわじわと事態が移り変わっていくさまが、とてもリアルだ。
ひとつひとつのシーンは「こういうこと、あるよなあ」というあるあるが詰まっているだけに、見ごたえがある。

定型化されていない、どこにでもいる、すこしだけ情緒不安定な女の子を描いたからこそ、「海がきこえる」は本当に青春を追体験させているような質感を持ってこちらに迫ってくる。
実写映画だとこういう作風のものはたくさんありそうなのだが、アニメという媒体に限ると滅多に見かけないし、うまく成功させるには描写力がかなり問われる気がする。
こういう作品、もっと見たいなあ。チャレンジするうまみは少ないんだろうけど。畳む


#映画

見に行きたい映画リストを作っていた。
・プロジェクト・ヘイル・メアリー(2026年)
・爆弾(10月31日)
・ガールズバンドクライ(10月3日)
・チェンソーマン レゼ篇(9月19日)



うんうん、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」、原作未読だけど絶対おもしろいよね。見たいよね。
ここまではリストとしてかなり順調だった。
だが、ここで乱入してくる珍客。



・劇場版ほんとうにあった怖い話~ゾクッ事故物件芸人~(8月1日)

内容的にはややダメそうな予感がするけど、大画面でフースーヤが見られるのすごいな。
大画面一発ギャグを見るためだけに劇場に行く可能性がある。
ある種、家で見ると冷静になってしまいそうだし、劇場で見るべきものなのでは……という気持ちでいる。お笑いのオタクが大量に劇場に集結するんだろうか。
この役にフースーヤをセットで起用するのがめちゃくちゃよくて、キャスティングだけで「いいね!」を押している。

#映画

久しぶりに、二次創作のサイトのほうの更新作業をしていた。
今年に入ってから、まだ一度も更新していなかった事実に驚く。
一応、昨年か一昨年くらいに「一年に四回くらいは更新したい」と言っていた気がするので、今年はここからあと三回更新することができれば目標達成できるかな。
更新せずにいると、ソフトの使い方を忘れそうになるので気をつけないと。
この夏のあいだに、あと数回更新したいなという気持ちでいる。

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