2022年1月10日の投稿[1件]

角度を変えるといろんな色に見える、深みのあるキャラクターが好きだ。
たとえば、ボウケンジャーの高丘映士とか、ジョジョ4部の東方仗助とか。

特に、高丘映士という人は、一見矛盾するような要素をたくさん抱えていて、それでいて芯が通っていて、いくら見ても飽きない。
ガサツで脳筋で、野菜を生のままでまるかじりする野生児という面と、繊細で神秘的で、母親の愛情に飢えていて、いまにもどこかへ消えてしまいそうな儚い少年の面の両方を持っている。

『野生児』と『繊細』って、イメージ的にはまったく両立しない概念に見えるんだけども、高丘映士を高丘映士たらしめる過去の出来事が、この両方をしっかり指し示しているのがうまい。
社会から離れて生きていくことを選んだからこそ『野性的』なのであり、一般社会と断絶していたうえに親子の関係性が早々に消えてしまったせいで精神が熟成されていない部分があるからこそ『繊細』なのだ、と考えるとまったく矛盾がない。
世間知らずの一匹狼で団体行動に向いていないけれど、人を思いやる心はあるということを描くために非常にうまく機能しているのが、第31話「亡国の炎」だと思う。

社会とのつながりを拒否して生きてきた高丘と、社会の規範に忠実に生きるさくらとの対比。
このふたりの対立と歩み寄りによって、ボウケンジャーというひとつの社会に高丘がすこしずつ溶け込んでいく様子を描ききるのが、小林靖子らしい理知的な脚本だよな、と思う。
「家」の話になった途端に距離が縮まるのも、しみじみといい。
ボウケンジャー屈指のピンチ回でもあり、大好き。何度でも見られそう。

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