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2022年7月29日
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2022年7月29日(金)
TBSドラマ「石子と羽男 -そんなコトで訴えます?-」の第1話を見た。
新井順子P×塚原あゆ子Dという「MIU404」のタッグで送る、リーガルドラマ。
「MIU404」の大ファンとしてかなり楽しみにしていたが、スタートダッシュに乗り遅れてしまった。
脚本は「TIGER & BUNNY」の西田征史。
4回司法試験に落ちた東大卒の石頭パラリーガル・石子と、1回で司法試験に合格した高卒弁護士・羽男というデコボココンビが、身近にありそうな法律トラブルを協力して解決していく……という筋書き。
第1回は、盗電、そして職場でのパワハラ告発。
依頼人、どこかで見た顔立ちだぞ……?と思ったら、万丈龍我だった。
めったにドラマを見ないので、彼を仮面ライダーと由利麟太郎でしか見たことなかった。突然出てきてびっくり。
ライダー俳優がこの時間帯のドラマで活躍していると、非常に嬉しくなる。
印象的なのは、加害者かもしれない人への想像力の働かせ方。そして二項対立で物事を済ませない姿勢だ。
この手の法律ものは『片方を悪人にする』ことで簡単に解決できてしまう物語になることが多い印象なのだが、第1話では加害者を放り出すことなく、徹底して依頼人として取り込む姿勢が示される。
そこに、人間関係を断絶させない努力を感じた。
法律は人間関係を円滑にするためのものであり、誰かを疎外するためにあるものではない……という理念がこういう脚本を可能にするんだろうと思う。
加害者に見える人物への歩み寄りの姿勢は「MIU404」でもちょこちょこ感じていたけど、今回はより意識的にそういうふうにしているのではないか。
被害者に同情することはすごく簡単だし、そういう物語をパッケージングしてそれっぽく見せるのも、おそらくよくある手法だ。
しかし、ひとりの視点からだけ物事を眺めると、どんな事象でも歪みが生じるし、全体が見えない。
「彼はどうして、盗電しただけの男に100万円を払わせようとしたのか?」
「彼はどうして、パワハラをするに至ったのか?」
悪者に見えた人物の視点で物事を見る努力をすることで、視点が切り替わって世界が広がっていく感覚が気持ちいい。
被害者/加害者という二項対立のみではなく、そこにいる個人そのものを直視することによって、リアリティが増している。
ちょうど、ブレイディみかこのシンパシーとエンパシーの話について考えていたところだったので、そこへこういう物語が現れたのはタイムリーだった。
人間は自分の好きなものへ感情移入をしたがるもので、被害者には積極的に感情移入をするけど、加害者にはやろうとしない。
反射的に、やりたいように感情移入をするのはシンパシーだ。
シンパシーを重視する社会では、加害者の実像を考えたり、加害者の目線で思考をするだけで「加害者に肩入れするのか」と叩かれたりもする。
しかし、物事の全体を見るためには、加害者のように見える人の感情や状況を想像するのは必要なことだ。
想像したくないような相手へと思いを寄せていくのは、反射ではできない。この努力や能力はエンパシーと呼ばれる。
弁護士として、依頼人のみならず、それ以外の人のことを想像すること。
特に、もっとも感情移入をしたくない相手へと歩み寄っていくことが、彼らの道を切り開いていくかもしれないのだとしたら、それはとてもわくわくするし、おもしろい。
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「MIU404」の大ファンとしてかなり楽しみにしていたが、スタートダッシュに乗り遅れてしまった。
脚本は「TIGER & BUNNY」の西田征史。
4回司法試験に落ちた東大卒の石頭パラリーガル・石子と、1回で司法試験に合格した高卒弁護士・羽男というデコボココンビが、身近にありそうな法律トラブルを協力して解決していく……という筋書き。
第1回は、盗電、そして職場でのパワハラ告発。
依頼人、どこかで見た顔立ちだぞ……?と思ったら、万丈龍我だった。
めったにドラマを見ないので、彼を仮面ライダーと由利麟太郎でしか見たことなかった。突然出てきてびっくり。
ライダー俳優がこの時間帯のドラマで活躍していると、非常に嬉しくなる。
印象的なのは、加害者かもしれない人への想像力の働かせ方。そして二項対立で物事を済ませない姿勢だ。
この手の法律ものは『片方を悪人にする』ことで簡単に解決できてしまう物語になることが多い印象なのだが、第1話では加害者を放り出すことなく、徹底して依頼人として取り込む姿勢が示される。
そこに、人間関係を断絶させない努力を感じた。
法律は人間関係を円滑にするためのものであり、誰かを疎外するためにあるものではない……という理念がこういう脚本を可能にするんだろうと思う。
加害者に見える人物への歩み寄りの姿勢は「MIU404」でもちょこちょこ感じていたけど、今回はより意識的にそういうふうにしているのではないか。
被害者に同情することはすごく簡単だし、そういう物語をパッケージングしてそれっぽく見せるのも、おそらくよくある手法だ。
しかし、ひとりの視点からだけ物事を眺めると、どんな事象でも歪みが生じるし、全体が見えない。
「彼はどうして、盗電しただけの男に100万円を払わせようとしたのか?」
「彼はどうして、パワハラをするに至ったのか?」
悪者に見えた人物の視点で物事を見る努力をすることで、視点が切り替わって世界が広がっていく感覚が気持ちいい。
被害者/加害者という二項対立のみではなく、そこにいる個人そのものを直視することによって、リアリティが増している。
ちょうど、ブレイディみかこのシンパシーとエンパシーの話について考えていたところだったので、そこへこういう物語が現れたのはタイムリーだった。
人間は自分の好きなものへ感情移入をしたがるもので、被害者には積極的に感情移入をするけど、加害者にはやろうとしない。
反射的に、やりたいように感情移入をするのはシンパシーだ。
シンパシーを重視する社会では、加害者の実像を考えたり、加害者の目線で思考をするだけで「加害者に肩入れするのか」と叩かれたりもする。
しかし、物事の全体を見るためには、加害者のように見える人の感情や状況を想像するのは必要なことだ。
想像したくないような相手へと思いを寄せていくのは、反射ではできない。この努力や能力はエンパシーと呼ばれる。
弁護士として、依頼人のみならず、それ以外の人のことを想像すること。
特に、もっとも感情移入をしたくない相手へと歩み寄っていくことが、彼らの道を切り開いていくかもしれないのだとしたら、それはとてもわくわくするし、おもしろい。
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