2022年9月22日の投稿[1件]

ウルトラマンオーブ第14話&第15話「暴走する正義」「ネバー・セイ・ネバー」を見た。

総集編の13話を挟んでの後半戦開幕ということで、そこに繰り広げられるのがジャグラスジャグラーとの因縁の対決なのか、それとも惑星侵略連合最後の生き残り・メトロン星人タルデとの復讐の対決なのか……とわくわくしていたら、まさかのどちらでもないという。

突然、地球へと降り立ったのは、真っ白い竜神のような形の巨大ロボット。
SSPはこのロボットを正義のロボットだと解釈し、「ギャラクトロン」と名付け、解析を進める。
しかし、ギャラクトロンは自身のプログラムに基づき地球を解析し、争いをやめない人類の文明と、食物連鎖を基調とした間違った自然はリセットして白紙に戻すべきだという結論を下し、キャップを内部に取り込み、暴走を始める。
通常のオーブでは歯が立たないと悟ったガイはベリアルのカードを再び使うことを決意するが、サンダーブレスターはまたも暴走し、ゼットビートルを叩き落とし、さらにはキャップを取り込んだままのギャラクトロンにも牙をむく。
ギャラクトロンはなんとか倒すことができたが、オーブの攻撃をまともに受けたキャップは重傷を負ってしまう。
味方だと思っていたオーブがキャップに怪我を負わせたことに絶望し、嘆き悲しむSSPの一同を見て、ガイは彼らのもとを去ることを決める。

暴走するロボットは発達しすぎた科学の成れの果てであり、シンがこれを見て科学による正義は成せないのだと絶望するという展開がすごく見ごたえがある。
人類の文明のみならず、弱肉強食の自然の世界すらも間違っていると結論づけるギャラクトロンの思考も、意外性があっておもしろい。
ギャラクトロンとサンダーブレスターは強大な力を制御できていない『暴走する正義』であるという点においてまったく同一の存在であり、正義と正義が潰しあったことによって、ガイがもっとも大切に思っているキャップが深く傷つくという展開には迫力がある。

ウルトラマンが自らの手でゼットビートルを撃墜する(そしてコフネさんの人間を愛する気持ちが隊員の命を救う)という絵面のインパクトがすごすぎる。
叩き落とされる瞬間の視点がオーブ側ではなく、ゼットビートルに乗っている人の視点なのもショッキングだ。
カラータイマーが点滅した瞬間の「オーブはもうすぐ消えてくれます」というシンの発言は、あまりにも深い絶望に満ちている。

ギャラクトロンとの戦いには怪獣が登場しないため、ジャグラスジャグラーもタルデもまったく出てこないのだが、このふたりが出てこなかったことでシリアスの濃度がいい感じに上がった気がして、すごく雰囲気が引き締まった回だったなと思う。
演出面でも印象的なシーンが多いんだけど、特に好きなのはトンネルのなかを車で走りながらシンとコフネさんが会話しているくだりで、暗闇のなかのふたりの横顔を交互に映しつづけ、最後にトンネルの先にいるオーブがギャラクトロンに腹を貫かれるところが見える、という部分。
『暗闇』の果てに『光』の敗北が見える……というのは今回の展開を暗示しているかのようで、すごくオシャレだと思う。

#特撮

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