2022年10月16日の投稿[1件]

「意味がわかると怖い話」が好きなのだが、ネット上での粗製濫造が進みすぎて、「すごくいい!」と感じるハードルはかなり高くなっていると感じる。

個人的には、
・意味がわからない状態だと、じんわり怖い
・意味がわかると、さらに怖い
・意味をいろいろ考えている過程で、怖いけど正答ではない選択肢の可能性がポップアップしてきて怖い
・設定がある程度リアルで、ありえそうである
・超常現象ではなく、人が怖い話である

あたりの条件はほしいところだ。
超常現象系は、オチの精度にもよるけど、「意味がわかると怖い」という定義とはややずれるような気がするので、あまり歓迎しない。
なお、評価している人がそこそこ多いような気がする、元素記号の暗号の話なんかは自分の中ではワースト1位である。これは超常現象ではないけど、あまりにもありえないから。

自分的に好みなのは、鉄板ばかりなのだが、「落石事故」「死体の消える井戸」「イヤホンが壊れた」「パチンコ玉の耳栓」あたり。
特に「落石事故」は論理的ですごく好き。「まさか……彼女は心中したかったのでは?」というような誤答もしっかり怖いところが嬉しい。
「意味がわかると怖い話」は読み手の想像力を試す構造になっているので、「読んで、考えている過程でこういう誤答が浮かぶだろうな」という読み手の心理まで読み切っていると、かなり気分がアガる。
正答だけがピンポイントで怖ければいいわけではない、というか。

「イヤホンが壊れた」はシンプルに書いてあることが怖いのと絶望が深いのが大好き。
思い出補正もあるかもしれないが、怖さで言ったらナンバーワンかも。
人が死んでいないのに怖い、という傾向のものが好きなんだけど、なかなかないんだよなー。
『死』が怖いのは当たり前なので、できれば人を殺さずに怖くしてほしいよな。

「誤答が怖い」という点ではエレベーターのボタンが乗っている途中で点灯する話も好き。
エレベーターのボタンの話の世間で正しいとされている答えは超常現象系なのだが、これは非常に怖いので超常現象でも許せる。
人間が犯人であるほうの答えは誤答とされているのだが、人間が犯人である想定のほうが怖く、そして完全にありえない答えではない(そういう構造のエレベーターも実在しそうに思える)というバランス感覚がすごくよくて、好きなんだよなー。
「マンションでは、夜中に上行きのエレベーターに途中で人が乗ってくることはありえない」という事実に気づいたときのゾクッと感がすごく好み。
さらに、ここからの思考の分岐として「乗ってくる人物は存在しない(降りるところだ)畳む」という結論と、「乗ってくる人物は異常者である畳む」という結論のふたつが存在し、どちらも怖いのが秀逸。(※一応、核心のネタバレなので隠しておく)
この話、意味がわからなくても普通に怖いので、ストロングスタイルだよなと常々思っている。

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