2022年11月28日の投稿[1件]

「シン・ウルトラマン」を見た。
すごく悪いところがあるわけではないが、自分がウルトラマンにもとめている要素も、庵野監督にもとめている要素も、どちらも中途半端だったので、歯切れが悪い感想しか出力できない予感がする。

その人が『ウルトラマン』という作品になにをもとめているのかによって、この映画の価値は大きく変わると思う。
自分は、ドシンドシンと地面を揺らしながら行われるダイナミックな格闘シーンや、スケール感のあるミニチュア、隊の人間模様、怪獣に抗う人間(自衛隊)の魅力、そして怪獣の魅力……あたりが好きな部分だ。
「シン・ウルトラマン」において、戦闘シーンが非常に淡白(空中戦が多いので土煙が立ったりするシーンが少ない気がする)なのは残念だった。ラストバトルは特に物足りない。
ウルトラマンが人間を好きになる話なのに、人間の魅力を感じられなかった(キャラクターや人間関係の掘り下げが少ない)のも物足りなさを増させているように思える。

一方、メフィラスとザラブはすごく魅力的で、怪獣の魅力という要素はクリアできていると思う。
公園でメフィラスが遊んでいるシーン、そのあとで公園から人がいなくなっているシーンは非常に不気味な雰囲気で、満足感があった。
また、神永というキャラクターの神秘性にはとても惹かれた。
斎藤工の演技がフィットしていて、いいキャスティング。

全体としては、期待していたほどではないけれど、一定の水準は満たしているかな、というような作品だと思う。
オムニバスのような感じで、気軽に見るには向いているかも。
「シン・ゴジラ」があまりにも全方向に完璧な作品であったせいで、「シン・ウルトラマン」にも過剰に期待しすぎたのかもしれない。
もうすこし、いろいろと読み込んで考えてみたいような気持ちもあるなあ。

#特撮

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