2023年6月18日の投稿[1件]

「あちこちオードリー」(2023年6月7日分)を見た。

「THE SECOND」準優勝で大ブレイクのマシンガンズ、イギリスで大ウケ中のとにかく明るい安村、TikTokで王者になってしまったラバーガールという、ブレイク中の中堅おじさん芸人特集。

ラバーガールという生真面目なコント職人と並べることで、マシンガンズの不真面目さが際立っていて大変よい。安村さんもたぶんネタづくりには真面目な方だと思う。
マシンガンズの、売れていない期間が長いままおじさんになってしまい、完全にやる気をなくしてしまうという話は錦鯉と似ているのだが、それでも上を目指してネタを磨きつづけた錦鯉とはやや趣が違い、「THE SECOND」もマネージャーが勝手に応募していただけでそんなにやる気はなかったし、ネタも足りなかったというくだりとか、本当にダメダメで笑ってしまう。
ラバーガールが「漫才は5本くらいならあるかも」と話したときに「おれらの漫才、5本もないけど」と言っていたのがおもしろすぎた。やる気があまりにもないし、それを隠さないのが楽しいな。

マシンガンズは『ネタの数が足りないのに準優勝』というネジの抜けたキャラクター性が強烈にウケているのであって、むしろ普通にラストのネタをやっていたら、ここまでブレイクしなかったのでは?という気もする。
準優勝が囲碁将棋だったとして、ここまでその後のバラエティできっちりウケただろうか?と考え込んでしまう。
こういう番組でのトークを聞いていても、どこまでも正直で、どこまでも不器用で、ぐうたらで……こういう裏表のないダメダメなキャラクターは愛されるだろうな~、としみじみ思ってしまうのだった。
キュウや囲碁将棋やダイヤモンドあたりがバラエティに出ていっても、自分たちの世界観を守ることで精いっぱいで、キャラクター性を愛してもらえるという局面にはなかなか至らない気がするので、そういう意味ではマシンガンズはすごくバラエティに向いているし、テレビ向きのブレイク枠だよなー。

劇場や賞レースでの観客は常に『若い才能』を求めていて、『すでに顔を知っているおじさん』はネタをやる前の時点で歓迎されていないという話は興味深かった。
M-1でも「なんでこの人たちが決勝に上がれないんだ!?」と思うことがたびたびあるけど、『すでに顔を知っているおじさんは舞台にはいらないから』という仕組みだったのか。
フレッシュな才能がぶつかり合うのが見たい、という観客や運営の内なる欲望のために犠牲になっていくおじさん芸人、そしてそんなおじさん芸人を拾い上げる唯一の場所としての「THE SECOND」。改めて考えるとすごいドラマが巻き起こっていて、来年も目が離せない。

#視聴メモ

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