2023年7月6日の投稿[1件]

呉勝浩「爆弾」を読んだ。
「このミステリーがすごい!(2023年)」と「ミステリが読みたい!(2023年)」の二冠。そして第167回直木賞候補作。

些細な傷害事件で野方署へと連行された不審な男、スズキタゴサク。
野方署の面々が、明らかな偽名を名乗るその男を尋問していると、「十時に秋葉原で爆発がある」と男が予言した。
直後に本当に爆発があり、彼は「霊感で爆発の場所がわかった」とうそぶく。
彼の予言した場所が次々と爆発するなか、警察は彼の真意を探るため、その場で尋問を続ける。
果たして、スズキタゴサクは爆弾魔なのか? 東京が火の海になる前に、止めることは可能なのか?

ノンストップのジェットコースターミステリーで、得体のしれないスズキタゴサクの気持ち悪さが際立っている。
スズキを取り巻く群像劇の様相が楽しく、場面がころころ移り変わって、それぞれの思惑が語られるのが熱い。
この先どうなるのか、爆弾は何個残っているのか、すごく気になってどんどん読み進められた。
読後感はあまりよくなく、モヤモヤが残るビターなエンディング。
全体的に映画にすごく向いている筋書きなので、たぶん数年以内に映画化されると思う。
ちょうど2時間半くらいできれいにまとまりそうだし、映画になったら盛り上がるだろうなー。

#読書

■ハッシュタグ:

■日付一覧:

■日付検索:

■カレンダー:

2023年7月
1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031