2023年8月8日の投稿[1件]

「暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー」を今更見た。
「ヒーローなんてね、仮面ライダーに任せておけばいいのよ!」というセリフがすべてを物語る、ドンブラザーズの喜劇パートの集大成だった。

ドンブラザーズとはいまだにうまく向き合えていなくて、放送時から、大好きな部分と苦手な部分がグラデーションになって混在している作品という印象。
「超光戦士シャンゼリオン」の日常パートの延長にあるような過剰なコミカルさと、その裏に隠れたシリアスパートの重さ。このふたつのギャップが本作の売りだと思っている。
各話の完成度の高さや、一度乗ったら降りられないジェットコースターぶりはさすがの井上敏樹……という感じだったのだけれど、自分がスーパー戦隊シリーズに求めているものはこれではないんだよな、という意識も常につきまとっていた。
最終回を過ぎてもなお、自分はドンブラザーズのことが好きなのか、嫌いなのか、一言では表現しきれない複雑な思いを持ったままでいる。
楽しいジェットコースターではあったと思うのだけれど、自分が見たい戦隊の理想とはかなりずれるような、そんな感じだ。
めちゃくちゃおもしろいけど、自分が見たい仮面ライダーではないな……と思った「仮面ライダー鎧武」と似たような体感かもしれない。
うまく言葉で表現できずにいるけど、「エグみの強すぎる話を特撮で見たくないな」という思いがあるのかもしれない。

さて、「新・初恋ヒーロー」はそんなドンブラザーズの『陽』の部分、過剰すぎるギャグパートのみを寄せ集めて構成された映画で、見やすくてよかったと思う。
シリアス要素はあえて抜いて、30分の尺に濃度の高いギャグのみを敷き詰めるという荒業で、印象的な映画に仕上げている。
それでいて、椎名ナオキの胡散臭さをひっそりと高めたりもしていて、焦らしもうまい。
映画泥棒とのコラボも楽しいし、良作映画だった。
マスターが一番いいところをかっさらっていくのもいつも通りで好き。
映画というよりは本編の一部のようなテンションで、ツッコミどころ満載な通常運転のドンブラザーズを楽しめた。

#映画

■ハッシュタグ:

■日付一覧:

■日付検索:

■カレンダー:

2023年8月
12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031