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2023年10月5日
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2023年10月5日(木)
ヒロ前田・清涼院流水「不思議の国のグプタ―飛行機は、今日も遅れる」を読んだ。
これは隠れた名作だと思う。
TOEIC対策本を多く書いている講師のヒロ前田先生と、毎度おなじみ清涼院流水先生のコラボレーション。
前代未聞の『TOEICミステリー小説』。いや、小説ではなく大説なのか?
主人公・グプタはある日、自分の乗る飛行機がいつも遅れているということに気がついた。それをきっかけに、この世界にはおかしな出来事が多すぎると悟ってしまう。しかし、周囲の同僚たちにそれを打ち明けても、首を傾げられるだけ。
図書館はいつも改装中だし、アルコールやタバコはどこにもない。老人も子供も、写真のなかにしかいない。警察も消防もなく、政府もないようだ。
コピー機はすぐに壊れるし、同僚は変な聞き間違いばかりする……。
いったい、この異様な世界はなんなのだ?
グプタは世界の謎の答えに到達することができるのか。
流水大説は、当たりはずれが激しく、読む人との相性がよくないととんでもないことになってしまうのだが、今回はTOEICという素材をあいだに噛ませることで、非常に読みやすく仕上がっている。TOEICのバカバカしい世界観と、流水先生の世界観の相性がとてもいいんだと思う。
オチは賛否両論ありそうではあるが、TOEIC愛好家にはかなりウケそうな内容で好きだなー。
これは2013年に出版された本なんだけど、2023年のトレンドに合うオチでもあるので、実は新装版で出し直せばさらに売れるのでは!?とちょっとだけ思った。
また、流水先生があとがきで「TOEICのみに特化した勉強をした結果、ネイティブと不自由なく話せるようになり、翻訳書を出版できるようにもなった」と語っており、TOEIC特化は英語学習の方向性として正しい、という証明にもなっているのが、TOEIC本として説得力があっていい。
流水先生は30歳を過ぎてから英語学習をはじめたそうで、「自分でも、TOEICさえ頑張れば、まだまだこれから習得できるかも!」と思わせてくれる。最高のあとがきだ。
ただTOEIC世界を茶化すだけではなく、読んだ人に「TOEICを受けたい!」と思わせるということに成功しているという点で、本当に完成度が高い本だと思う。
TOEICに興味がない人にしてみればバカバカしい本かもしれないけれど、TOEICか流水先生のどちらかが好きな人には全力でおすすめできる。
#読書
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主人公・グプタはある日、自分の乗る飛行機がいつも遅れているということに気がついた。それをきっかけに、この世界にはおかしな出来事が多すぎると悟ってしまう。しかし、周囲の同僚たちにそれを打ち明けても、首を傾げられるだけ。
図書館はいつも改装中だし、アルコールやタバコはどこにもない。老人も子供も、写真のなかにしかいない。警察も消防もなく、政府もないようだ。
コピー機はすぐに壊れるし、同僚は変な聞き間違いばかりする……。
いったい、この異様な世界はなんなのだ?
グプタは世界の謎の答えに到達することができるのか。
流水大説は、当たりはずれが激しく、読む人との相性がよくないととんでもないことになってしまうのだが、今回はTOEICという素材をあいだに噛ませることで、非常に読みやすく仕上がっている。TOEICのバカバカしい世界観と、流水先生の世界観の相性がとてもいいんだと思う。
オチは賛否両論ありそうではあるが、TOEIC愛好家にはかなりウケそうな内容で好きだなー。
これは2013年に出版された本なんだけど、2023年のトレンドに合うオチでもあるので、実は新装版で出し直せばさらに売れるのでは!?とちょっとだけ思った。
また、流水先生があとがきで「TOEICのみに特化した勉強をした結果、ネイティブと不自由なく話せるようになり、翻訳書を出版できるようにもなった」と語っており、TOEIC特化は英語学習の方向性として正しい、という証明にもなっているのが、TOEIC本として説得力があっていい。
流水先生は30歳を過ぎてから英語学習をはじめたそうで、「自分でも、TOEICさえ頑張れば、まだまだこれから習得できるかも!」と思わせてくれる。最高のあとがきだ。
ただTOEIC世界を茶化すだけではなく、読んだ人に「TOEICを受けたい!」と思わせるということに成功しているという点で、本当に完成度が高い本だと思う。
TOEICに興味がない人にしてみればバカバカしい本かもしれないけれど、TOEICか流水先生のどちらかが好きな人には全力でおすすめできる。
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