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2024年2月26日
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2024年2月26日(月)
北沢 陶「をんごく」を読んだ。
第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作。
大正末期の大阪を舞台とした、静かで美しいホラー小説。
関東大震災で妻を亡くした壮一郎のもとに、妻そっくりの『なにか』が帰ってくる。
果たして、それは本当に妻なのか。
妻だとしたら、彼女をこの世につなぎとめるものはなんなのか。
死を自覚していない霊を喰らうエリマキという人外とともに、壮一郎は謎を追いはじめる。
怖さを期待して読み始めたが、実際のところは美しさが勝つ感じで、グロかったり怖かったりする要素は薄め。
静かにひたひたと満ちていく、狂気的な雰囲気がいい。
大阪をこういうふうにしっとりとした雰囲気で描く作品って、どちらかというと少ないほうだと思うので、ステレオタイプの打破という観点でも嬉しい一作だった。
エリマキというキャラクターが強烈に魅力的で、このままエリマキを主人公としてホラー連作にしてほしいという願望を持たずにはいられないが、ラストがきれいにまとまっているため、エリマキはこれ以上出さないほうがすっきりするかも、という気持ちもある。
デビュー作でここまで凄まじいクオリティのものを出してしまうと、このあとの期待値の上昇はえげつないのでは、と思う。次回作にも期待したい。
#読書
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妻だとしたら、彼女をこの世につなぎとめるものはなんなのか。
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怖さを期待して読み始めたが、実際のところは美しさが勝つ感じで、グロかったり怖かったりする要素は薄め。
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エリマキというキャラクターが強烈に魅力的で、このままエリマキを主人公としてホラー連作にしてほしいという願望を持たずにはいられないが、ラストがきれいにまとまっているため、エリマキはこれ以上出さないほうがすっきりするかも、という気持ちもある。
デビュー作でここまで凄まじいクオリティのものを出してしまうと、このあとの期待値の上昇はえげつないのでは、と思う。次回作にも期待したい。
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