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2024年5月23日
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2024年5月23日(木)
超人的シェアハウスストーリー『カリスマ』の湊大瀬と伊藤ふみやを取り巻く、希死念慮についてのお話が好きで、繰り返し見てしまう。
もちろん、カリスマはあくまでもギャグ作品なので、がっつりとメンタルケアについて語られるわけではないのだけれど、だからこそ、ギャグの隙間から見え隠れするふたりの人生観に、なんだか染みるものがある。
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第11話では河川敷で死に方について悩む大瀬のところへふみやがやってきて、死にたい大瀬に正面から向き合う。
「ちょうどいい死に方を探していまして。周りになんの影響も及ぼさないで、だれにも迷惑をかけない死に方。これがなかなか難しいんです」
「それは難しいよ。死は意外と、本人じゃなくて、周りの問題だから」
という導入から『異様』としか言いようのない、ほのぼのとしたダークな会話が続く。
善悪の価値観がぶっ壊れた伊藤ふみやだからこそ、他人の死にたさに優しく寄り添えるのかもしれない……という、ちょっといい話になっているのが好き。意外と傾聴の才能がありそうなんだよな。
この発展形として、97話では草薙理解に「もう死ぬなんて言わないでね」と迫られ、圧に負けて、無理やりに約束を取り付けられてしまう大瀬の姿が描かれる。
その直後、11話と同じ河川敷にまたふみやが現れ、「本当は?」と大瀬に本音の暴露を迫る。
気にかけてくれる理解の期待に応えられない自分への不甲斐なさで、余計に死にたくなるという気持ちをふみやに打ち明ける大瀬。
この本音に、大瀬よりも先にふみやがたどり着いているという点も含めて、感慨深い回だと思う。
ふたりが楽しそうに死にたさをテーマにした歌を歌っているのを物陰から見て、ショックを受ける理解……というシーンでこの回は終わる。
「死にたい」をやめさせたい理解と、「死にたい」を全力で肯定してくれるふみや……正反対のふたりが、大瀬を挟んで向かい合わせに立っているような構図がおもしろい。
大瀬は別に理解のことが嫌いなわけではなくて、むしろ感謝しているという描写がちゃんとあることによって、アプローチが真逆だけど、ふたりとも大瀬の未来を考えてその行動に出ているということが読み取れるようになっているところがいいな、と思う。
死にたい人を止めないという罪を背負う伊藤ふみやと、死にたい人に自分の意見を押し付けるという罪を背負う草薙理解。
大瀬とまじめに向き合うには、必ずどちらかの立場にならなければならないのかもしれない。
それぞれに罪を背負いながらも、大瀬の心に自分なりに向き合おうとしているということが伝わるエピソードで、めちゃくちゃ好きなお話だった。
「死は意外と、本人じゃなくて、周りの問題だから」というかつての一言が、ここへきて効いてきているような印象でもある。
大瀬が死ぬということは、もはや大瀬ひとりの問題ではなく、シェアハウス全体の問題になったのだな、と。
湊大瀬は「内罰のカリスマ」なので、彼が死にたくなくなることはたぶん未来永劫ないのだけれど、それでも、ちょっとずつみんなと絆を育んで変わっていっている。
そこに成長を感じて、ぐっと来てしまうのだった。
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第11話では河川敷で死に方について悩む大瀬のところへふみやがやってきて、死にたい大瀬に正面から向き合う。
「ちょうどいい死に方を探していまして。周りになんの影響も及ぼさないで、だれにも迷惑をかけない死に方。これがなかなか難しいんです」
「それは難しいよ。死は意外と、本人じゃなくて、周りの問題だから」
という導入から『異様』としか言いようのない、ほのぼのとしたダークな会話が続く。
善悪の価値観がぶっ壊れた伊藤ふみやだからこそ、他人の死にたさに優しく寄り添えるのかもしれない……という、ちょっといい話になっているのが好き。意外と傾聴の才能がありそうなんだよな。
この発展形として、97話では草薙理解に「もう死ぬなんて言わないでね」と迫られ、圧に負けて、無理やりに約束を取り付けられてしまう大瀬の姿が描かれる。
その直後、11話と同じ河川敷にまたふみやが現れ、「本当は?」と大瀬に本音の暴露を迫る。
気にかけてくれる理解の期待に応えられない自分への不甲斐なさで、余計に死にたくなるという気持ちをふみやに打ち明ける大瀬。
この本音に、大瀬よりも先にふみやがたどり着いているという点も含めて、感慨深い回だと思う。
ふたりが楽しそうに死にたさをテーマにした歌を歌っているのを物陰から見て、ショックを受ける理解……というシーンでこの回は終わる。
「死にたい」をやめさせたい理解と、「死にたい」を全力で肯定してくれるふみや……正反対のふたりが、大瀬を挟んで向かい合わせに立っているような構図がおもしろい。
大瀬は別に理解のことが嫌いなわけではなくて、むしろ感謝しているという描写がちゃんとあることによって、アプローチが真逆だけど、ふたりとも大瀬の未来を考えてその行動に出ているということが読み取れるようになっているところがいいな、と思う。
死にたい人を止めないという罪を背負う伊藤ふみやと、死にたい人に自分の意見を押し付けるという罪を背負う草薙理解。
大瀬とまじめに向き合うには、必ずどちらかの立場にならなければならないのかもしれない。
それぞれに罪を背負いながらも、大瀬の心に自分なりに向き合おうとしているということが伝わるエピソードで、めちゃくちゃ好きなお話だった。
「死は意外と、本人じゃなくて、周りの問題だから」というかつての一言が、ここへきて効いてきているような印象でもある。
大瀬が死ぬということは、もはや大瀬ひとりの問題ではなく、シェアハウス全体の問題になったのだな、と。
湊大瀬は「内罰のカリスマ」なので、彼が死にたくなくなることはたぶん未来永劫ないのだけれど、それでも、ちょっとずつみんなと絆を育んで変わっていっている。
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