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2024年8月26日
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2024年8月26日(月)
映画「ラストマイル」を劇場に見に行った。
塚原あゆ子&野木亜紀子のタッグ。そして「アンナチュラル」と「MIU404」から地続きの物語ということで、その期待に答えられるだけの完成度だったと思う。
以下、ネタバレありのざっくりとした感想。
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忠実に2作品の世界観を引き継いでおり、社会によって奪われていく命や権利、虐げられていく人々の姿を的確に捉えている社会派サスペンス。
人々の欲望と大手外資企業による策略が、弱者を虐げ、健康に生きる権利を奪う。
いくつかの革命によって、ちょっとずつ状況は好転していくが、欲望が搾取につながる構造自体にはなにもメスが入っていないし、根本的にはなにも変わっていない。
惨劇の現場に余裕のない表情で立つ五十嵐と、センター長として責任を握らされる梨本の姿を順番に見せることで、「また似たような犠牲者が出るのかも」と思わせる、ラストのイヤ~な含みは本当に見事。
社会問題について視聴者に考えさせるためにも、これくらいイヤな後味を残したほうが、社会派としては意義のある作品になる気がする。
でも、これまでの世界観に忠実だからこそ、尺の物足りなさはあったかもしれない。もっと詳しく見たい、という感覚。
2時間という短い尺のなかで、サスペンス的なギミックの開示にかなりの時間を割いていて、「MIU404」ほどには弱者たちの叫びや社会に深く刺さる刃のような文脈を感じられなかったのは惜しい点のひとつ。
個人的な好みとしては、生活が苦しいであろう派遣社員たちの描写が粗かったのはもったいないと思った。ただ、ここは、わざと描いていないのかもしれない。
犯人の心情についてももっと掘り下げがほしかったなと最初は思ったのだけれど、よくよく考え直してみれば、「アンナチュラル」は「不幸な生い立ちなんて興味はないし、動機だってどうだっていい」と、ラスボスに対して安易に物語性を付与する行為を拒否するお話だった。
そして、「MIU404」は逆に、ラスボスの側から陳腐な物語化を拒否するという話だった。
それを踏まえて考えてみれば、今回の真犯人の物語がそこまで語られていないことにも納得がいく気がした。
真犯人によるお涙ちょうだいの語りは、社会や企業によって与えられる痛みを、単なる個人の問題として矮小化してしまう装置だ。徹底してそうした語りを行わないことで、「わかりやすい物語になんてしてあげない」、「加害を行った人間や、そこに至るまでに起きた問題を美化しない、安易に飲み込ませない」という方針なのだと思う。
犯人が、どうして無差別に爆弾を送りつけたのか。
そして、どうしてすべてを見届ける前に自殺したのか。
それらの理由は視聴者が勝手に想像するものであって、物語として食べやすく料理して渡されるものではないのだ。
なんとなく想像はつくけれど、想像の域を出ないし、違うかもしれない。
「ちゃんと教えてほしかった」という感想も出そうだけれど、ここはあえてわからないようにしているのではないかと思った。
他にもいろいろ書きたいことはあるけど、まだ頭のなかで感想がまとまっていないので、きょうのところはメモ書き程度にこれだけ残しておこうと思う。
パンフも買って読みたいな~と考えつつ。
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以下、ネタバレありのざっくりとした感想。
忠実に2作品の世界観を引き継いでおり、社会によって奪われていく命や権利、虐げられていく人々の姿を的確に捉えている社会派サスペンス。
人々の欲望と大手外資企業による策略が、弱者を虐げ、健康に生きる権利を奪う。
いくつかの革命によって、ちょっとずつ状況は好転していくが、欲望が搾取につながる構造自体にはなにもメスが入っていないし、根本的にはなにも変わっていない。
惨劇の現場に余裕のない表情で立つ五十嵐と、センター長として責任を握らされる梨本の姿を順番に見せることで、「また似たような犠牲者が出るのかも」と思わせる、ラストのイヤ~な含みは本当に見事。
社会問題について視聴者に考えさせるためにも、これくらいイヤな後味を残したほうが、社会派としては意義のある作品になる気がする。
でも、これまでの世界観に忠実だからこそ、尺の物足りなさはあったかもしれない。もっと詳しく見たい、という感覚。
2時間という短い尺のなかで、サスペンス的なギミックの開示にかなりの時間を割いていて、「MIU404」ほどには弱者たちの叫びや社会に深く刺さる刃のような文脈を感じられなかったのは惜しい点のひとつ。
個人的な好みとしては、生活が苦しいであろう派遣社員たちの描写が粗かったのはもったいないと思った。ただ、ここは、わざと描いていないのかもしれない。
犯人の心情についてももっと掘り下げがほしかったなと最初は思ったのだけれど、よくよく考え直してみれば、「アンナチュラル」は「不幸な生い立ちなんて興味はないし、動機だってどうだっていい」と、ラスボスに対して安易に物語性を付与する行為を拒否するお話だった。
そして、「MIU404」は逆に、ラスボスの側から陳腐な物語化を拒否するという話だった。
それを踏まえて考えてみれば、今回の真犯人の物語がそこまで語られていないことにも納得がいく気がした。
真犯人によるお涙ちょうだいの語りは、社会や企業によって与えられる痛みを、単なる個人の問題として矮小化してしまう装置だ。徹底してそうした語りを行わないことで、「わかりやすい物語になんてしてあげない」、「加害を行った人間や、そこに至るまでに起きた問題を美化しない、安易に飲み込ませない」という方針なのだと思う。
犯人が、どうして無差別に爆弾を送りつけたのか。
そして、どうしてすべてを見届ける前に自殺したのか。
それらの理由は視聴者が勝手に想像するものであって、物語として食べやすく料理して渡されるものではないのだ。
なんとなく想像はつくけれど、想像の域を出ないし、違うかもしれない。
「ちゃんと教えてほしかった」という感想も出そうだけれど、ここはあえてわからないようにしているのではないかと思った。
他にもいろいろ書きたいことはあるけど、まだ頭のなかで感想がまとまっていないので、きょうのところはメモ書き程度にこれだけ残しておこうと思う。
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