2024年10月11日の投稿[1件]

ポッドキャスト番組「しんいち・ZAZYのホントは喋りたくない!」が非常におもしろい。
ちょっと前に「人を傷つけない優しいお笑い」へのカウンターとして「人を傷つける悪口お笑い」のブームがきっと来る!と思っていたけれど、これは本当に来ているのかもしれない。
しんいちさんとZAZYさんのカジュアル悪口のバランスのちょうどよさ。
「ZAZYの週明けにイチャモン」が終わってしまって悲しかったが、しんいちさんをプラスして、パワーアップして帰ってきたような感じがある。

「人を傷つけない優しいお笑い」にはひとつの致命的な欠点があり、それは「作り手のナマの感情が乗っかっていないことが多い」ことだと思っている。
誰にも刃が向いていなくて、みんなをほのぼのと和ませる世界観は、芸人の『本音』を感じさせない。
その人が本当に優しい性格であったとしても、波風を立てないために優しい人を演じているだけのように見えてしまう。
特に、大学お笑いや舞台・演劇畑の人はこういうふうに見えがちな気がする。
平場で自分を見せないように隠し通して、スカしているような。
ネタの世界では超一流かもしれないけれど、波風を立てない優しい人というキャラクターは、平場でうまく運用するのは難しそうに思える。

「ホントは喋りたくない!」の聞きどころは、ふたりの感情が乗っかっているという部分に尽きると思う。
実際のところは、言ってもよさそうな相手を選んで、カジュアルに噛みついていっているのだが、本当に噛みついているかのようにリアルな感情を感じさせる。
ふたりが自分の本音に正直に生きているように演出されているのが、生々しくておもしろいのだった。

第22回で「名前を言ってはいけないあの人」をゲストに呼び、楽屋や平場でのふるまいのまずさについてひたすらふたりで説教をするという展開があったのだが、これはすべての社会人に聞いてほしいくらいためになった。
職場で自分勝手なふるまいをする人って、自分のふるまいのダメさにはまったく気づいていなくて、周囲もそれを指摘するほどに仲が良くないからだれも教えてくれず……そしていつのまにか浮いた存在になり……というオチになりがちなのではないかと思う。
でも、しんいちさんとZAZYさんが悪者の皮を被りながら、そのまずさを名前さんに指摘してくれるという神展開。
これ、優しい人だったら、逆に本人には言ってあげられないのではないか?と思った。
優しくないキャラクターだからこそ実行できる優しさがある、というか。
R-1グランプリファイナリスト仲間として、そしてなによりも、たったひとりで戦わなければならないピン芸人として、生き方を指南する。
ふたりのガチ説教がエンタメとして成立していることが熱かった。畳む


#ラジオ

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