2024年10月17日の投稿[1件]

アニメ版「葬送のフリーレン」全28話を見終わってしまった。原作は2巻まで既読。
静謐な雰囲気で、非常に完成された世界観で、素晴らしかった。
これに匹敵するアニメ作品は十年に一度くらいしか現れないのではないだろうか……と素直に思った。

魅力的なキャラクターが出てきては、あっさりとパーティと別れるというのが後半のルーティンのようになっていたが、その事象そのものにヒンメルが言及してくれることで第一期が終わるというのが、とても美しい。
どのキャラに対しても、こんなにも魅力的なキャラクターなのだから、もっと出てきてほしい……と視聴者は思ってしまうのだが、別れはすぐにやってくる。
この別れが、フリーレンの長すぎる人生を視聴者に追体験させているような体感もあって、うまい構造だな~と思った。
特に、ザインがあっさりといなくなってしまったときは、「ああ、これがフリーレンの生き方なんだ」としっくり来た気がする。あのままレギュラーになるとばかり思っていたなあ。

現実には存在しえないほどの長命の人種というのは、フィクションで表そうとするとどうしても嘘くさくなりがちだ。
「長く生きすぎて感情が死んでいる」とか、「ものすごく無気力だ」とか、逆に「人間の気持ちがわからなくて異様に残虐だ」とか、そういう平坦な造形であることが多い気がする。
でも、実際に長命種がいたとしたら、もっと現実的な尺度で生きなければ社会には適応できないだろう。
フリーレンの感情の動きには、本当にエルフが存在していたとしたら、きっとこういうふうに考えて、こういう行動に出るだろうなという説得力がある。
そのあたりのリアルな手触りがすごく心地よくて、エルフの描写の厚みが丁寧だった。
第二期も決定しているようで、すごく楽しみだ。畳む


#アニメ

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