2024年11月19日の投稿[1件]

さかさな「奈落の花園」の下巻を読んだ。
死体を埋める傷だらけの女の子たちのガールズラブ、完結。

母からネグレクトされているめあり。父から虐待を受けているコリン。かつて、友だちを救えなかった璃子。
心に傷を負う三人の少女たちが出会うとき、彼女たちの孤独が共鳴し、傷つけあう。
彼女たちはその心の傷ゆえに、余裕がなく、自己中心的になることもあり、時には意地悪にも見える。
でも、それは互いの欠落を埋めるのに必死になっているだけだ。
むしろ、この境遇で自分勝手にならないほうがどうかしているともいえる。
行き場のない者同士が出会うとき、そこに生まれたのは愛なのか、同情なのか、共鳴なのか。
その感情の正体はわからないけれど、コリンがめありと出会えてよかった。

徹底して大人の姿が端折られていて、どう頑張っても少女たちだけでは解決できない問題に、彼女たちだけが立ち向かう形になっている閉塞感が好きだったなあ。
「福祉が機能してなさすぎるだろ!!!役所、仕事しろ!!!」という気持ちもあるけど、この作品の場合は大人がいないほうが映えるだろうなあ。
そんなことを考えながら読んでいた。畳む


#読書

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