2025年2月12日の投稿[1件]

葦原大介「ワールドトリガー」28巻。最高だった。
これは毎回言っている気がするけど、ワールドトリガーは常に最新刊が一番おもしろい。

香取隊にはなんらかの問題があるというほのめかしはかなり初期から本編中で行われていたんだけど、読者は「問題の原因は破天荒すぎる隊長であって、それ以外のメンバーは大丈夫」というミスリードをいつのまにか食らっていたんだなと……。
この展開、読者側の生き方にも刺さるんだよなあ。
タイムリミットがなく、ただ目的のために努力したつもりになっているだけで、目的の手前でずっと足踏みしているだけ……という状況、ありがちなのではないかと思う。

たとえば、「◯月◯日締め切りの新人賞に応募するために、それまでには必ず小説を仕上げる」、「◯月のTOEICでスコア◯点以上を取るために、TOEIC対策を詰める」、「春に海外旅行に行くので、それまでに外国語を習得する」といった努力はとても有意義。
だけど、「特になんの締め切りもないけど、なんとなく語学の勉強をやる」、「いつ完成させるか決めてないけど、なんとなく小説の下書きだけ書いておく」は、実は一歩も前に進んでいない可能性があるぞ、という。
なんというか、自分の心の弱いところを突かれた気がして、ウッとなった。
「前に進んでいるつもりが、ハードルの前で足踏みしているだけだった」と、「思っていたよりもハードルの高さが自分の背丈に合っておらず、超えられない壁であることすら気付けなかった」というダブルパンチが、非常に心に刺さると同時に、「いや、でも自分もこれやってそう!!!」という気づきがあった。恐ろしい。

まずは時間を区切って、目的設定してから努力をすること。
そして、自分に合ったハードルのサイズを確認すること……。
自分も気をつけようと思った。
本当に怒涛の鬱展開だったけど、ここからどうやって巻き返していくのか、めちゃくちゃ気になるなあ。畳む


#読書

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