2025年12月8日の投稿[1件]

2008年の映画「百万円と苦虫女」を見た。
かわいらしいポスターとポップな予告から、なんとなく見やすい映画なのかと思っていたけれど、とんでもなかった。けっこうつらかった。この予告は詐欺だと思う。
以下、ネタバレありの感想。



とある事件に巻き込まれ、前科がついてしまった鈴子。
家にいづらくなった彼女は、職を転々とし、「100万円を稼ぐたびに違う街へ移り住む」という生き方を選ぶ。
どの場所でも、最初は自分のことをだれも知らないことでうまくいくが、自分を知られるごとにしがらみが生まれ、失敗し、また次の街へ流れ流れる。
果たして、彼女は自分らしく生きられる居場所を見つけることができるのか。

「100万円ってそんなすぐに貯まるものなの?」とか、「そんな雑な部屋の借り方、あり?」とか、リアリティ的なツッコミどころは多々あるんだけど、それを補って余りあるほどの蒼井優の魅力。
当て書きなのかと思うくらいぴったりで凄まじかった。

なによりも素晴らしいのは、ラストシーンをこういう形にしたこと。
出会うために『別れる』、その別れのほうへ心を寄せていったお話で、このラストだからこそ心に残る映画だと思った。
「頼む!! くっついてくれ~!!!」と視聴者的には必死に祈ったんだけど、終わってから冷静に考えると、最後に中島と一緒に埼玉に残っていたら、絶対に駄作だったんだよなあ。
あくまでも、恋愛映画ではなくロードムービーであることに徹していて、人生全体を俯瞰して眺めているような、大好きな終わり方だった。

竹財輝之助と森山未來とのロマンス(?)の合間に、ピエール瀧との同居パートが挟まるヘンテコさもよくて、大好きな空気感だった。風呂の様子をやたらと見に来るピエール瀧。
もしこれが乙女ゲームだったら、竹財輝之助エンドと森山未來エンドのほかにピエール瀧エンドが発生するんだよなあ……ふしぎな話……!
内容的にはしんどい部分が多かったけど、なぜかまた見たいなあと思ってしまった。心地よい温度の映画。畳む


#映画

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