タグ「読書」を含む投稿[184件]
2025年3月24日(月)
2025年3月13日(木)
「キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々」につづく、品田遊の日記のまとめ本。
最近、あまり本が読めなくなって苦しんでいたんだけど、これはするっと読めて、ちょっと安心した。
ADHDな他人の頭のなかをこっそり覗くという貴重な体験。前作につづき、すごく楽しめた。
なんとなく、1冊めよりもマイルドで読みやすかった気がする。
タイトルにもなっているヘラクレスメスの話がドラマティックでよかった。
#読書
2025年2月22日(土)
大人向け本格SF。そして鬱展開。
「どら焼き屋さん物語」で突然お店にやってきた、他の世界とはやや雰囲気の違うカワイイ女の子が気になっていたのだが、まさか、こんな鬱展開漫画の主人公だったとは……。
むかしから「トラウマになった漫画スレ」とかでよく見かけるタイトルだとは思っていたんだけど、こんな話なのか。
わがどら焼き屋のコンセプトが崩れかねない、とんでもない世界の出身だった。
終わったあとから知る、どら焼き屋の危機。
ラストシーン(オチ)も解釈が分かれそうで意味深だし、かなりアダルトな漫画だと思う。
F先生もこんな漫画を描いているんだなあ。
こうやって、どら焼き屋さん物語から入って、まだ見ぬF先生のドラえもんやキテレツ大百科以外の漫画に触れる人、けっこういるのではないか。ゲームの功績がすごい。
#読書
2025年2月20日(木)
パチンコ好きな作者が、自分の家の猫と過ごす日々を綴る猫エッセイ漫画。
ペットエッセイ漫画って、読者が求めている方向性がすでに定まっているジャンルなので、わりと似たような味に落ち着きがちだと思う。老舗的なジャンルというか。
この作品は「パチンコ好き」「オタク」という二点において特異性があり、オタクミームやパチンコ用語を駆使して猫との生活を描く、異質な存在感があるのがおもしろい。
登場人物全員をいつもちょっと口が開いている猫っぽいマスコットの絵で描いていて、実際の猫はリアルな猫として描いているところも好き。この絵柄がかわいくて癒やされるんだよなあ。
#読書
2025年2月18日(火)
急激に男の友情要素が増していった叶VS獅子神戦だったが、意外な結末に落ち着いた。
獅子神さんの急成長が読めて嬉しいと同時に、「もうこの漫画の主人公は獅子神さんでは……?」という疑問がわいてきた。人気もありそう。
常識人には常識人なりの戦い方があるという、感情移入しやすい展開になっていてよかった。
そして、単行本ジャンケットバンクのメインコンテンツともいうべきオマケ漫画。
今回も楽しみにしていたのだが、ホラーだった。
16巻みたいなほのぼのギャグを期待していたのに、まさかこんなものが待っているとは。
本当に信じられないんだけど、一応は主人公として登場していたはずのキャラが、こんなにキモくなること、ある……?
出番があるたびにキモさが増していく電卓さん、怖すぎる。
獅子神さんのマトモさをプッシュした直後に、電卓キモ漫画を持ってくるバランス感覚。
「オマケ漫画は獅子神さん主役のほのぼのギャグ漫画かな?」などと淡く期待していた人間を奈落に突き落とすスタイル、いいよね……。畳む
#読書
2025年2月17日(月)
直近で読んだ芥川賞受賞作は「ハンチバック」、「おいしいごはんが食べられますように」、「ブラックボックス」など、読みやすくてエンタメ性の高いものが多かった。
「そういえば最近、芥川賞らしい作品を読んでいなかったな……」と思い返しながら手に取った「デートピア」は、かなり芥川賞らしさの強い芥川賞受賞作だった。
エロティックであり、バイオレンスであり、思想的でもある。
恋愛リアリティショーを通して社会を覗き見るような作品で、肉体の損傷と個人の感情と社会問題がリンクしていく感じは「そういえば芥川賞ってこんな感じだったな……」と思わせる。
正直、エンタメではないし、売れる小説では決してないと思うが、こういう個人の感情の爆発こそが芥川賞の醍醐味だったのかもしれない。
読んでいるあいだは、先がどうなるのかすごく気になって、一気に読み切ったけど、読み終わった瞬間に体力を吸い取られて疲れてしまった。
あと、ふと思い出して、芥川賞受賞作の読了数をカウントするスプレッドシートを作った。まだ11冊しか読めていなかった。
芥川賞は社会問題をうつしとる鏡のような存在でもあり、あまりにも古い作品は読んでも意味がわからないのではないかとは感じているので、新しめの作品から、気が向いたらマラソンしようかと思っている。
「バリ山行」とかは評判よさそうだから読んでみたいな。畳む
#読書
2025年2月14日(金)
野球漫画なのだが、一日に三回しか全力投球できず、それが弱点となってしまうため、関係者以外にはその秘密を隠さなければいけないという、頭脳バトル的な作品となっている。
出てくるキャラがいちいち濃すぎて、スリル満点でおもしろい。
わりと価値観がドライで、あまり熱血ではないため、野球漫画っぽくはないなという印象。
2巻も楽しみだ。
#読書
2025年2月12日(水)
これは毎回言っている気がするけど、ワールドトリガーは常に最新刊が一番おもしろい。
香取隊にはなんらかの問題があるというほのめかしはかなり初期から本編中で行われていたんだけど、読者は「問題の原因は破天荒すぎる隊長であって、それ以外のメンバーは大丈夫」というミスリードをいつのまにか食らっていたんだなと……。
この展開、読者側の生き方にも刺さるんだよなあ。
タイムリミットがなく、ただ目的のために努力したつもりになっているだけで、目的の手前でずっと足踏みしているだけ……という状況、ありがちなのではないかと思う。
たとえば、「◯月◯日締め切りの新人賞に応募するために、それまでには必ず小説を仕上げる」、「◯月のTOEICでスコア◯点以上を取るために、TOEIC対策を詰める」、「春に海外旅行に行くので、それまでに外国語を習得する」といった努力はとても有意義。
だけど、「特になんの締め切りもないけど、なんとなく語学の勉強をやる」、「いつ完成させるか決めてないけど、なんとなく小説の下書きだけ書いておく」は、実は一歩も前に進んでいない可能性があるぞ、という。
なんというか、自分の心の弱いところを突かれた気がして、ウッとなった。
「前に進んでいるつもりが、ハードルの前で足踏みしているだけだった」と、「思っていたよりもハードルの高さが自分の背丈に合っておらず、超えられない壁であることすら気付けなかった」というダブルパンチが、非常に心に刺さると同時に、「いや、でも自分もこれやってそう!!!」という気づきがあった。恐ろしい。
まずは時間を区切って、目的設定してから努力をすること。
そして、自分に合ったハードルのサイズを確認すること……。
自分も気をつけようと思った。
本当に怒涛の鬱展開だったけど、ここからどうやって巻き返していくのか、めちゃくちゃ気になるなあ。畳む
#読書
2025年2月5日(水)
いろいろな風呂敷をかなり急いで畳んでいた。急激すぎてなにがなんだかわからないラストだった。
「さよなら絶望先生」や「超光戦士シャンゼリオン」くらいのどんでん返しエンディングだった気がするんだけど、これって今までになにか伏線あったんだろうか。気になる。
もうちょっと丁寧に畳んでくれてもよかったのでは……という気持ちもあるが、濃すぎる厨二エキスを最初から最後まで浴びるほど飲ませてくれる漫画としては大満足だった。ヨシ!
#読書
2025年1月31日(金)
全部で39巻あるので、あと9冊で終わる。
まさか、序盤で匂わされていたさまざまなシリアス展開が、30巻まで来て、まだまだ引っ張られているとは……。
30巻付近でようやくいくつか回収されそうなのだが、それでもまだ謎が残っているという。引っ張りすぎでは!?
ちゃんと全部回収されるのか不安だ。
それはさておき、永遠の絆編の笑師さんが好きすぎた。
最近こういうキャラはかなり減ってきているんだけど、90年代~00年代の関西弁キャラはいいよね……ふしぎ遊戯の翼宿とかも好き。
普段はおちゃらけているけど、実はすごく熱血で素直で……みたいな流れがいいなあ。
#読書
2025年1月20日(月)
「奈落の花園」もよかったんだけど、これはさらによかった……。
自分が百合に求めている関係性が、全部載せされていた気がする。
以前からいわゆる社会人百合に対する興味がやや希薄で(好きな作品もあるけど、あまりハマらない)、おねロリも倫理的に苦手で、それはなぜなんだろう……と自問自答していたんだけど、この短編集を読んだらちょっと理解してきたような気がする。
お互いの幼い部分を埋め合いながら、未熟な自分と向き合っていく行程にある百合の関係がとても好きで、(精神的に)子ども同士のカップリングが百合では一番見たい!と思っているのかもしれない。
あと、未熟な自分を認めた結果、これまでの百合の関係を一旦終わらせて、次のステージへと進んでいくという成長の過程が見えるのもとても好き。
それを「おままごとのおわり」と呼んでいるのもよすぎて、たまらない気持ちになってしまった。
偽りのおままごとが終わり、本当の人生が始まる。
そのとき、ふたりの関係性はもう一度始め直される。
一度すべて壊してから、また恋が始まる。
その奇跡の瞬間が、とても好きだった。また読み直したいな。
#読書
2025年1月19日(日)
かつて、親戚の家の本棚にあったのをこっそり読んだのがこの漫画との出会いだった。
「特攻の拓」や「電影少女」と並んで置かれていて、どれもエロだったりグロだったりして、小学生だった自分にはかなり刺激的だった。
自分よりもやや上の世代の親戚の持ち物なので、同級生たちは絶対に読んでいないような作品。
そういう意味で、なんとなく特別な体験として記憶に残っている。
あらためて読んでみると、サンデーとは思えないくらいエログロで、それでいて少年少女たちの冒険譚でもあり、やっぱりテンションが上がった。北崎拓の絵が昔から好きというのもあるんだけど、お話も好きだな。
つづきもまた読み直そうかな。
#読書
2025年1月17日(金)
今回はたまき先輩の話が主で、厘ちゃん控えめなのがちょっとさみしい。
が、たまき先輩の話がよすぎて、かなり自分に刺さった。今までで一番刺さったかもしれない。
追い詰められたたまき先輩が、あらためて自分の手で『音楽』をつかみとる瞬間に震える。
そして、そんなたまき先輩のパフォーマンスが鳩っちの心を動かすのもよかった。
ここからの鳩っちの覚醒が楽しみ。
#読書
2025年1月14日(火)
読了したらチェックボックスにチェック。読了作品の数がカウントされる。
やっぱり、一位になるような作品は本格推理の歴史に残るものが多いと思うし、読んでおきたい。
全制覇は厳しいかもしれないが、せめて最近のものだけでも制覇できたらいいな。
現在、全部で29作品あるのだが、読了しているのは10作品のみ。
残り3分の2ある。頑張ってみよう。
#読書
2025年1月11日(土)
未読が3709冊、既読が1038冊。合計で4747冊ある。
2023年12月の記録には4149冊とあるので、いつのまにか598冊も増えている計算になる。本当に!?
無料本も相変わらず集めつづけているし、最近は激安セールで懐かしい系の漫画を集める事が増えた気がする。小中学校のころに読んだ漫画などをとりあえず買っておいて、あとで読む。
おとなになってから読むと別の感情がわいてきたりもして、楽しいんだよな。
#読書
2025年1月2日(木)
前々から気になっていたのだが、かなりよかった。閉鎖された学校のなかで、生徒の魂を喰らいたい妖怪たちがうごめき、陰謀をめぐらせる。
うみねこにおける魔法の概念が好きな人や、縁寿の話が好きな人はハマると思う。
推理要素はないので、竜騎士=推理ものだと思っている人には合わないかも。
ゲームのコミック版かと思って読みはじめたけど、実はコミック版の方が先らしい。
コミックをゲーム化したのか、同時進行なのかは謎。ゲーム版も気になるなー。
紅茶紳士のやり口がTHE・うみねこという感じで好きだった。
直接的なつながりはなさそうだが、読むことでうみねこの解釈も深められそうな作品。
#読書
2024年12月29日(日)
第6回本格ミステリ大賞、第134回直木三十五賞に加え、本格ミステリ・ベスト10 2006年版、このミステリーがすごい!2006、2005年「週刊文春」ミステリベスト10において1位を獲得した5冠作品。
ここまで総ナメにしているのはすごいなー。
ついこのあいだ開催された「2000年代クオータリー・ベスト本格ランキング」では6位にランクインしており、現在の本格ファンのあいだでも愛されていることがうかがえる。
ネタバレ厳禁タイプの作品で、ここで書ける感想は少ないのだが、シンプルな構造ながら、ハラハラさせられて非常におもしろかった。
謎解きの難易度はぱっと見はそこまで高くなさそうに思えるけど、進めば進むほどわからなくなり、読めそうで読めなかったなあ。
倒叙からこういう流れになることを予想できた人は少ないのでは。
タイトル回収の凄まじさもインパクトが強い。
これまで、東野圭吾にピンとくる作品が少なくて、あんまり読んできていなかったけど、こんなにおもしろいならもっと早くに読んでおけばよかったなあ。
やっぱり、本ミスで1位を獲った作品は読んでおいたほうがいいなーと思った。これからもちょこちょこ制覇していきたい。畳む
#読書
2024年12月28日(土)
語学勉強を楽しむ作者の日常の日々を描くエッセイ漫画。
今年読んだエッセイ漫画のなかで、一番好きかも。年末に思わぬ収穫。
語学に取り組む理由が、自分自身を救うためであるというくだりがすごく好きだった。
仕事でうまくいかなかった一日でも、語学で前進があれば、「ゼロ成長ではなかった」「精神的撮れ高」という考え方に共感した。
TOEICで挫折して、点数を取るのではなく英語を楽しむ勉強に移行しつつ、メキメキ上達して、海外旅行で英語を活用できるようになっているくだりとか、よかったなあ。
ドイツで英語を活用しているところで、なんだか感極まってしまった。ドラマティック。
語学を通して、自分の知らない世界を見る。
そこに暮らす人々の生活を思い、われわれ日本人の「当たり前」は、別の場所では「当たり前」ではないということを知る。
語学の奥深さと、作者の前向きさに心打たれる。素敵なエッセイ漫画だった。
本作がデビュー作らしいのだが、今後の作品も買っていこうと思った。畳む
#読書
2024年12月25日(水)
するべきことが決まっていない、ダラダラとお菓子を食べるだけの部活「喫茶部」の面々が遭遇する、小さな日常の謎。
ちょっとだけビターで、ほのぼのする青春の風景を描いた日常系ミステリー。
坂木司作品を読むのはすごく久しぶりだったのだが、青春具合がちょうどよくて、夢中で読んでしまった。
真相がわかったあと、物事の見え方や人間関係が謎を基軸にして移り変わっていくのが好きだった。
真摯なコミュニケーションによって、事態をいい方向へと導こうとする努力がまぶしくて、見応えがあった。いいなあ、おやつ部。
#読書
2024年12月20日(金)
たしか中学生のころにアニメがはじまって、ドハマリして単行本も集めていたのだが、途中でダレてきて、最後までは読まなかったような気がする。
ラストを見た記憶がまったくないので、当時読んだ話の先が読めるのが嬉しいな。
かなり濃い目の厨二病バトル漫画で、中学生心をくすぐる作品だったと思う。
週刊連載とは思えないほど描き込まれたバトルが迫力あって、毎回熱いんだよな。
当時は赤屍さんに熱狂していた気がするが、改めて読むと笑師がすごく好きだったり……死なないといいな……と思っている。
マガジン特有のエログロの大安売りにくわえ、BL要素も大安売りされているというわけのわからない漫画。
この時期、金田一少年とかも異様にエロかったけど、奪還屋のエロさは金田一少年を大幅に上回っていると思う。
「女の子が出てきた!!」と思ったら、秒で服を剥かれる。ここまでくるともうなにも言えない。
これ、マガジンに載っけていいんだ……という描写がゴロゴロ出てくるのがすごいよな。マガジンは魔窟。
#読書
2024年12月18日(水)
前々から読まなきゃなあ……とは思いながらも放置していたやつ。
原作をすでに読んでいる人は追加で楽しめる要素があり、原作未読の人も楽しめそうな良質コミカライズ。
以下、ネタバレをふくむ感想。
清原紘さんの絵がめちゃくちゃいい。まずはこれに尽きる。
そして、あえて原作をすこし改変しているのだが、その改変が原作ファンの気持ちを汲んでいるのが嬉しすぎる。
最後まで読むと、どうしてこういう改変を行ったのかという意図がダイレクトに伝わってくるので、ぜひ原作既読勢はこのラストを見届けてほしい。
十角館という作品自体は、本土組よりも島組に感情移入をしてしまうような構成になっているのだが、原作ではその感情移入が無慈悲にもぶった切られるのが印象的だった。
が、コミカライズではほのぼのした四コマがあったり、島の面々にも愛着をもたせるようなつくりになっている。
その愛着に合わせて、読者の心をいたわるような大幅な改変が行われている。
漫画という、登場人物の顔と向き合う媒体に非常に合った改変であり、原作の島組が好きな人も救われたような気がする。
1987年当時、本格推理小説は「人間が描けていない」という批判を受けたという話はあまりにも有名である。
「十角館の殺人」は特に、この批判の象徴のような作品だった。
しかし、こうして生まれ変わった彼らの感情や表情と丁寧に向かいあってみると、コミカライズ版「十角館の殺人」からは「人間が描けていない」という印象はほとんど受けないから不思議だ。
原作のいい部分は最大限に活かし、描写が足りないと思われる部分には丁寧な改変が施されている。
ミステリコミカライズの最高傑作は「魍魎の匣」と「GOTH」だと信じていたが、「十角館の殺人」もそれらと同じくらい楽しめたと思う。畳む
#読書
2024年12月17日(火)
あまり読めなかった気がするなあと思っていたが、30冊中2冊(「地雷グリコ」「冬期限定ボンボンショコラ事件」)というさんざんな結果だった。
ただ、この2冊は両方ともトップ10入りしているので、そこはよかった。
昨年から引き続き、第1位はちゃんと事前に読んでいたという。偉い。
今回は25年に一度の企画「2000年代クオータリー本格ベストランキング」が開催。
2000年代のベスト30冊中、既読は「屍人荘の殺人」「メルカトルかく語りき」「神様ゲーム」「鏡の中は日曜日」「体育館の殺人」「エレファントヘッド」「魔眼の匣の殺人」「隻眼の少女」で8冊。ほぼ麻耶雄嵩。
殊能将之作品のなかで、トップクラスに大好きな「鏡の中は日曜日」がランクインしているのが嬉しすぎる。
最近のものだと、エレファントヘッドがこんなところに食い込んでくるのか……!という驚きもあった。
このクオータリーベスト30のなかから、次に読むものを決めようかと思っている。
さらに、本ミスで毎回おもしろいのは、今年のミステリ系の漫画、ゲーム、ドラマや映画がまとめられているところ。
特にゲームは、ネットで検索してもまとめられていない場合が多くて、楽しい。
知らないゲームがいくつかあったので、手を出してみたいな。畳む
#読書
2024年12月11日(水)
ここまでの道のりは、意外と厳しかった。
というのも、グリードアイランド編がまったく肌に合わず、頭に入ってこなかったためだ。
グリードアイランド編突入前まではトントン拍子に読んでいたが、急に「あれ?わからないぞ?情報が多いぞ!?」と大混乱状態になった。
13巻を読み終わったのが8月15日、17巻を読み終わったのが11月17日。
この停滞っぷりからも「なぜかはわからないが、なかなか進まない!!」という困惑が読み取れる。苦悩の3ヶ月。
つまらなかったわけではないのだが、とにかくページをめくる手が進まなかった。時間がかかりすぎたせいか、内容もあまり覚えていない。
ちなみに、18巻から30巻までを読むのにかかった時間は5日。
5冊で3ヶ月かかったグリードアイランド編と、13冊を5日で駆け抜けたキメラアント編。
時間の感覚がバグりそう。大変だった。
HUNTER×HUNTER好きの人が「グリードアイランド編は、ぜんぶ読み終わってからもう一度読むと、意外な情報が隠れていておもしろい」というふうなことを言っていたので、最後まで行ったら、ちょっと戻ってみようかなと思っている。
キメラアント編は、いろんな意味でおもしろすぎて、どの角度から読んでも激アツなのが凄まじかった。『人間』=情のある正義の味方、『蟻』=無慈悲な化け物、という勧善懲悪になるのかと思いきや、人間にも冷酷さや殺意・悪意がたしかにあるし、蟻には殺意のみでなく優しさや母性があるという話に徐々に変わっていき、最後には人間と蟻が一対一で絆を育みながら死んでいくという……。
ドラゴンボールの魔人ブウ編に近い読後感。
こういう、善と悪のゆらぎのようなものを丁寧に描写している話って好きなんだよなあ。
あまりにも描写が上手すぎて、蟻側にどんどん感情を持っていかれてしまって、最終的にゴンにまったく共感できなくなってしまった。
キルアにはすごく感情移入していたけど、ゴンはどんどん離れていったような気がして怖かったなあ。
このあとどうなるんだろう……と手に汗握ったが、選挙編も別ベクトルですごく凝った話で、最高だった。
しかし、暗黒大陸編に入り、また、グリードアイランド編と同じく、ピタッ……とページをめくる手が止まる。
字が多い。情報量が多いのだ。デジャヴ。
幸い、暗黒大陸編はまだ終わっていないらしいので、ゆっくり読む予定。
果たして、最後まで到達できるのか。畳む
#読書
2024年11月27日(水)
夏休みに、おばあちゃんの家で出会った、かわいらしい男の子・鈴音丸。
どこか浮世離れした雰囲気の鈴音丸は、400年ぶりに目覚めた半人前の神様、『はんぴらり』だった!
これは、そんな『はんぴらり』の鈴音丸と過ごす、夏休みの思い出のお話。
妖怪たちの壊れた楽器を協力して修理していきながら、神様である鈴音丸と仲良くなっていくという、ハートフルなお話。
楽器を直す仕事をしているハイカラおばあちゃんも存在感あるなあ。
鈴音丸は一人前の神様になることができるのか。
続きも読んでいきたい。
#読書
2024年11月25日(月)
なんとなく、一番知りたい部分が書いていないストーリーだな……と思ったら、どうやら「愛じゃないならこれは何」という作品の続編らしい。知らずに読んでしまった……。
よくわからないのはその一部分だけなので、ここから読んでもそこまで問題はなさそうな気がする。
アイドルとファンと恋愛に関する連作短編集。恋愛小説らしいが、全体にあまりふつうの恋愛っぽくはないトーンなのが斜線堂流。
地下アイドル(女)と地下アイドル(男)、そして地下アイドル上がりのVtuberなどを題材にしており、なかなかえげつないところもある。
性描写はそんなにないけど、ガチ恋勢とアイドルを取り巻く感情がエグいというか。「たぬき掲示板」的ななにかに近いかも。
Vtuberの過労のくだりが新鮮でおもしろかった。
たしかに、あんなに毎日配信ばっかりしてたら、恋愛する暇も、病気になっている暇もないよな……。
トップアイドル・赤羽瑠璃(通称ばねるり)という存在があまりにも奇跡的すぎて、最高のオチに震える。
「星が人を愛すことなかれ」というタイトルもグッサリくる。斜線堂先生はいつもタイトルのセンスが凄まじいよなと思う。
「愛じゃないならこれは何」も読まなきゃいけなくなってしまった。楽しみ。畳む
#読書
2024年11月23日(土)
とても短いので、サクッと読めてよかった。新訳がいい感じにくだけていて読みやすい。
『無常』のイメージを災害によって消失する住居と重ね合わせ、自分は移動が可能な草庵に住む。
しかし、出家したにも関わらず、俗世へのさまざまな感情は尽きず、悟り切ることは到底できないようだ。
移動が可能な住居という概念は、現代に置き換えると、ミニマリストの先駆けのようにも、賃貸住宅至上主義者の先駆けのようにも思える。
嫌になったらすぐに移動できて、最低限の荷物だけで暮らしていくというイメージ。
たしかに、『マイホーム』って俗世の執着のかたまりのようなものだよなあ、と思う。
ミニマリズムを語りながらも、俗世への考えが抜けきらず、自分のなかに生まれる感情に揺れ動く人間らしさがすごくいいと思った。
学校の授業だと、「仏教の無常観を説くまじめな本」というような印象の教わり方をした気がするんだけど、むしろ無常という途方もないものに対する戸惑いのほうが強く感じられるんだよなあ。
災害や貧困、戦争が身近な時代にこそ読まれるべき本なのでは、と思った。
#読書
2024年11月19日(火)
死体を埋める傷だらけの女の子たちのガールズラブ、完結。
母からネグレクトされているめあり。父から虐待を受けているコリン。かつて、友だちを救えなかった璃子。
心に傷を負う三人の少女たちが出会うとき、彼女たちの孤独が共鳴し、傷つけあう。
彼女たちはその心の傷ゆえに、余裕がなく、自己中心的になることもあり、時には意地悪にも見える。
でも、それは互いの欠落を埋めるのに必死になっているだけだ。
むしろ、この境遇で自分勝手にならないほうがどうかしているともいえる。
行き場のない者同士が出会うとき、そこに生まれたのは愛なのか、同情なのか、共鳴なのか。
その感情の正体はわからないけれど、コリンがめありと出会えてよかった。
徹底して大人の姿が端折られていて、どう頑張っても少女たちだけでは解決できない問題に、彼女たちだけが立ち向かう形になっている閉塞感が好きだったなあ。
「福祉が機能してなさすぎるだろ!!!役所、仕事しろ!!!」という気持ちもあるけど、この作品の場合は大人がいないほうが映えるだろうなあ。
そんなことを考えながら読んでいた。畳む
#読書
2024年11月15日(金)
非常に読みやすく要点がまとめられており、炎上の陰でなにが起きていたのか、裏取りのないまま、不確実な情報が拡散されていった経緯を知ることができる。
個人的には、当時から「こんな怪しげな雑誌の記事を信じるのはおかしい。すべてではないにしても、多少は話を盛っているのでは?」という疑念があったため、炎上には加担していなかった。
90年代~00年代は、雑誌にしろムック本にしろ、内容が盛られていたり、インタビューがでっちあげだったりということは非常に多かったからだ。特にサブカル界隈では、嘘であることが当たり前だった。
しかし、胡散臭い雑誌の記事を鵜呑みにするのが愚かであることはもちろん当たり前だが、同時に、この本に書いてあることを鵜呑みにするのもよくないだろうという視点は持っておきたい。
いじめられた被害者当人の証言はなく、事実とは異なる内容の記事を仕上げた雑誌編集長の山崎氏が取材を拒否しているというのもあって、情報の不完全さはある。
だが、当時、現場にいた同級生複数に裏を取り、さらにそれ以外の同級生や音楽関係者や雑誌関係者にも取材を行っているため、雑誌記事単体よりは信用できる筋の情報だろう。
また、誠実に経緯のすべてを打ち明けた小山田氏本人と、取材から逃げ回っている山崎氏、どちらが読者から見て信用できるかといえば、やはり小山田氏のほうかなと思う。
嘘の内容が載った雑誌記事を訂正したかったが、雑誌関係者との関係を悪くしたくないために訂正の機会を逃しつづけたことで、結果的に長年にわたって時限爆弾を抱えているような状態になってしまったり、炎上がはじまったときにも気を遣って雑誌側へ抗議をしなかったりと、人のよさが完全に裏目に出てしまっているくだりには、誰にでも起こり得る事故なのではないかと思わされる。
炎上はドミノのようなもので、ひとつひとつは「これくらいは放っておいてもいいかな」「人間関係を悪くしたくないから言わないでおこうかな」「今更言っても仕方ないかな」という些細な要素なのだが、それらが折り重なって突然倒れはじめるとき、もはやだれにも止めることのできない大惨事となる。
事態が悪化するまでに、誤った情報を訂正できるきっかけはいくつもあったが、それをしなかった小山田氏にも責任の一端はある。
同級生たちも、雑誌の記事の内容が当時の状況とは著しく異なるものであることを認識しながら、自分にまで炎上の火の粉が降りかかるのが怖くて、訂正する気にはなれなかったと話している。「触ると巻き込まれるから、見て見ぬふりをする」。皮肉にも、これはまさにいじめと同じ構図だ。
雑誌記事に書かれたいじめの内容に対して怒りを燃やした人々が振りまく正義の火の粉が、実際にはそれ以上の苛烈ないじめとなって、猛威を振るっていたという事実に震える。
本来は、この記事を載せた雑誌関係者が表舞台に出ていって訂正するのが筋だったのだが、それも行われなかったことが惨事の規模を広げる一因となっていた。
この炎上のただなかで、「今の日本のマスコミ全体に聞きたいのは、あのとき何が起きたのかを、調べ直したのか?ってことなんですよ」と語った爆笑問題の太田さんはすごい人だなと思った。
この発言はかなり叩かれていたという記憶があるけれど、結局、当時はだれも調べ直していなかったのだ。
それだけではなく、たぶん、小山田氏本人の話すらまともに聞く人はいなかったのだろう。
「叩く前に調べ直すべきだ」という理性よりも、「絶対に許せない、叩きたい、気持ちよく叩きたいからむしろ事実であってほしい、調べ直してほしくない」という、正義に見せかけた群衆のバッシングの欲望が勝った瞬間でもあった。
最近、タイタンという事務所の特異性についてよく考えるのだけれど、渦中でこれを口にすることができる太田さんが君臨している事務所だからこそ、大島さんのような『忖度をしない』後輩が生まれるのかもしれない。
巻末にも直近での炎上がいくつか書かれているが、日々、われわれの感情をゆさぶる炎上案件は増えつづけている。強烈な感情のゆさぶりに気を取られているうちに、情報の裏取りをしていないことに気づかない(気付かされない)ような構造が確実にできあがっていると思う。
感情を動かす前に、まずは「これって本当に事実なんだろうか?」と疑っていかなければいけないだろう。ちゃんとしたソースはあるのか。信頼できる筋の情報なのか。偏った考えや誤報ではないか。
令和という炎上の時代を生き抜くために、そして自分が炎上するかもしれない未来のために、備えていこうと思える一冊だった。
当時、炎上に加担した人や怒りをSNSにぶつけた人は、この本を読んで事実について考えるべきだと思うが、そういう人たちはこういう本は読まずに、きょうも新たな標的を探しているんだろうなと思うと、やるせない。畳む
#読書
2024年11月14日(木)
2024年11月11日(月)
宮仕えが性に合わず警察をやめた左右田銀は、私立探偵として気ままに暮らす日々を送っている。
警官だったころに憧れていた警部補の花井も警察をやめてヤクザに転向していたことを知り、勢いでかつての思いを告白してしまう。
『警察を辞めた』という共通項を持つふたりが繰り広げる、レトロなラブコメディ。
「エリア88」の二次創作で作者の方を知ったのだけれど、オリジナル作品もコマのテンポがなんとなく新谷かおる感があるというか、ほんのりレトロな裏社会なのがいいなー。
1巻はヤクザものにしてはほのぼのしすぎていて、やや物足りない感じだったが、2巻からはクライム・サスペンスの様相を呈してきていて、かなり楽しめる。
性的な描写は今のところほとんどなく、このふたりがどういう関係に落ち着くのか、今後も見守りたい。
#読書
十年以上前から買わなきゃな~と思っていたはずなのに、なんだかんだと後回しにしていた作品。
一発目から表題作だったんだけど、あまりにも期待通りすぎて震えた。十年分の期待があったのに、それを悠々と超えていった。
後世の人たちは序盤の時点で「たぶん、そういうオチなんじゃない?」と思いながら読みはじめるだろうし、実際にオチは思っている通りのものなんだけど、オチまで読めている状態で読んでもめちゃくちゃおもしろいし、最後までドキドキするという。
あと、実際にそういうオチだったのかどうか、はっきりと語ってはいないところも好き(はっきりとは言っていないけど確実にそうだろうな、という含みがいい)。
これこそが、本物の名作短編なのでは……?と思った。
もったいないので、まだ全部の作品は読んでいなくて、電車内でちょっとずつ読んでいっている。畳む
#読書