タグ「読書」を含む投稿[222件](2ページ目)

Himaco「今日もテレビは私の噂話ばかりだし、空には不気味な赤い星が浮かんでる」を読んだ。
タイトルからして、怖そうな話なのかな……と思ったけど、実際のところは、統合失調症を患った著者が、周囲の温かいサポートによって、すこしずつ日常を取り戻していくというハートフルなエッセイだった。いい意味でタイトル詐欺。

一応、コミックエッセイという体裁ではあるのだけれど、コミックというよりは、水彩で書かれた絵本のような感じ。
この薄い色合いが、優しい体験談とマッチしていて、すごくよかった。
脳が忙しく動きすぎて、外を徘徊したり、妄想が出たりしていた著者が、適切な服薬によって、ひとつひとつ快方へ向かっていくのが勇気づけられる。
なによりも、この体験を振り返って、客観視してエッセイにできたという事実自体が、彼女の精神がすごく回復しているということを示しているような気がした。
どんな疾患があったとしても、穏やかな日常を歩みながら、ちょっとずつよくしていければいいんだろうなあ。
自分も、ひとつひとつの日常を丁寧に積み重ねていこうと思えた。良エッセイ。畳む


#読書

背筋「口に関するアンケート」を読んだ。
まず、この装丁と値段で本を出そうと思った時点で勝っていると思う。
本が売れない時代に、どうやったら本を売ることができるかという問いかけに対し、『安く、小さい本を売る』というアンサーを出しているのがときめく。
豆本が好きな人は、書店で見て「お!」と思ったのでは。
「なんだかわからないけど、とりあえず買ってみようかな」と思わせる、特殊な読書体験へのアプローチが楽しい。

謎めいたタイトルを最後の最後で回収する構成もおもしろい。
装丁も「アンケート」というコンセプトと噛み合っている感じがして、相性よかった。
もちろん、短い分だけ恐怖要素は控えめになってはいるんだけど、この短さでここまで怖くできるのはやっぱりすごい。さすが背筋さん。
最後まで行ってから読み返すと、見える景色が変わるという仕掛けがよかった。

あと、この作品のAudible版があるらしいんだけど、それはさすがに鬼畜すぎないか……?と思った。
Audibleにするところまで含めての戦略なのかもしれない。だとしたらすごすぎる。
「穢れた聖地巡礼について」も読まなきゃなー。畳む


#読書

佐藤マコト「サトラレ」を9年ぶりに読んでいる。
9年前もハチャメチャにおもしろかったが、相変わらず一気に読めてしまうおもしろさ。

周囲に自分の思考がダダ漏れになってしまうが、例外なく天才的な頭脳を持つ難病『サトラレ』の人たちを描くSF漫画。
本人にサトラレを告知すると、精神が崩壊し自殺してしまう恐れがあるため、サトラレを守るために対策委員会が組織されており、サトラレへの意図的な告知は犯罪となる。

しかし、突発的に自分がサトラレだと知ってしまう者もいて、その結果として無人島に隔離されたりもする。
ひとりひとりが、同じサトラレでありながら、まったく別の人生を歩んでいく様子が丁寧に綴られるところが大好き。

サトラレの心を守るために、周囲の人々にはなにができるのか。
そして、そんな人たちに、サトラレはどう報いるのか。

映画「トゥルーマン・ショー」が好きな人は、確実にこちらも好きだと思う。
2018年に新作が出ていたということを今更知ったので、これを読み終わったらそちらも読みたいな。

#読書

木爾チレン「二人一組になってください」を読んだ。
卒業式を目前にして、突如はじまるデスゲーム。
生き残る条件は、『二人一組』になること。ルールを破った者や、余ってしまった者は失格となり死ぬ。

ホラーとして、先が気になって一気に読んでしまった。
内容としては令和の「バトル・ロワイアル」で、個々の人物描写などは控えめ。
ひとりひとりが死んでいく直前の葛藤がひたすらに描かれていて、それ以外の要素は添え物かもしれない。

全体を通すとツッコミどころがかなり多いので、細かい部分は深く考えないほうがいいような気がする。
デスゲームものというジャンルがあまりにも定着しすぎていて、逆に「バトル・ロワイアル」を直に継承しているデスゲーム作品は減ってきているのではないかと思うんだけど、これはかなり近いマインドで書いているような気がした。
ジェットコースター的なスピード感はいいと思う。
ただ、自分は「バトル・ロワイアル」的な小説がやや苦手なので、この作家さんはもう読まないかもしれない。畳む


#読書

垣見隆・手塚和彰、五十嵐浩司、横手拓治、吉田伸八「地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか」を読んだ。

スッキリする解答が提示されるタイプの読み物ではない。
当事者が多すぎて解釈や事実が語る人によってブレてしまうオウム真理教事件について、もっとも捜査の核心に近い場所にいた、当時の刑事局長にロングインタビューを敢行するという内容。
これまで発表された資料と、渦中にいた人物との証言を照らし合わせ、矛盾やブレを追いかけていく構成がおもしろい。

垣見さんの淡々とした語りのなかに、なにかを言えない葛藤や感情の揺らぎが見えて、ひとりの人生を大きく変えてしまった事件について考えざるを得なくなる。

地下鉄サリン事件に関する重大な資料の完成をめざした編者たちの執念も見えて、事件を紐解く上で、複数の資料を参照し、情報の取捨選択を行うことの重大さを理解させてくれる一冊でもあった。
ファクトチェックが必須なフェイクニュース時代にこそ読まれるべき、ニュースや情報について考えさせられる本だと思う。畳む


#読書

瀬尾まいこ「そんなときは書店にどうぞ」を読み終わった。
瀬尾さんの小説を読んだことがないので、このエッセイが瀬尾さん初読み。
関西人らしい、ノリツッコミとボケにあふれた、優しいエッセイ。
ダジャレ社長のダジャレもいい味を出していて、何度となく吹き出してしまった。


特に好きなのが、ストーンズ(とカタカナで書いているのもめちゃくちゃ好き)の松村北斗さんが出てくるくだりで、(最初シックストーンズだと思ってました。トーンズの前のシックスが見えてるの、私だけでしょうか? 何の現象?)という素朴な疑問が提示されたところ。
そうか、なんでみんなすんなり読めるんだろうと思ってたら、みんなには見えていないのか、あのSix……納得。

地味に好きなのは、社長とのLINEのシリーズ。
「書店巡りをエッセイにしたい」と言った瀬尾さんに対し、社長が「水鈴社のnoteに書きましょう」と提案したあとのこと。
「誰かには読んでいただきたいので、(会社の)ノートに書くのはどうかと思います」
と社長にマジでLINEしているのが好きすぎて、何度も見返してしまった。
「noteというのはこれです」と真剣に返してくれる社長もじわじわと笑える。

内容とはまったく関係ないのだけれど、個人的に思い入れのある映画館・イオンシネマ高の原が登場したのが嬉しかった。
瀬尾さんの娘さんが「映画、高の原か四條畷で見ます」と松村さんに言ったら、松村さんが「高の原? そういう地名があるんだね」と返してくれたというエピソード。
かつてあのあたりを根城にしていた身としては、「そうなんですよ!! あるんですよ!!」とでっかい声で言いたくなった。いいところなんだよなー、高の原イオン。畳む


#読書

柳沢小実「『自分ログ』で毎日が変わる 手帳のある暮らし」を読んだ。
手帳本は、デコ系、スピリチュアル系、ビジネス系など、いろんな種類があるが、これは女性向けかつ実用に特化した感じで、デコの話は少なめ。
手帳の見た目をよくするよりも、生活の中身をよくするというコンセプトなのが好みだった。
『ログ』という一本の芯がしっかりあるから読みやすかったなあ。
自分の手帳観ともそこまで食い違いがなかった。
手帳モチベを上げるのにも使えると思う。
あと、最近、ふせんを活用するのに興味があるんだけど、この方はかなり的確にふせんを使いこなしていて、参考になった。

#読書

うささ「耳がきこえないうささ ウワサのユニバーサルスポットをゆく」を読む。
耳が聞こえないうさささんが、だれもが楽しめるユニバーサルな場所をレポートするエッセイ漫画。
手話を主なコミュニケーション手段とするスターバックスや、耳の聞こえない店主さんがやっている飲食店、手話で行うよしもとのお笑いライブなど、盛りだくさんな内容。

それ以外にも、「耳が聞こえない人に向けた手話を、目の見えない人にどうやったら届けられるだろう?」という通訳者たちの取り組みを取り上げていて、普段意識していなかった領域に気付かされる場面が多かった。

障害の有無や年齢・性別にかかわらず、すべての人に優しい場所。
きっとそういうユニバーサルスポットは、そこに訪れるひとりひとりの人に優しさや寛容さを与えてくれると思う。
いつか、すべての場所がそういう優しさにあふれるようになればいいなと感じられる一冊だった。

#読書

スタンリイ・エリンの「特別料理」を文庫で購入した。
十年以上前から買わなきゃな~と思っていたはずなのに、なんだかんだと後回しにしていた作品。
一発目から表題作だったんだけど、あまりにも期待通りすぎて震えた。十年分の期待があったのに、それを悠々と超えていった。

後世の人たちは序盤の時点で「たぶん、そういうオチなんじゃない?」と思いながら読みはじめるだろうし、実際にオチは思っている通りのものなんだけど、オチまで読めている状態で読んでもめちゃくちゃおもしろいし、最後までドキドキするという。
あと、実際にそういうオチだったのかどうか、はっきりと語ってはいないところも好き(はっきりとは言っていないけど確実にそうだろうな、という含みがいい)。
これこそが、本物の名作短編なのでは……?と思った。
もったいないので、まだ全部の作品は読んでいなくて、電車内でちょっとずつ読んでいっている。畳む


#読書

品田遊「納税、のち、ヘラクレスメス のべつ考える日々」を読む。
「キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々」につづく、品田遊の日記のまとめ本。
最近、あまり本が読めなくなって苦しんでいたんだけど、これはするっと読めて、ちょっと安心した。
ADHDな他人の頭のなかをこっそり覗くという貴重な体験。前作につづき、すごく楽しめた。
なんとなく、1冊めよりもマイルドで読みやすかった気がする。
タイトルにもなっているヘラクレスメスの話がドラマティックでよかった。

#読書

藤子・F・不二雄「ミノタウロスの皿」を読む。
大人向け本格SF。そして鬱展開。
「どら焼き屋さん物語」で突然お店にやってきた、他の世界とはやや雰囲気の違うカワイイ女の子が気になっていたのだが、まさか、こんな鬱展開漫画の主人公だったとは……。
むかしから「トラウマになった漫画スレ」とかでよく見かけるタイトルだとは思っていたんだけど、こんな話なのか。
わがどら焼き屋のコンセプトが崩れかねない、とんでもない世界の出身だった。
終わったあとから知る、どら焼き屋の危機。

ラストシーン(オチ)も解釈が分かれそうで意味深だし、かなりアダルトな漫画だと思う。
F先生もこんな漫画を描いているんだなあ。
こうやって、どら焼き屋さん物語から入って、まだ見ぬF先生のドラえもんやキテレツ大百科以外の漫画に触れる人、けっこういるのではないか。ゲームの功績がすごい。

#読書

邑田「いつも心に7テンを」を読んだ。
パチンコ好きな作者が、自分の家の猫と過ごす日々を綴る猫エッセイ漫画。
ペットエッセイ漫画って、読者が求めている方向性がすでに定まっているジャンルなので、わりと似たような味に落ち着きがちだと思う。老舗的なジャンルというか。
この作品は「パチンコ好き」「オタク」という二点において特異性があり、オタクミームやパチンコ用語を駆使して猫との生活を描く、異質な存在感があるのがおもしろい。
登場人物全員をいつもちょっと口が開いている猫っぽいマスコットの絵で描いていて、実際の猫はリアルな猫として描いているところも好き。この絵柄がかわいくて癒やされるんだよなあ。

#読書

田中一行「ジャンケットバンク」17巻を読む。

急激に男の友情要素が増していった叶VS獅子神戦だったが、意外な結末に落ち着いた。
獅子神さんの急成長が読めて嬉しいと同時に、「もうこの漫画の主人公は獅子神さんでは……?」という疑問がわいてきた。人気もありそう。
常識人には常識人なりの戦い方があるという、感情移入しやすい展開になっていてよかった。

そして、単行本ジャンケットバンクのメインコンテンツともいうべきオマケ漫画。
今回も楽しみにしていたのだが、ホラーだった。
16巻みたいなほのぼのギャグを期待していたのに、まさかこんなものが待っているとは。
本当に信じられないんだけど、一応は主人公として登場していたはずのキャラが、こんなにキモくなること、ある……?
出番があるたびにキモさが増していく電卓さん、怖すぎる。
獅子神さんのマトモさをプッシュした直後に、電卓キモ漫画を持ってくるバランス感覚。
「オマケ漫画は獅子神さん主役のほのぼのギャグ漫画かな?」などと淡く期待していた人間を奈落に突き落とすスタイル、いいよね……。畳む


#読書

172回(2024年下半期)芥川賞受賞作・安堂ホセ「DTOPIA (デートピア)」を読む。
直近で読んだ芥川賞受賞作は「ハンチバック」、「おいしいごはんが食べられますように」、「ブラックボックス」など、読みやすくてエンタメ性の高いものが多かった。
「そういえば最近、芥川賞らしい作品を読んでいなかったな……」と思い返しながら手に取った「デートピア」は、かなり芥川賞らしさの強い芥川賞受賞作だった。

エロティックであり、バイオレンスであり、思想的でもある。
恋愛リアリティショーを通して社会を覗き見るような作品で、肉体の損傷と個人の感情と社会問題がリンクしていく感じは「そういえば芥川賞ってこんな感じだったな……」と思わせる。
正直、エンタメではないし、売れる小説では決してないと思うが、こういう個人の感情の爆発こそが芥川賞の醍醐味だったのかもしれない。
読んでいるあいだは、先がどうなるのかすごく気になって、一気に読み切ったけど、読み終わった瞬間に体力を吸い取られて疲れてしまった。

あと、ふと思い出して、芥川賞受賞作の読了数をカウントするスプレッドシートを作った。まだ11冊しか読めていなかった。
芥川賞は社会問題をうつしとる鏡のような存在でもあり、あまりにも古い作品は読んでも意味がわからないのではないかとは感じているので、新しめの作品から、気が向いたらマラソンしようかと思っている。
「バリ山行」とかは評判よさそうだから読んでみたいな。畳む


#読書

住吉 九「サンキューピッチ」の1巻を読む。
野球漫画なのだが、一日に三回しか全力投球できず、それが弱点となってしまうため、関係者以外にはその秘密を隠さなければいけないという、頭脳バトル的な作品となっている。
出てくるキャラがいちいち濃すぎて、スリル満点でおもしろい。
わりと価値観がドライで、あまり熱血ではないため、野球漫画っぽくはないなという印象。
2巻も楽しみだ。

#読書

葦原大介「ワールドトリガー」28巻。最高だった。
これは毎回言っている気がするけど、ワールドトリガーは常に最新刊が一番おもしろい。

香取隊にはなんらかの問題があるというほのめかしはかなり初期から本編中で行われていたんだけど、読者は「問題の原因は破天荒すぎる隊長であって、それ以外のメンバーは大丈夫」というミスリードをいつのまにか食らっていたんだなと……。
この展開、読者側の生き方にも刺さるんだよなあ。
タイムリミットがなく、ただ目的のために努力したつもりになっているだけで、目的の手前でずっと足踏みしているだけ……という状況、ありがちなのではないかと思う。

たとえば、「◯月◯日締め切りの新人賞に応募するために、それまでには必ず小説を仕上げる」、「◯月のTOEICでスコア◯点以上を取るために、TOEIC対策を詰める」、「春に海外旅行に行くので、それまでに外国語を習得する」といった努力はとても有意義。
だけど、「特になんの締め切りもないけど、なんとなく語学の勉強をやる」、「いつ完成させるか決めてないけど、なんとなく小説の下書きだけ書いておく」は、実は一歩も前に進んでいない可能性があるぞ、という。
なんというか、自分の心の弱いところを突かれた気がして、ウッとなった。
「前に進んでいるつもりが、ハードルの前で足踏みしているだけだった」と、「思っていたよりもハードルの高さが自分の背丈に合っておらず、超えられない壁であることすら気付けなかった」というダブルパンチが、非常に心に刺さると同時に、「いや、でも自分もこれやってそう!!!」という気づきがあった。恐ろしい。

まずは時間を区切って、目的設定してから努力をすること。
そして、自分に合ったハードルのサイズを確認すること……。
自分も気をつけようと思った。
本当に怒涛の鬱展開だったけど、ここからどうやって巻き返していくのか、めちゃくちゃ気になるなあ。畳む


#読書

「GetBackers奪還屋」を最後まで読む。
いろいろな風呂敷をかなり急いで畳んでいた。急激すぎてなにがなんだかわからないラストだった。
「さよなら絶望先生」や「超光戦士シャンゼリオン」くらいのどんでん返しエンディングだった気がするんだけど、これって今までになにか伏線あったんだろうか。気になる。

もうちょっと丁寧に畳んでくれてもよかったのでは……という気持ちもあるが、濃すぎる厨二エキスを最初から最後まで浴びるほど飲ませてくれる漫画としては大満足だった。ヨシ!

#読書

「GetBackers奪還屋」を30巻まで読む。
全部で39巻あるので、あと9冊で終わる。
まさか、序盤で匂わされていたさまざまなシリアス展開が、30巻まで来て、まだまだ引っ張られているとは……。
30巻付近でようやくいくつか回収されそうなのだが、それでもまだ謎が残っているという。引っ張りすぎでは!?
ちゃんと全部回収されるのか不安だ。

それはさておき、永遠の絆編の笑師さんが好きすぎた。
最近こういうキャラはかなり減ってきているんだけど、90年代~00年代の関西弁キャラはいいよね……ふしぎ遊戯の翼宿とかも好き。
普段はおちゃらけているけど、実はすごく熱血で素直で……みたいな流れがいいなあ。

#読書

さかさな「おままごとのおわり。さかさな短編集」を読んだ。
「奈落の花園」もよかったんだけど、これはさらによかった……。
自分が百合に求めている関係性が、全部載せされていた気がする。

以前からいわゆる社会人百合に対する興味がやや希薄で(好きな作品もあるけど、あまりハマらない)、おねロリも倫理的に苦手で、それはなぜなんだろう……と自問自答していたんだけど、この短編集を読んだらちょっと理解してきたような気がする。
お互いの幼い部分を埋め合いながら、未熟な自分と向き合っていく行程にある百合の関係がとても好きで、(精神的に)子ども同士のカップリングが百合では一番見たい!と思っているのかもしれない。
あと、未熟な自分を認めた結果、これまでの百合の関係を一旦終わらせて、次のステージへと進んでいくという成長の過程が見えるのもとても好き。
それを「おままごとのおわり」と呼んでいるのもよすぎて、たまらない気持ちになってしまった。

偽りのおままごとが終わり、本当の人生が始まる。
そのとき、ふたりの関係性はもう一度始め直される。
一度すべて壊してから、また恋が始まる。
その奇跡の瞬間が、とても好きだった。また読み直したいな。

#読書

工藤かずや・北崎拓「望郷戦士」の1巻を読んだ。
かつて、親戚の家の本棚にあったのをこっそり読んだのがこの漫画との出会いだった。
「特攻の拓」や「電影少女」と並んで置かれていて、どれもエロだったりグロだったりして、小学生だった自分にはかなり刺激的だった。
自分よりもやや上の世代の親戚の持ち物なので、同級生たちは絶対に読んでいないような作品。
そういう意味で、なんとなく特別な体験として記憶に残っている。
あらためて読んでみると、サンデーとは思えないくらいエログロで、それでいて少年少女たちの冒険譚でもあり、やっぱりテンションが上がった。北崎拓の絵が昔から好きというのもあるんだけど、お話も好きだな。
つづきもまた読み直そうかな。

#読書

出内 テツオ・クワハリ「ふつうの軽音部」の5巻を読む。
今回はたまき先輩の話が主で、厘ちゃん控えめなのがちょっとさみしい。
が、たまき先輩の話がよすぎて、かなり自分に刺さった。今までで一番刺さったかもしれない。
追い詰められたたまき先輩が、あらためて自分の手で『音楽』をつかみとる瞬間に震える。
そして、そんなたまき先輩のパフォーマンスが鳩っちの心を動かすのもよかった。
ここからの鳩っちの覚醒が楽しみ。

#読書

Googleのスプレッドシートで、「本格ミステリ・ベスト10」で一位を獲った作品のチェックリストを作った。とりあえず国内作品のみ。
読了したらチェックボックスにチェック。読了作品の数がカウントされる。
やっぱり、一位になるような作品は本格推理の歴史に残るものが多いと思うし、読んでおきたい。
全制覇は厳しいかもしれないが、せめて最近のものだけでも制覇できたらいいな。
現在、全部で29作品あるのだが、読了しているのは10作品のみ。
残り3分の2ある。頑張ってみよう。

#読書

最近のKindle本収集。
未読が3709冊、既読が1038冊。合計で4747冊ある。
2023年12月の記録には4149冊とあるので、いつのまにか598冊も増えている計算になる。本当に!?
無料本も相変わらず集めつづけているし、最近は激安セールで懐かしい系の漫画を集める事が増えた気がする。小中学校のころに読んだ漫画などをとりあえず買っておいて、あとで読む。
おとなになってから読むと別の感情がわいてきたりもして、楽しいんだよな。

#読書

新年初読書は、竜騎士07・つのはず壱郎「彼岸花の咲く夜に」(全6巻)。

前々から気になっていたのだが、かなりよかった。閉鎖された学校のなかで、生徒の魂を喰らいたい妖怪たちがうごめき、陰謀をめぐらせる。
うみねこにおける魔法の概念が好きな人や、縁寿の話が好きな人はハマると思う。
推理要素はないので、竜騎士=推理ものだと思っている人には合わないかも。

ゲームのコミック版かと思って読みはじめたけど、実はコミック版の方が先らしい。
コミックをゲーム化したのか、同時進行なのかは謎。ゲーム版も気になるなー。
紅茶紳士のやり口がTHE・うみねこという感じで好きだった。
直接的なつながりはなさそうだが、読むことでうみねこの解釈も深められそうな作品。

#読書

東野圭吾「容疑者Xの献身」を読んだ。今更になって未読の名作を読むシリーズ。
第6回本格ミステリ大賞、第134回直木三十五賞に加え、本格ミステリ・ベスト10 2006年版、このミステリーがすごい!2006、2005年「週刊文春」ミステリベスト10において1位を獲得した5冠作品。
ここまで総ナメにしているのはすごいなー。
ついこのあいだ開催された「2000年代クオータリー・ベスト本格ランキング」では6位にランクインしており、現在の本格ファンのあいだでも愛されていることがうかがえる。

ネタバレ厳禁タイプの作品で、ここで書ける感想は少ないのだが、シンプルな構造ながら、ハラハラさせられて非常におもしろかった。
謎解きの難易度はぱっと見はそこまで高くなさそうに思えるけど、進めば進むほどわからなくなり、読めそうで読めなかったなあ。
倒叙からこういう流れになることを予想できた人は少ないのでは。
タイトル回収の凄まじさもインパクトが強い。

これまで、東野圭吾にピンとくる作品が少なくて、あんまり読んできていなかったけど、こんなにおもしろいならもっと早くに読んでおけばよかったなあ。
やっぱり、本ミスで1位を獲った作品は読んでおいたほうがいいなーと思った。これからもちょこちょこ制覇していきたい。畳む


#読書

こまきときこ「つれづれ語学日記」を読んだ。
語学勉強を楽しむ作者の日常の日々を描くエッセイ漫画。
今年読んだエッセイ漫画のなかで、一番好きかも。年末に思わぬ収穫。

語学に取り組む理由が、自分自身を救うためであるというくだりがすごく好きだった。
仕事でうまくいかなかった一日でも、語学で前進があれば、「ゼロ成長ではなかった」「精神的撮れ高」という考え方に共感した。
TOEICで挫折して、点数を取るのではなく英語を楽しむ勉強に移行しつつ、メキメキ上達して、海外旅行で英語を活用できるようになっているくだりとか、よかったなあ。
ドイツで英語を活用しているところで、なんだか感極まってしまった。ドラマティック。

語学を通して、自分の知らない世界を見る。
そこに暮らす人々の生活を思い、われわれ日本人の「当たり前」は、別の場所では「当たり前」ではないということを知る。
語学の奥深さと、作者の前向きさに心打たれる。素敵なエッセイ漫画だった。
本作がデビュー作らしいのだが、今後の作品も買っていこうと思った。畳む


#読書

坂木司「うまいダッツ」を読んだ。

するべきことが決まっていない、ダラダラとお菓子を食べるだけの部活「喫茶部」の面々が遭遇する、小さな日常の謎。
ちょっとだけビターで、ほのぼのする青春の風景を描いた日常系ミステリー。

坂木司作品を読むのはすごく久しぶりだったのだが、青春具合がちょうどよくて、夢中で読んでしまった。
真相がわかったあと、物事の見え方や人間関係が謎を基軸にして移り変わっていくのが好きだった。
真摯なコミュニケーションによって、事態をいい方向へと導こうとする努力がまぶしくて、見応えがあった。いいなあ、おやつ部。

#読書

Kindleの大安売りセールで買った「GetBackers奪還屋」を読み進める。13巻くらいまで読んだ。
たしか中学生のころにアニメがはじまって、ドハマリして単行本も集めていたのだが、途中でダレてきて、最後までは読まなかったような気がする。
ラストを見た記憶がまったくないので、当時読んだ話の先が読めるのが嬉しいな。
かなり濃い目の厨二病バトル漫画で、中学生心をくすぐる作品だったと思う。
週刊連載とは思えないほど描き込まれたバトルが迫力あって、毎回熱いんだよな。
当時は赤屍さんに熱狂していた気がするが、改めて読むと笑師がすごく好きだったり……死なないといいな……と思っている。

マガジン特有のエログロの大安売りにくわえ、BL要素も大安売りされているというわけのわからない漫画。
この時期、金田一少年とかも異様にエロかったけど、奪還屋のエロさは金田一少年を大幅に上回っていると思う。
「女の子が出てきた!!」と思ったら、秒で服を剥かれる。ここまでくるともうなにも言えない。
これ、マガジンに載っけていいんだ……という描写がゴロゴロ出てくるのがすごいよな。マガジンは魔窟。

#読書

綾辻行人・清原紘「十角館の殺人」を読んだ。
前々から読まなきゃなあ……とは思いながらも放置していたやつ。
原作をすでに読んでいる人は追加で楽しめる要素があり、原作未読の人も楽しめそうな良質コミカライズ。
以下、ネタバレをふくむ感想。

清原紘さんの絵がめちゃくちゃいい。まずはこれに尽きる。
そして、あえて原作をすこし改変しているのだが、その改変が原作ファンの気持ちを汲んでいるのが嬉しすぎる。
最後まで読むと、どうしてこういう改変を行ったのかという意図がダイレクトに伝わってくるので、ぜひ原作既読勢はこのラストを見届けてほしい。
十角館という作品自体は、本土組よりも島組に感情移入をしてしまうような構成になっているのだが、原作ではその感情移入が無慈悲にもぶった切られるのが印象的だった。

が、コミカライズではほのぼのした四コマがあったり、島の面々にも愛着をもたせるようなつくりになっている。
その愛着に合わせて、読者の心をいたわるような大幅な改変が行われている。
漫画という、登場人物の顔と向き合う媒体に非常に合った改変であり、原作の島組が好きな人も救われたような気がする。

1987年当時、本格推理小説は「人間が描けていない」という批判を受けたという話はあまりにも有名である。
「十角館の殺人」は特に、この批判の象徴のような作品だった。
しかし、こうして生まれ変わった彼らの感情や表情と丁寧に向かいあってみると、コミカライズ版「十角館の殺人」からは「人間が描けていない」という印象はほとんど受けないから不思議だ。
原作のいい部分は最大限に活かし、描写が足りないと思われる部分には丁寧な改変が施されている。
ミステリコミカライズの最高傑作は「魍魎の匣」と「GOTH」だと信じていたが、「十角館の殺人」もそれらと同じくらい楽しめたと思う。畳む


#読書

「2025本格ミステリ・ベスト10」を購入。

あまり読めなかった気がするなあと思っていたが、30冊中2冊(「地雷グリコ」「冬期限定ボンボンショコラ事件」)というさんざんな結果だった。
ただ、この2冊は両方ともトップ10入りしているので、そこはよかった。
昨年から引き続き、第1位はちゃんと事前に読んでいたという。偉い。

今回は25年に一度の企画「2000年代クオータリー本格ベストランキング」が開催。
2000年代のベスト30冊中、既読は「屍人荘の殺人」「メルカトルかく語りき」「神様ゲーム」「鏡の中は日曜日」「体育館の殺人」「エレファントヘッド」「魔眼の匣の殺人」「隻眼の少女」で8冊。ほぼ麻耶雄嵩。
殊能将之作品のなかで、トップクラスに大好きな「鏡の中は日曜日」がランクインしているのが嬉しすぎる。
最近のものだと、エレファントヘッドがこんなところに食い込んでくるのか……!という驚きもあった。
このクオータリーベスト30のなかから、次に読むものを決めようかと思っている。

さらに、本ミスで毎回おもしろいのは、今年のミステリ系の漫画、ゲーム、ドラマや映画がまとめられているところ。
特にゲームは、ネットで検索してもまとめられていない場合が多くて、楽しい。
知らないゲームがいくつかあったので、手を出してみたいな。畳む


#読書

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