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2025年1月14日(火)
2025年1月11日(土)
未読が3709冊、既読が1038冊。合計で4747冊ある。
2023年12月の記録には4149冊とあるので、いつのまにか598冊も増えている計算になる。本当に!?
無料本も相変わらず集めつづけているし、最近は激安セールで懐かしい系の漫画を集める事が増えた気がする。小中学校のころに読んだ漫画などをとりあえず買っておいて、あとで読む。
おとなになってから読むと別の感情がわいてきたりもして、楽しいんだよな。
#読書
2025年1月2日(木)
前々から気になっていたのだが、かなりよかった。閉鎖された学校のなかで、生徒の魂を喰らいたい妖怪たちがうごめき、陰謀をめぐらせる。
うみねこにおける魔法の概念が好きな人や、縁寿の話が好きな人はハマると思う。
推理要素はないので、竜騎士=推理ものだと思っている人には合わないかも。
ゲームのコミック版かと思って読みはじめたけど、実はコミック版の方が先らしい。
コミックをゲーム化したのか、同時進行なのかは謎。ゲーム版も気になるなー。
紅茶紳士のやり口がTHE・うみねこという感じで好きだった。
直接的なつながりはなさそうだが、読むことでうみねこの解釈も深められそうな作品。
#読書
2024年12月29日(日)
第6回本格ミステリ大賞、第134回直木三十五賞に加え、本格ミステリ・ベスト10 2006年版、このミステリーがすごい!2006、2005年「週刊文春」ミステリベスト10において1位を獲得した5冠作品。
ここまで総ナメにしているのはすごいなー。
ついこのあいだ開催された「2000年代クオータリー・ベスト本格ランキング」では6位にランクインしており、現在の本格ファンのあいだでも愛されていることがうかがえる。
ネタバレ厳禁タイプの作品で、ここで書ける感想は少ないのだが、シンプルな構造ながら、ハラハラさせられて非常におもしろかった。
謎解きの難易度はぱっと見はそこまで高くなさそうに思えるけど、進めば進むほどわからなくなり、読めそうで読めなかったなあ。
倒叙からこういう流れになることを予想できた人は少ないのでは。
タイトル回収の凄まじさもインパクトが強い。
これまで、東野圭吾にピンとくる作品が少なくて、あんまり読んできていなかったけど、こんなにおもしろいならもっと早くに読んでおけばよかったなあ。
やっぱり、本ミスで1位を獲った作品は読んでおいたほうがいいなーと思った。これからもちょこちょこ制覇していきたい。畳む
#読書
2024年12月28日(土)
語学勉強を楽しむ作者の日常の日々を描くエッセイ漫画。
今年読んだエッセイ漫画のなかで、一番好きかも。年末に思わぬ収穫。
語学に取り組む理由が、自分自身を救うためであるというくだりがすごく好きだった。
仕事でうまくいかなかった一日でも、語学で前進があれば、「ゼロ成長ではなかった」「精神的撮れ高」という考え方に共感した。
TOEICで挫折して、点数を取るのではなく英語を楽しむ勉強に移行しつつ、メキメキ上達して、海外旅行で英語を活用できるようになっているくだりとか、よかったなあ。
ドイツで英語を活用しているところで、なんだか感極まってしまった。ドラマティック。
語学を通して、自分の知らない世界を見る。
そこに暮らす人々の生活を思い、われわれ日本人の「当たり前」は、別の場所では「当たり前」ではないということを知る。
語学の奥深さと、作者の前向きさに心打たれる。素敵なエッセイ漫画だった。
本作がデビュー作らしいのだが、今後の作品も買っていこうと思った。畳む
#読書
2024年12月25日(水)
するべきことが決まっていない、ダラダラとお菓子を食べるだけの部活「喫茶部」の面々が遭遇する、小さな日常の謎。
ちょっとだけビターで、ほのぼのする青春の風景を描いた日常系ミステリー。
坂木司作品を読むのはすごく久しぶりだったのだが、青春具合がちょうどよくて、夢中で読んでしまった。
真相がわかったあと、物事の見え方や人間関係が謎を基軸にして移り変わっていくのが好きだった。
真摯なコミュニケーションによって、事態をいい方向へと導こうとする努力がまぶしくて、見応えがあった。いいなあ、おやつ部。
#読書
2024年12月20日(金)
たしか中学生のころにアニメがはじまって、ドハマリして単行本も集めていたのだが、途中でダレてきて、最後までは読まなかったような気がする。
ラストを見た記憶がまったくないので、当時読んだ話の先が読めるのが嬉しいな。
かなり濃い目の厨二病バトル漫画で、中学生心をくすぐる作品だったと思う。
週刊連載とは思えないほど描き込まれたバトルが迫力あって、毎回熱いんだよな。
当時は赤屍さんに熱狂していた気がするが、改めて読むと笑師がすごく好きだったり……死なないといいな……と思っている。
マガジン特有のエログロの大安売りにくわえ、BL要素も大安売りされているというわけのわからない漫画。
この時期、金田一少年とかも異様にエロかったけど、奪還屋のエロさは金田一少年を大幅に上回っていると思う。
「女の子が出てきた!!」と思ったら、秒で服を剥かれる。ここまでくるともうなにも言えない。
これ、マガジンに載っけていいんだ……という描写がゴロゴロ出てくるのがすごいよな。マガジンは魔窟。
#読書
2024年12月18日(水)
前々から読まなきゃなあ……とは思いながらも放置していたやつ。
原作をすでに読んでいる人は追加で楽しめる要素があり、原作未読の人も楽しめそうな良質コミカライズ。
以下、ネタバレをふくむ感想。
清原紘さんの絵がめちゃくちゃいい。まずはこれに尽きる。
そして、あえて原作をすこし改変しているのだが、その改変が原作ファンの気持ちを汲んでいるのが嬉しすぎる。
最後まで読むと、どうしてこういう改変を行ったのかという意図がダイレクトに伝わってくるので、ぜひ原作既読勢はこのラストを見届けてほしい。
十角館という作品自体は、本土組よりも島組に感情移入をしてしまうような構成になっているのだが、原作ではその感情移入が無慈悲にもぶった切られるのが印象的だった。
が、コミカライズではほのぼのした四コマがあったり、島の面々にも愛着をもたせるようなつくりになっている。
その愛着に合わせて、読者の心をいたわるような大幅な改変が行われている。
漫画という、登場人物の顔と向き合う媒体に非常に合った改変であり、原作の島組が好きな人も救われたような気がする。
1987年当時、本格推理小説は「人間が描けていない」という批判を受けたという話はあまりにも有名である。
「十角館の殺人」は特に、この批判の象徴のような作品だった。
しかし、こうして生まれ変わった彼らの感情や表情と丁寧に向かいあってみると、コミカライズ版「十角館の殺人」からは「人間が描けていない」という印象はほとんど受けないから不思議だ。
原作のいい部分は最大限に活かし、描写が足りないと思われる部分には丁寧な改変が施されている。
ミステリコミカライズの最高傑作は「魍魎の匣」と「GOTH」だと信じていたが、「十角館の殺人」もそれらと同じくらい楽しめたと思う。畳む
#読書
2024年12月17日(火)
あまり読めなかった気がするなあと思っていたが、30冊中2冊(「地雷グリコ」「冬期限定ボンボンショコラ事件」)というさんざんな結果だった。
ただ、この2冊は両方ともトップ10入りしているので、そこはよかった。
昨年から引き続き、第1位はちゃんと事前に読んでいたという。偉い。
今回は25年に一度の企画「2000年代クオータリー本格ベストランキング」が開催。
2000年代のベスト30冊中、既読は「屍人荘の殺人」「メルカトルかく語りき」「神様ゲーム」「鏡の中は日曜日」「体育館の殺人」「エレファントヘッド」「魔眼の匣の殺人」「隻眼の少女」で8冊。ほぼ麻耶雄嵩。
殊能将之作品のなかで、トップクラスに大好きな「鏡の中は日曜日」がランクインしているのが嬉しすぎる。
最近のものだと、エレファントヘッドがこんなところに食い込んでくるのか……!という驚きもあった。
このクオータリーベスト30のなかから、次に読むものを決めようかと思っている。
さらに、本ミスで毎回おもしろいのは、今年のミステリ系の漫画、ゲーム、ドラマや映画がまとめられているところ。
特にゲームは、ネットで検索してもまとめられていない場合が多くて、楽しい。
知らないゲームがいくつかあったので、手を出してみたいな。畳む
#読書
2024年12月11日(水)
ここまでの道のりは、意外と厳しかった。
というのも、グリードアイランド編がまったく肌に合わず、頭に入ってこなかったためだ。
グリードアイランド編突入前まではトントン拍子に読んでいたが、急に「あれ?わからないぞ?情報が多いぞ!?」と大混乱状態になった。
13巻を読み終わったのが8月15日、17巻を読み終わったのが11月17日。
この停滞っぷりからも「なぜかはわからないが、なかなか進まない!!」という困惑が読み取れる。苦悩の3ヶ月。
つまらなかったわけではないのだが、とにかくページをめくる手が進まなかった。時間がかかりすぎたせいか、内容もあまり覚えていない。
ちなみに、18巻から30巻までを読むのにかかった時間は5日。
5冊で3ヶ月かかったグリードアイランド編と、13冊を5日で駆け抜けたキメラアント編。
時間の感覚がバグりそう。大変だった。
HUNTER×HUNTER好きの人が「グリードアイランド編は、ぜんぶ読み終わってからもう一度読むと、意外な情報が隠れていておもしろい」というふうなことを言っていたので、最後まで行ったら、ちょっと戻ってみようかなと思っている。
キメラアント編は、いろんな意味でおもしろすぎて、どの角度から読んでも激アツなのが凄まじかった。『人間』=情のある正義の味方、『蟻』=無慈悲な化け物、という勧善懲悪になるのかと思いきや、人間にも冷酷さや殺意・悪意がたしかにあるし、蟻には殺意のみでなく優しさや母性があるという話に徐々に変わっていき、最後には人間と蟻が一対一で絆を育みながら死んでいくという……。
ドラゴンボールの魔人ブウ編に近い読後感。
こういう、善と悪のゆらぎのようなものを丁寧に描写している話って好きなんだよなあ。
あまりにも描写が上手すぎて、蟻側にどんどん感情を持っていかれてしまって、最終的にゴンにまったく共感できなくなってしまった。
キルアにはすごく感情移入していたけど、ゴンはどんどん離れていったような気がして怖かったなあ。
このあとどうなるんだろう……と手に汗握ったが、選挙編も別ベクトルですごく凝った話で、最高だった。
しかし、暗黒大陸編に入り、また、グリードアイランド編と同じく、ピタッ……とページをめくる手が止まる。
字が多い。情報量が多いのだ。デジャヴ。
幸い、暗黒大陸編はまだ終わっていないらしいので、ゆっくり読む予定。
果たして、最後まで到達できるのか。畳む
#読書
2024年11月27日(水)
夏休みに、おばあちゃんの家で出会った、かわいらしい男の子・鈴音丸。
どこか浮世離れした雰囲気の鈴音丸は、400年ぶりに目覚めた半人前の神様、『はんぴらり』だった!
これは、そんな『はんぴらり』の鈴音丸と過ごす、夏休みの思い出のお話。
妖怪たちの壊れた楽器を協力して修理していきながら、神様である鈴音丸と仲良くなっていくという、ハートフルなお話。
楽器を直す仕事をしているハイカラおばあちゃんも存在感あるなあ。
鈴音丸は一人前の神様になることができるのか。
続きも読んでいきたい。
#読書
2024年11月25日(月)
なんとなく、一番知りたい部分が書いていないストーリーだな……と思ったら、どうやら「愛じゃないならこれは何」という作品の続編らしい。知らずに読んでしまった……。
よくわからないのはその一部分だけなので、ここから読んでもそこまで問題はなさそうな気がする。
アイドルとファンと恋愛に関する連作短編集。恋愛小説らしいが、全体にあまりふつうの恋愛っぽくはないトーンなのが斜線堂流。
地下アイドル(女)と地下アイドル(男)、そして地下アイドル上がりのVtuberなどを題材にしており、なかなかえげつないところもある。
性描写はそんなにないけど、ガチ恋勢とアイドルを取り巻く感情がエグいというか。「たぬき掲示板」的ななにかに近いかも。
Vtuberの過労のくだりが新鮮でおもしろかった。
たしかに、あんなに毎日配信ばっかりしてたら、恋愛する暇も、病気になっている暇もないよな……。
トップアイドル・赤羽瑠璃(通称ばねるり)という存在があまりにも奇跡的すぎて、最高のオチに震える。
「星が人を愛すことなかれ」というタイトルもグッサリくる。斜線堂先生はいつもタイトルのセンスが凄まじいよなと思う。
「愛じゃないならこれは何」も読まなきゃいけなくなってしまった。楽しみ。畳む
#読書
2024年11月23日(土)
とても短いので、サクッと読めてよかった。新訳がいい感じにくだけていて読みやすい。
『無常』のイメージを災害によって消失する住居と重ね合わせ、自分は移動が可能な草庵に住む。
しかし、出家したにも関わらず、俗世へのさまざまな感情は尽きず、悟り切ることは到底できないようだ。
移動が可能な住居という概念は、現代に置き換えると、ミニマリストの先駆けのようにも、賃貸住宅至上主義者の先駆けのようにも思える。
嫌になったらすぐに移動できて、最低限の荷物だけで暮らしていくというイメージ。
たしかに、『マイホーム』って俗世の執着のかたまりのようなものだよなあ、と思う。
ミニマリズムを語りながらも、俗世への考えが抜けきらず、自分のなかに生まれる感情に揺れ動く人間らしさがすごくいいと思った。
学校の授業だと、「仏教の無常観を説くまじめな本」というような印象の教わり方をした気がするんだけど、むしろ無常という途方もないものに対する戸惑いのほうが強く感じられるんだよなあ。
災害や貧困、戦争が身近な時代にこそ読まれるべき本なのでは、と思った。
#読書
2024年11月19日(火)
死体を埋める傷だらけの女の子たちのガールズラブ、完結。
母からネグレクトされているめあり。父から虐待を受けているコリン。かつて、友だちを救えなかった璃子。
心に傷を負う三人の少女たちが出会うとき、彼女たちの孤独が共鳴し、傷つけあう。
彼女たちはその心の傷ゆえに、余裕がなく、自己中心的になることもあり、時には意地悪にも見える。
でも、それは互いの欠落を埋めるのに必死になっているだけだ。
むしろ、この境遇で自分勝手にならないほうがどうかしているともいえる。
行き場のない者同士が出会うとき、そこに生まれたのは愛なのか、同情なのか、共鳴なのか。
その感情の正体はわからないけれど、コリンがめありと出会えてよかった。
徹底して大人の姿が端折られていて、どう頑張っても少女たちだけでは解決できない問題に、彼女たちだけが立ち向かう形になっている閉塞感が好きだったなあ。
「福祉が機能してなさすぎるだろ!!!役所、仕事しろ!!!」という気持ちもあるけど、この作品の場合は大人がいないほうが映えるだろうなあ。
そんなことを考えながら読んでいた。畳む
#読書
2024年11月15日(金)
非常に読みやすく要点がまとめられており、炎上の陰でなにが起きていたのか、裏取りのないまま、不確実な情報が拡散されていった経緯を知ることができる。
個人的には、当時から「こんな怪しげな雑誌の記事を信じるのはおかしい。すべてではないにしても、多少は話を盛っているのでは?」という疑念があったため、炎上には加担していなかった。
90年代~00年代は、雑誌にしろムック本にしろ、内容が盛られていたり、インタビューがでっちあげだったりということは非常に多かったからだ。特にサブカル界隈では、嘘であることが当たり前だった。
しかし、胡散臭い雑誌の記事を鵜呑みにするのが愚かであることはもちろん当たり前だが、同時に、この本に書いてあることを鵜呑みにするのもよくないだろうという視点は持っておきたい。
いじめられた被害者当人の証言はなく、事実とは異なる内容の記事を仕上げた雑誌編集長の山崎氏が取材を拒否しているというのもあって、情報の不完全さはある。
だが、当時、現場にいた同級生複数に裏を取り、さらにそれ以外の同級生や音楽関係者や雑誌関係者にも取材を行っているため、雑誌記事単体よりは信用できる筋の情報だろう。
また、誠実に経緯のすべてを打ち明けた小山田氏本人と、取材から逃げ回っている山崎氏、どちらが読者から見て信用できるかといえば、やはり小山田氏のほうかなと思う。
嘘の内容が載った雑誌記事を訂正したかったが、雑誌関係者との関係を悪くしたくないために訂正の機会を逃しつづけたことで、結果的に長年にわたって時限爆弾を抱えているような状態になってしまったり、炎上がはじまったときにも気を遣って雑誌側へ抗議をしなかったりと、人のよさが完全に裏目に出てしまっているくだりには、誰にでも起こり得る事故なのではないかと思わされる。
炎上はドミノのようなもので、ひとつひとつは「これくらいは放っておいてもいいかな」「人間関係を悪くしたくないから言わないでおこうかな」「今更言っても仕方ないかな」という些細な要素なのだが、それらが折り重なって突然倒れはじめるとき、もはやだれにも止めることのできない大惨事となる。
事態が悪化するまでに、誤った情報を訂正できるきっかけはいくつもあったが、それをしなかった小山田氏にも責任の一端はある。
同級生たちも、雑誌の記事の内容が当時の状況とは著しく異なるものであることを認識しながら、自分にまで炎上の火の粉が降りかかるのが怖くて、訂正する気にはなれなかったと話している。「触ると巻き込まれるから、見て見ぬふりをする」。皮肉にも、これはまさにいじめと同じ構図だ。
雑誌記事に書かれたいじめの内容に対して怒りを燃やした人々が振りまく正義の火の粉が、実際にはそれ以上の苛烈ないじめとなって、猛威を振るっていたという事実に震える。
本来は、この記事を載せた雑誌関係者が表舞台に出ていって訂正するのが筋だったのだが、それも行われなかったことが惨事の規模を広げる一因となっていた。
この炎上のただなかで、「今の日本のマスコミ全体に聞きたいのは、あのとき何が起きたのかを、調べ直したのか?ってことなんですよ」と語った爆笑問題の太田さんはすごい人だなと思った。
この発言はかなり叩かれていたという記憶があるけれど、結局、当時はだれも調べ直していなかったのだ。
それだけではなく、たぶん、小山田氏本人の話すらまともに聞く人はいなかったのだろう。
「叩く前に調べ直すべきだ」という理性よりも、「絶対に許せない、叩きたい、気持ちよく叩きたいからむしろ事実であってほしい、調べ直してほしくない」という、正義に見せかけた群衆のバッシングの欲望が勝った瞬間でもあった。
最近、タイタンという事務所の特異性についてよく考えるのだけれど、渦中でこれを口にすることができる太田さんが君臨している事務所だからこそ、大島さんのような『忖度をしない』後輩が生まれるのかもしれない。
巻末にも直近での炎上がいくつか書かれているが、日々、われわれの感情をゆさぶる炎上案件は増えつづけている。強烈な感情のゆさぶりに気を取られているうちに、情報の裏取りをしていないことに気づかない(気付かされない)ような構造が確実にできあがっていると思う。
感情を動かす前に、まずは「これって本当に事実なんだろうか?」と疑っていかなければいけないだろう。ちゃんとしたソースはあるのか。信頼できる筋の情報なのか。偏った考えや誤報ではないか。
令和という炎上の時代を生き抜くために、そして自分が炎上するかもしれない未来のために、備えていこうと思える一冊だった。
当時、炎上に加担した人や怒りをSNSにぶつけた人は、この本を読んで事実について考えるべきだと思うが、そういう人たちはこういう本は読まずに、きょうも新たな標的を探しているんだろうなと思うと、やるせない。畳む
#読書
2024年11月14日(木)
2024年11月11日(月)
宮仕えが性に合わず警察をやめた左右田銀は、私立探偵として気ままに暮らす日々を送っている。
警官だったころに憧れていた警部補の花井も警察をやめてヤクザに転向していたことを知り、勢いでかつての思いを告白してしまう。
『警察を辞めた』という共通項を持つふたりが繰り広げる、レトロなラブコメディ。
「エリア88」の二次創作で作者の方を知ったのだけれど、オリジナル作品もコマのテンポがなんとなく新谷かおる感があるというか、ほんのりレトロな裏社会なのがいいなー。
1巻はヤクザものにしてはほのぼのしすぎていて、やや物足りない感じだったが、2巻からはクライム・サスペンスの様相を呈してきていて、かなり楽しめる。
性的な描写は今のところほとんどなく、このふたりがどういう関係に落ち着くのか、今後も見守りたい。
#読書
2024年11月9日(土)
さまざまな家の間取りと、そこに暮らす女性たちを描くオムニバスのオールカラーコミック。
ゆったりと過ぎていくひとり時間を、フルカラーの温かな筆致で描く世界観がいい。
かわいらしい小物が並べられた部屋には生活感があり、そこに住む人の人生を感じさせる。
こんなにかわいい小物が大量に並んでいたら、掃除するのは大変だろうな……と余計な心配をしてしまったが、こんな家に住めたら気持ちが弾んで楽しいだろうなとも思う。
おうち時間の多い人におすすめの一冊だった。
#読書
2024年11月6日(水)
ブギーポップシリーズ16冊目。
史上最強の能力者・スキャッターブレインと、統和機構最強・フォルテッシモの対決を描く。
ブギーポップはもともとジョジョからの影響を強く感じる作品だが、今回の話は明確にジョジョ4部オマージュだと思われる。
「音梨町」という地名を強調しているところといい、ラスボスの性質といい、かなり意識して似せに行っている気がする。さらに、「振り返ってはいけない、幽霊が出る小道」への言及もあったりする。
序盤のコッテコテの学園ラブコメ展開に、「上遠野浩平ってこんなにコテコテのラブコメをやる人だったか……?」と違和感を抱かせておいて、終盤でその違和感への答え合わせが行われるという構成になっており、今回も非常に楽しめた。完成度が高い。
ブギーポップはキャラへの愛着で物語をひっぱっていくようなタイプの作品ではまったくないのだが、フォルテッシモの魅力はエンブリオ以降強まるばかりで、次の登場が待ち遠しい。良キャラだと思う。畳む
#読書
2024年11月4日(月)
エキスポセンターや植物園を巡り、いい天気だったので、バスには乗らずに研究都市を歩き回った。
なんとなく作り物っぽい感じというか、アニメに出てくる街みたいな雰囲気が好きなんだよなー。
たまたまテキトーに入ったインドカレー屋のカレーがすごくおいしくて、普通のインネパ系カレーとは違った雰囲気だったのがお得感があった。
かなりたくさん歩いたので、これでカロリー消費できているといいな。
つくばは、まったり過ごせてすごく好きなので、また行きたい。次はもうちょっと計画的に、行きたい場所をまとめてから。
きのうの夜は、「奈落の花園」に加えて「ふつうの軽音部」の新刊を読んでいた。
きょうは電車内で、「ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド」を読んだ。
ブギーポップシリーズ・15冊目。
「ブギーポップ・イン・ザ・ミラー 『パンドラ』」あたりの雰囲気が好きな人はかなり合うんじゃないか。
ブギーポップに基本的にハズレはないと思っているけれど、「沈黙ピラミッド」のノスタルジーというか、『失われた青春の思い出』の風景は好きすぎたなあ。
死別でなくとも、すべての青春は過ぎ去っていくもので、気づいたときにはすでにないということを思い出させてくれる。
この失われた風景の物語が「VSイマジネーター」のお話と組み合わさっているの、技ありだと思う。
#読書
#旅行
2024年11月3日(日)
いわゆる死体埋め百合なのだが、ある程度関係の固まったふたりが死体を埋めるのではなくて、死体を埋めるところから関係がはじまるのが新鮮でおもしろい。
感情が未発達かつ家庭環境に問題を抱えた幼いふたりが死体を埋めて秘密を守るというシチュエーション、めちゃくちゃいいな……。
展開は陰惨さがかなり強いのだが、試練を愛で乗り越えられそうな予感もして、この先が気になる。
今月、下巻が出るっぽいので楽しみ。
#読書
2024年10月30日(水)
「孤独のグルメ」を発端とするひとりめし系漫画は、さすがに出尽くしてきて飽和したジャンルかと思っていた。
食べ歩き、自炊、ブラック労働のあとの鬱めし、酒飲みのつまみなどなど、多彩なものが揃っている。
が、ここへきて、そのなかのどれともかぶっていない(気がする)作品が登場。
めし漫画は、読むと「おいしそう!食べたい!」と思うものが多いはずなのだが、もちづきさんの場合は、食べたいと思う人は少ないのではないか。まず実行する勇気があるかどうか。
わたしの大好きな漫画「鍋に弾丸を受けながら」に、エルヴィス・プレスリーの死の原因となったといわれる超高カロリーサンドイッチ・通称エルヴィスサンドというものが登場する。
めちゃくちゃおいしそうなのだが、同時に健康をあらゆる意味で破壊するシロモノであることもしっかりと描かれている。
「鍋に弾丸を受けながら」にはその後も印象的な食べ物が多数登場するが、やっぱり、エルヴィスサンドという『美味と引き換えに死ぬ』食べ物のインパクトを超えてはいない。
もちづきさんの持つインパクトも、エルヴィスサンドと同じ種類のものだろう。
人は、死の淵で踊りつづけるだれかがいたら、見つめずにはいられない。
これはもはや、めし漫画などではなく、『死』を間接的に描いた漫画なのではないか。
生きるための『食』が、なぜか真逆の『死』へと接続している矛盾。
一部でドカ食い描写が問題視されているらしいが、気軽に真似できて、真似したらほぼ確実に死ぬという意味では、たしかに問題かもしれない。
作中で「これは食べてはいけないものだ」ということがはっきりと描かれており、個人的にはそこまで問題だとは思わないけれど、心配になるのもわかる。
このあと、もちづきさんがカジュアルに流行しまくり、みんなが真似するようになったりするかもしれないし。
絶対に食べてはいけない禁断の食。
罪悪感をスパイスとして、死へとひた走るピエロ。
もちづきさんがどこまで走っていくのか、見守りたい。畳む
#読書
2024年10月25日(金)
本を読んだことのないオモコロライター・みくのしんさんが、みずみずしい感性で、友人のかまどさんと一緒に名作を紐解いていくという本。
名作をネタにして遊んで終わる系の本かと思いきや、描写のなかの深いところまで入っていって、作品そのものを主人公と同じ立ち位置から追体験するような読み方をしていて、本を読み慣れている人ほどはっとさせられるような気がする。
難しくて飛ばしてしまうような単語に対して、「これなに?」と疑問を投げかけていくのもいい。
最終章では「読書とはなにか?」という哲学的命題にも触れているように思えて、なかなかに興味深い本だった。
雨穴さんが、みくのしんさんを思いながらベストセラー本「変な家」を書いたという話もよかったなー。
同じ本を読んでいたとしても、その読み方は人それぞれ。
情景に深く入り込んで共感する人もいれば、淡々と事実だけを処理していく人もいる。
本来ならば知るはずのない、『他人の読書』という秘められた領域を垣間見ることのできる不思議な体験。
読書が好きな人にこそ、読んでほしい本だった。
#読書
2024年10月9日(水)
生放送のバラエティ番組『ゴシップ人狼』の開始前、番組の主役として活躍するはずだった人気俳優・勇崎恭吾の死体がスタジオで発見される。
犯人からのメッセージには「番組を予定通りに行わなければ、スタジオを爆破する」とあった。
スタジオに死体を置いたまま、嘘のゴシップを話している人狼をあぶりだす『ゴシップ人狼』が開幕する。
はたして、嘘をついている人狼は誰なのか。そして犯人の狙いは?
きっと、これを書いた人は「水曜日のダウンタウン」が大好きで、「名探偵津田」からこの着想を得たんだろうな~。
という体感の、ライト系ミステリ。
虚構と真実が番組のなかで混じり合う構成といい、名探偵津田好きと相性がよさそう。
バラエティ番組をメタとして見ている視聴者には楽しめると思う。
バラエティ番組とミステリという取り合わせが新しく、生放送というドキドキする舞台装置もあいまって、夢中で読み進められた。
ただ、ジェットコースター的に展開していった先のオチはやや弱め。
「構造的に、犯人はこの人なのでは?」と予想していた人がそのまま犯人だったのは物足りなかった。
とはいえ、一晩で軽く読めるライトミステリとしては上々だと思った。
不器用な一発屋芸人の仁礼くんはいいキャラ。
#読書
2024年9月30日(月)
この時点で熱はほぼほぼ下がり、喉の痛みだけが残った感じなのだが、最低でも5日間は出勤してはいけないらしい。
休暇をもらったつもりで、自宅待機を楽しもうかと思う。
布団でゴロゴロしつつ、平尾アウリ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」を10巻まで読んだ。
かつてアニメ版を全部見て、「このあとどうなるんだろ?」と気になっていた作品。
あまり主軸となる物語はなく、まったりと推しと交流しつづける話だと思っていたので、10巻での怒涛の展開には度肝を抜かれた。
そろそろ終わっちゃうのかな……という雰囲気になってきている。どうなってしまうのか、かなり気になる。
#読書
2024年9月23日(月)
たとえば、「◯◯駅の✕✕というカフェで読んだ」とか、「〇〇へ向かう途中の電車のなかで読んだ」とか、「受験勉強をサボってまで読んだ」とか。
特別な場所やシチュエーションで読んだ本の記憶は、ありふれた場所で読んだものより、定着しやすいらしい。
この本を読むよりも以前から、本と場所の記憶を絡めるのは好きだったので、かなり納得感があった。
特に、旅行先で読んだ本は、自分のなかでは特別な立ち位置にある。旅の記憶と、その本のあらすじが同時に思い出せて、すごく嬉しい気持ちになるのだった。
最近では、あとから思い出しやすいように、本のタイトルと読んだ場所、そのときのシチュエーションをできるだけ一緒にメモするようにもしている。
「図書館やレンタル屋さんの返却期限前にあわてて読んだ」、「ラーメン屋さんに置いてあったのを読んでみたらおもしろかったから買ってしまった」、「◯◯さんのおすすめで読んだ」、「Kindleで大安売りセールをやっていて買った」など、内容以外の読書にまつわる情報をあえて横に置いておくことで、なぜか愛着が増すような気がするし、思い出しやすくなる。そんな気がしている。
#読書
2024年9月21日(土)
今年読んだなかでベスト3に入る小説かもしれない。
不妊治療がうまくいかず離婚に発展し、さらに溺愛していた弟が急死し、途方に暮れて自暴自棄になっていた野宮薫子は、弟が残した遺言書をきっかけに、弟の元恋人・小野寺せつなと出会う。家事代行サービス会社「カフネ」で働くせつなを手伝ううちに、薫子は失った感情を取り戻していく。
以前から繰り返し述べているのだけれど、『死者の本心を探して旅をする』話が好きだ。
死んだ人の気持ちを過去にさかのぼって正確に知ることは、基本的には不可能だ。でも、残された人たちは当然、それを知りたがる。その謎を解くことで、悲しみから逃れようとするかのように。
「カフネ」では、急死した弟・春彦の本当の気持ちを探し、薫子とせつなが真実を探っていく。
最初は喧嘩ばかりしていたふたりが、徐々に歩み寄り、互いの事情を知っていく過程がすごく丁寧に描写されていて、ページをめくるたびに泣きそうになった。
「カフネ」は、春彦の死の真相を探し求めるミステリ仕立ての物語でありながら、これからの未来を生きていく薫子とせつなの物語でもある。
春彦がなぜ死んでしまったのかを知っても、彼はもう戻っては来ない。
彼がいないことを受け容れて前に進むことが、彼女たちにとっていちばん大切なことだ。
だから、この物語においてミステリ的な要素は添え物にすぎない。
でも、そのそっと添えられた謎がまた優しく感じられて、すごく愛おしい。
悲しみをひとつひとつ乗り越えて、前に進む。そして、断絶を感じた相手と、もう一度勇気を出して対話する。人間関係から逃げずに、未来を見据える。
その過程のすべてが尊くて、大好きなお話だった。畳む
#読書
2024年9月19日(木)
ブギーポップシリーズ14作目。
ブギーポップマラソンもようやく折り返し地点にさしかかっている。相変わらずおもしろい。
前作「ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス」は今後の布石となりそうではありつつ、単品ではやや物足りない話だったのだが、今回は原点に立ち返ったようなお話で、ボーイ・ミーツ・ガールとセカイ系の調和が感じられてよかった。
やっぱり、刹那的なボーイ・ミーツ・ガールはいいよね……。
救いはまったくないんだけど、その乾いた感じこそがブギーポップなんだよなー。
ちなみに、この14作目までのあいだに「ビートのディシプリン」シリーズが4巻分も挟まれているっぽいのだが、これをいつ読むかが悩ましい……セールのときにまとめ買いしてあるので、いつでも読めることは読めるんだけど、まずは本編を読んでしまいたいような気もする。
#読書
2024年9月12日(木)
乃木坂太郎「夏目アラタの結婚」を3巻まで読んだ。
見つかっていない死体の部位をどこに埋めたのかを聞き出すため、主人公・夏目アラタが、死刑囚『品川ピエロ』と結婚しようとする話。
映画館で予告を見てから、ちょっと気になっていたのだが、思ったよりも異様な話だった。
恋愛ものではなく、単なるサスペンスでもなく、ふたりの思惑が面会室でぶつかりあう頭脳バトルのような構成になっていて、先が気になる。
イメージにぴったりすぎる、映画版の主役ふたりのキャスティングもすごい。
実写に合わなそうというか、絶対にコレジャナイ感じになりそうな原作なのに……しっかり合っている……。
特に柳楽優弥はこういう役をやらせたら右に出るものはいないと思う。バッチリすぎるなー。
すでに完結しているっぽいので安心して読めそうだが、怖くて手元に置いておきたくないような雰囲気もあって、ここから先をいつ読もうか悩んでいる。
#読書
2024年9月9日(月)
上條一輝「深淵のテレパス」を読んだ。
創元ホラー長編賞受賞作。
この人もオモコロのライターさんらしい。
「変な怪談を聞きに行きませんか?」と会社の後輩に誘われ、ふしぎな怪談を聞いたことをきっかけに、自宅で怪奇現象が起きるようになってしまった高山カレン。不気味な水音、突如部屋に出現する汚水。怪異を発生させないためには、常に部屋に光を満たす必要があった。
カレンが助けを求めたのは、YouTubeで怪奇現象を取り扱う「あしや超常現象調査」だった。
彼らは、カレンを取り巻く怪奇現象の正体を突き止めることはできるのか?
ひとつひとつのピースはよくある形なのに、全部集めると精巧なパズルが完成する感じで、豪華で贅沢な構成だった。
そこまで突き抜けた恐怖描写はないが、超能力、推理、怪奇現象、呪いなどなど、要素が多くてお得感がある。
呪いの発生源が特定された瞬間のミステリ要素も気持ちよく、全部盛りセットの優等生的な作品。満腹感があった。
最後の一ページで急に新たな絶望に叩き落とすのも好きだったなー。このままシリーズ化希望。
#読書
読了したらチェックボックスにチェック。読了作品の数がカウントされる。
やっぱり、一位になるような作品は本格推理の歴史に残るものが多いと思うし、読んでおきたい。
全制覇は厳しいかもしれないが、せめて最近のものだけでも制覇できたらいいな。
現在、全部で29作品あるのだが、読了しているのは10作品のみ。
残り3分の2ある。頑張ってみよう。
#読書