タグ「読書」を含む投稿[191件](7ページ目)

「ワールドトリガー」14巻まで読んだ。

「気持ちの強さは関係ないでしょ」のシーンが印象的で、こういう現実的なところがいいよな~と思う。
土壇場の火事場の馬鹿力でゴリ押し勝利できるほど、個々の経験で蓄積した力は薄くない。
「気合」や「復讐心」だけでは勝てない。「主人公補正」はない。
そういう偶発的な要素を排除していくことによって、地道な努力とチームワークの重要さが際立って見える。
戦争や侵略がテーマの作品で、個別戦闘よりもチーム戦闘を強固に描いているのはうまいと思う。戦争ってそういうものだよね、という説得力がある。
一対一の決闘で解決しがちな部分を、すべてチームで処理しているというか。

ほぼ全員が汎用トリガーで戦うがゆえに『超強い武器を持っているやつが無双』な展開はあまりなく、個人の強さよりもチームの戦略が物を言うので、『力に選ばれた主人公がひたすら無双』な展開もない。
『力にまかせて暴れるだけのめちゃくちゃ強い脳筋』みたいなキャラもいなくて、力よりも戦略や情報戦が優先される、美学を感じるバトルシーンがいい。
頭が良くない人や戦略をわかっていない人が、戦争で勝てるわけないよね~、と納得させられるリアリティの質感。
従来の少年漫画のテンプレートをゆるやかに切り崩して、ひっくり返した部分を新たな魅力にしていっている感じが気持ちいい。

『超強い武器』としては黒トリガーという存在があるんだけど、黒トリガーはどちらかというと核兵器のような抑止力として機能していて、黒トリガーでただ勝ち抜けるだけという展開は少ないと思う。
むしろ、チームの力で敵の黒トリガーをどうやって崩していくかという戦略力のほうに重点が置かれている。
黒トリガーで圧勝したり虐殺したりすると、やられた相手が追い詰められて新たな黒トリガーを生み出してしまうかもしれないからそれはやらない、という戦争を激化させすぎない設定もうまい。

どんなに弱い人間でも、戦略とチームの連携で勝てるはず。
『たったひとりの強い主人公』の戦いは描かれない。
ひとりひとりは弱かったり、性能が極端すぎたりするけど、それぞれが努力してチームで勝つというビジョンが美しい。

#読書

「steady.」の2021年8月号と2022年3月号を買った。

キラキラしたおしゃれな女性向け雑誌だが、なんとどちらにもランジャタイが載っているのである!!
3月号を書店で買ったあと、去年の8月号が気になりすぎて、バックナンバーを取り寄せてしまった。

「好きな女性のタイプは?」「おうちデートをするなら?」「もしも女性にご飯を作ってもらうなら?」「恋愛の思い出は?」などのキラキラした質問に、すべてしょうもないはぐらかしで答える、安心と信頼のランジャタイ。

「もしもランジャタイとデートしたら?」というテーマの写真で、珍しくおしゃれな感じの服を着たふたりが写ってるんだけど、よーく見ると、伊藤ちゃんが食べているガリガリ君っぽいアイスを国ちゃんがずっと物ほしそうに見つめているだけという、「そんなデートねえよ!!!」というシチュエーションになっていて、越えてはいけないラインを絶対に踏み越えない意識が垣間見えた。

「空き地で拾ってきたビニール人形(起き上がりこぼしみたいなやつ)と付き合っていたことがありました。それが一番の大恋愛」という史上最悪の恋愛トークを繰り広げているのに、イケメン風な角度から写真を撮られているのがシュールすぎる……。
インタビューでは、相変わらず肛門浴をおすすめしていた。
今後、キラキラした女性向け雑誌で「肛門」の二文字を見ることはたぶんもうないと思う。

ランジャタイ以外のページを見ると、EXILE!!THE RAMPAGE!!イケメン俳優!!!てんこ盛り!!!みたいな感じで、温度差にクラクラした……!
肛門浴の話は絶対にしなさそうな人たちの写真が、これでもか!!とばかりに大量に掲載されていた。完全にアウェー。

ロングコートダディと錦鯉と空気階段のインタビューも載っていたので、お笑い好きとしては実りはそこそこあるのではないかと思う。
ロングコートダディは、比較的マジメにキラキラ系の質問に答えていた。
空気階段は、もぐらさんの体がくさすぎて銭湯に連れて行かれたのに臭いが落ちなかったという話をしていて、ランジャタイほどではないが、こっちもちょっとおかしかった。
なんなんだろうな、この雑誌……楽しいんだけど、歪んだ時空に引き込まれた感じで、現実味がない。翌朝起きたら、消えてなくなっていそう。
なお、現在発売中の4月号には真空ジェシカが載っていて、気になってまた買ってしまった。まだ読んでないけど、楽しみ。

#読書

福井セイ「かけあうつきひ」1巻を読んだ。

親元を離れ、上京して漫才師を目指す女の子ふたりの同居コメディ漫画。
絵がかわいいし、女の子の同居ものとしても安心して読める感じ。
いい意味でサンデーっぽい作品。
お笑いという視点から見ても今後おもしろくなりそうな気配がある。

漫才師として能力を上げる方法は、「ボケのクオリティを上げる」「ツッコミのクオリティを上げる」「ネタの精度を高める」などがなんとなく想像されるけど、本作ではひとりひとりの能力の高さよりも、ボケとツッコミとの関係性が非常に重視されている。

「相方に愛される才能」が重要だ……と評されるシーンが非常に印象的で、これはお笑いの真理を突いているかもしれないと思った。
コンビの片方が圧倒的にセンスを持つ漫才師だったとしても、天才の足を引っ張るような形で自己主張をするような相方がいたら、すべては崩壊してしまう。
お互いを最大限に活かす形で表現をするために必要なのは、「愛」であり「愛される才能」である。
今後、このあたりのテーマを掘り下げていくと思われるので、つづけて読んでみたいと思う。
主人公ふたりにはモデルとなった芸人がいると書かれているけど、だれなんだろうな……と考えながら読むのもおもしろそう。

#読書

ずっと読まなければいけないと思いつつ読んでいないコミックがある。
米代恭「あげくの果てのカノン」(全5巻)。
最近、2巻まで無料配信されていたので、改めて2巻まで読んだ。
じわじわと、ここまできたら最後まで読まなきゃダメだろ……!という距離感になってきている。

SFと不倫という他にない組み合わせ。
終末世界の禁断の恋。

「夢女」という存在を夢という概念を使わずに描いたらどうなるか、という思考実験のような作品で、作者は夢女を知っていて描いているのかどうか、非常に気になる。
主人公の推しは世界を救うために化け物と戦い続ける戦士で、毎日、テレビで姿を見ない日はない。
だが、その肉体は日々、戦いにより欠損し、新たなパーツと入れ替わる。そして、彼の中身(心)も移り変わってしまう。
肉体を交換するたび、精神がちょっとずつ変化していくせいで一人の人を愛しつづけることのできない男と、どんな彼でも絶対に愛すると宣言している盲目的主人公の恋。

椎名うみ「青野くんに触りたいから死にたい」と同じく、恋愛ものというよりはホラーっぽい要素が強い。
一応、ジャンル欄には「不倫」とあるんだけど、従来の不倫ものとはだいぶ味付けが違うと思う。
旦那の心変わりが、回避不能な物理的な現象であるというところがおもしろい。
いまのところ、奥さんもサイコっぽいし、特に不倫されてかわいそう、というような感情はなく、読みやすいと思う。
この先、どこに話が転がるか考えると胃が痛いが……。

余裕のあるときに買おう。

#読書

乗代 雄介「皆のあらばしり」を読んだ。
第166回芥川賞候補作。

高校の部活動の歴史研究のため、皆川城址を訪れた高校生の主人公は、怪しい関西弁風の中年男と出会う。男の目的は、旧家の好事家が蔵書目録に残した幻の本「皆のあらばしり」を見つけ出すこと。素性も職業も不詳の怪しい男の誘いに乗せられ、幻の本を探す知の旅へ漕ぎ出すことに。果たして、そこにあるのは、未発見のレア本なのか、それとも単なる偽書なのか……。

純文学とミステリと歴史学の合間を攻めていくような独自の構成や、男と主人公の会話が作品のほとんどを占めているインテリな雰囲気がすごく好きだった。
芥川賞候補なので、はっきりとわかりやすい答えが出るわけではないのだけれど、最後まで魅力的な謎でひっぱっていってくれる、良質な『ミステリ風』小説だったと思う。
此元和津也「セトウツミ」が好きな人にはかなりおすすめできそう。

#読書

「ジョジョの奇妙な冒険 クレイジー・Dの悪霊的失恋」第二話、読了。

かよわい系ヒロインかと思いきや、けっこう行動力ある女だったよ、涼子……!
せめてスタンド能力が本物だと確実にわかってからにしたほうがいいんじゃ……。

ホル・ホースと仗助のタッグはすごく自然でにっこり。
原作でもあってもおかしくなさそうな組み合わせ。
攻守のバランス良さそう。

オウムのスタンド(かどうかわからないけど)は過去の記憶やできごとを近くにいる他人に再現させるスタンド、みたいな感じなのかな?
4部のできごとでありながら、内容は3部の再演、といううまい感じのリミックスになりそうな予感。

#読書

小野不由美「ゴーストハント7 扉を開けて」読了。

新年初の小説読書がこれでよかった~!!
すでに話は知ってるんだけど、改めて読むと心にしみる。

あとがきにも書かれているけど、ゴーストハントシリーズは悪霊の浄霊・除霊をテーマにしつつも、本筋に据えられているのは『恐怖』ではなく『謎解き』であるのがおもしろい。
世界は一定のシステムによって構築されており、悪霊とはシステムのエラーによって起きているバグである。
エラーの理由を解析すれば、悪霊が発生する原因を解明し、対処法が見いだせる。
しかし、システムの内側にいる人間は、システムがどういうものであるかを知らない。
どういうシステムによって世界ができているのかを探りながら、バグがどうして発生したのかを解き明かしていく。
すべてが論理によって動かされているのが非常に気持ちいい。

最終巻では、世界を構成する冷徹な論理と、ナルというキャラクターの生い立ちが絶妙にマッチしていて、何度読んでも深みがあって、楽しめる。

この作品のラストの、「一人でも恋はできるから、もう泣かない」という言葉がほんとうに好き。
星野源の「恋」で、「恋せずにいられないな 似た顔も虚構にも 愛が生まれるのは一人から」という歌詞がある。
これを聞くたびにゴーストハントのことを思い出す。

霊と人が恋に落ちる話が好きで、そういう話を繰り返し書いてしまうという謎の病気にかかっているんだけど、この病気が発生している原因のひとつはゴーストハントだろうと思う。
また最初から読み直すぞ~。

#読書

ねこねこ「シンプルなのに驚くほどうまくいく! バレットジャーナル活用術」を購入。
バレットジャーナルの利便性をうまく利用して日常生活に活かしつつ、かわいい字体や絵で気持ちを盛り上げていく感じの手帳本。

前々から、マステやシールといった貼るタイプの手帳ツールとの相性の悪さを痛感していたので、マステやシールを使わないで見た目をよくしたい!というコンセプトはかなり自分に合いそうだ。

ただ、全編ざっと読んだ感じだと、方眼ノートでないと難しそうな部分が多い。
今持っているノートや手帳のなかに方眼ノートが小さめの一冊しかないのはかなり歯がゆいなー。
MDノートを補充するときに方眼を買うのがいいだろうか。

ぼちぼち読んでいきたい。

#読書

「ジョジョの奇妙な冒険 クレイジー・Dの悪霊的失恋」第一話 読了。

単行本になるまで待とうかと思ってたけど、ついつい待ちきれずに買っちゃいました……。
根幹のおいしい部分の話は伏せつつ、ざっくり感想メモ。

ペット・ショップとともに調教されていたオウムが行方不明になった。
おそらくスタンド使いであろうと思われるオウム探しを依頼されたホル・ホースは、ボインゴとふたりで杜王町へ向かう。
そこで出会ったのは、なんと……!?

舞台は杜王町だけど、いまのところは3部の後日談としての性質が濃いですね。
3部悪役勢のなかでホル・ホースが特に好きなので、彼が主人公ですごく嬉しいし、ほかにも3部の悪役サイドの生き残りキャラがこれでもかと出てくるので嬉しい。
次回からは4部のキャラもたくさん出そうだし、楽しみ。

#読書

ハ・ワン「今日も言い訳しながら生きてます」読了。
心が疲れた人に送る、人生エッセイ第二弾。
メンタルよわよわになっている人にぴったりの、優しくてゆるい文体がよかった。
かっこ悪い人生でいい。いい会社に入らなくてもいいし、結婚しなくても、子供がいなくてもいい。
当たり前のことなのに、ひとつひとつの言葉がすごく染みた。
第一弾の方も読もう。

#読書

陸秋槎「文学少女対数学少女」
これ、いつ買ったんだっけ!?と首を傾げつつ、ようやく読了。
麻耶雄嵩に大きな影響を受けているというのも納得の、作中作を操り、後期クイーン問題にまっこうから立ち向かう内容。
解説が麻耶雄嵩なのもあり、麻耶雄嵩ファンは絶対に読め!!!と言ってもいい、にっこりな仕上がり。
正統派本格ではないけど、かなり読み応えのある、フェアプレイを重視した作品だと思う。
今回は百合要素は薄め。
キャラクター的にはなんとなくシリーズ化できそうな雰囲気なので、今後ふたりの仲が深まっていってほしいな~。

#読書

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