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2025年8月14日(木)
2025年8月13日(水)
ふと、かつて「美少年探偵団」の原作がそこそこ好きだったことを思い出した。
アニメ版はまったく見ていないし、原作も最終巻(アンコール)を読みそこねていたんだけど、久しぶりに読みたくなってきた。
アニメはOPだけ見てみたら、雰囲気良さそうだった。これもシャフトだったんだ。
西尾維新のノリについていける人、かつ女性主人公の恋愛少なめ逆ハーレムが好きな人……というかなりニッチな人にしか刺さらない作品なのだけど、気軽に読めるのが好きなんだよなー。
アニメもそのうち見てみたい。
#読書
2025年8月3日(日)
だいぶ昔、9巻くらいまで読んでいて、読んでいない巻は最終局面だけだったんだけど、それでもドキドキしながら新鮮に読めた。
少女漫画というフォーマットではあるのだが、いわゆる『当て馬』的な扱いなどはなくて、当て馬的なポジションにいた人も最後まで重要人物として出番があったり、恋愛もべたべたした感じではなかったり、一捻りした感じが気持ちよかった。恋愛的に重要か重要でないかに関係なく、みんなに丁寧にライトを当てているお話。こういうの、もっと見たい。
「金の国水の国」は映画版しか見ていないんだけど、原作も読みたくなったなあ。あれも恋愛っぽくなくて好きだった。
#読書
2025年8月3日(日)
おかげで出費がすごいことになっているが、ある程度は見て見ぬふりをすることにした。
新しい漫画もいいけど、かつて好きだった漫画の世界を再訪するのにもハマっている。
あー、こんな展開あったなー。とか、懐かしいなー。と思っていると、体調が悪い日もなんとか乗り切れる気がするのだった。
#読書
2025年7月29日(火)
唐突だが、少し古めの駐車場で見かける「赤ちゃんが寝ています」という立て看板を見ると、なんとも言えない気持ちになる。
看板の文字は色あせ、設置からすでに30年は経っているのではないかという古び方だ。
おそらく、当時その建物にいた赤ちゃんも、今ではすっかり大人になっているだろう。
もちろん、「赤ちゃんが寝ています」は「実際に赤ちゃんが寝ている」という意味ではなく、「静かにしてほしい」という間接的な訴えだということはわかっている。
けれども、もしその建物にもう赤ちゃんがいなかったら?
それはつまり、「自分の願いを通すために、実在しない赤ちゃんを盾にしている」ことにならないだろうか。
「住民が寝ています」なら、住民がいるかぎり嘘ではない。
それなのに、あえて「赤ちゃんが寝ています」と書くのは、「起こしてしまったら大変なことになる、か弱い存在」を引き合いに出すことで、より強く静寂を求めているように感じられる。
そこに、ほんの少しの違和感、モヤモヤが残る。
最近の新しい駐車場では、こうした表示はあまり見かけない。
おそらく、一時期流行した決まり文句だったのだろう。
長くなってしまったが、ここで言いたいのは、「主張が正当であれば、その根拠となる事実は多少いい加減でも構わないのか?」という問題である。
たとえば「駐車場で騒音を出す人やアイドリングを続ける人がいて、近隣住民が迷惑しているから静かにしてほしい」という主張には異論の余地はない。とてももっともな願いだ。
しかし「赤ちゃんが寝ているから静かにしてほしい」という理由は、証明しようがなく、少しのハッタリを感じる。
仮に本当に寝ていたとしても、今は起きているかもしれないし、もはや赤ちゃん自体がいない可能性だってある。
「赤ちゃんが寝ている」という前提がなくなった瞬間、「では静かにしなくていいのか?」という矛盾が生じる。看板の趣旨から逸れてしまうのだ。
もちろん、この程度のハッタリなら許される範囲ではあるが、それでも「虚構であっても構わない」という姿勢は、慎重に見直されるべきではないだろうか。
さて、本書で取り上げられている「江戸しぐさ」もまた、似たような構造を持っている。
その中身は、「みんなに優しく」「思いやりを大切に」といった道徳的な内容で、基本的には異論を挟みにくい。
一部、自己中心的に感じられるしぐさもあるが、それも含めて「まあいいことを言っている」程度の印象を持つ人も多いだろう。
だが問題なのは、その道徳の来歴だ。
「江戸時代の庶民が実践していた」とされるこの江戸しぐさ、実際には、戦後に捏造されたもので、史料的根拠も裏付けもまったく存在しない。
むしろ、江戸時代の暮らしや常識に照らし合わせれば、とうてい成立しえないような考え方ばかりが並んでいる。
それでもかつては、「江戸しぐさはいいことを言っているのだから、事実かどうかは関係ない。人に優しくするべきなのだから」という理屈がまかり通っていた。
けれども、どんなに立派な主張であっても、それが虚構の土台に立っていれば、正しさそのものが損なわれる。そのことは、もっと強く意識されていいはずだ。
この本では、「江戸しぐさ」というオカルト的な道徳が、いかにして教育現場に食い込み、教科書にまで載るようになったのかを、著者が丹念に検証している。
本来なら「江戸しぐさはあった」と主張する側が、その証拠を提示すべきだ。だが、それは存在しない。
代わりに彼らが持ち出してきたのは、薩長による「江戸っ子大虐殺」によって証拠が失われた、という荒唐無稽な説である。薩長もいい迷惑だろう。
そこで、証拠が存在しないことを示すために、著者は逆説的に「江戸しぐさはなかった」とする側から、文献や当時の慣習をひとつひとつ丁寧に示していく。
そのロジカルな反証の積み重ねが、とにかく痛快で読ませる。
偽史が生まれる背景には、「愛国心」や「現実逃避」あるいは「道徳的理想」が潜んでいることが多い。
「自分の大好きな日本は、もっとすごい国であってほしい」という願望が、事実ではない歴史を生み出す。
その罠に、自分自身も引っかかっていないか、立ち止まって考える必要があると思わされた。畳む
#読書
2025年7月28日(月)
第39回坪田譲治文学賞、2024年本屋大賞受賞作。
周囲からは変わっている子として扱われ、学校ですこし浮いている成瀬あかり。
いろんなことに果敢に挑戦し、ブレずに自分の興味の赴くままに活動をつづけるその姿勢は、友人の島崎みゆきを心酔させる。
そこまで特異ではないあらすじなのだが、読んでみると、すごく新しい味がしておもしろいのだった。一日で、一気に読めてしまう。
成瀬の興味の矛先がいろんな場所に飛んでいって、ひとつだけではないから楽しいのかもしれない。
途中、M-1グランプリへの出場という非常に大きな関門があるのだが、これも物語の主題ではなかったりして、その雑多さが楽しい。
全部がM-1だったら、きっとこういう読後感ではなかっただろうな、と。
成瀬と島崎が歩く青春の道筋を、読者も一緒に歩みだす。
軽やかで、さわやかで、失敗を恐れない。
挑戦しても、その挑戦を成就させる必要などない。
ただ、やりたいことや、やるべきだと思ったことをひたすらする。ダメだったら、次は新しいことをする。その繰り返し。
この作品の時間設定がコロナ禍のさなかだということもあり、成瀬のそういうポジティブな姿勢に勇気づけられる。
自分も、失敗してもいいから、とりあえずやってみようと思える。そんな小説だった。畳む
#読書
2025年7月25日(金)
1861年に出版された、ひとりの奴隷の少女の自叙伝。
奴隷として生まれ、主人からさまざまな搾取を受け、差別や迫害に耐え、逃亡しながらも常に光を求めた女性、リンダ。
あまりにショッキングな内容から、長い間フィクションだと判断されていたが、実は筆名で書かれたノンフィクションだったという本だ。
リンダの前向きさに心打たれると同時に、人間が人間を買うことの残酷さや、「そうあって当たり前」である風潮のなかに根深い差別があることなど、令和だからこそ考えさせられる一冊だったと思う。
奴隷を奴隷として残酷に扱った人々は、決して全員が悪人であるわけではなかった。
そうすることが当たり前の常識であり、むしろそうしないことは紳士にふさわしくなかったことすらある。
逃亡生活のなかで、リンダは人の優しさと残酷さの両方に触れ、常にぎりぎりの状況の中、自分の尊厳を守るための究極の選択をしていく。
リンダに優しくしてくれた白人もいたし、リンダを奴隷狩りに差し出そうとした黒人もいた。その人の人間性と人種は直接は関係ない、ということがこれだけでもよくわかる。
人種ではなく個を見ること。どんな状況でも誇りを失わないこと。いつでも自分が正しいと思う選択をすること。
この一冊からなにを読み取るかは人によって違うと思うが、読むべき一冊であることは間違いない。
日本人は差別に無自覚な人が多いと思うのだけれど、今回の参院選の結果があんなふうだったことも踏まえて、自分が無自覚に差別を行っていないか、その足で誰かを踏みつけていないかを常に確認していく必要があると感じた。良書。畳む
#読書
2025年7月25日(金)
全巻激安セールみたいなイベントのときについつい買って、そのままになっていたりとか。
なにを思ったのか「ゴルゴ13」の序盤を少し買っていたり、これまでの人生でたぶんほとんど通っていない気がする(アニメはちょこちょこ見ていたけど漫画で読んだことがない)「地獄先生ぬ~べ~」の無印を全巻買ったり、懐かしの「破天荒遊戯」を買ったりと、ここ最近だけでもかなり買い物をしている。「彩雲国物語」のコミック版も買ったなあ。
漫画以外だと、ブギーポップマラソンも折り返し地点で休憩中だったり、バッカーノ!も買い直していたりする。
そろそろガッツリ整理して読み出したいな~と思うのだが、整理する機能があまりちゃんとしていなくて、どんどん埋もれていくのであった。
読むぞ!
#読書
2025年7月23日(水)
中学生~高校生のころにドハマリして、いろんなあだち充作品を読み漁っていたんだけど、濫読しすぎたせいか、内容についてはあまり覚えていなかったりする。
なんとなく、「H2」か「みゆき」が一番おもしろかったような気がする。
せっかくの解禁だし、買いたいなー。
#読書
2025年7月22日(火)
お笑い芸人として活躍しながら、介護の仕事をつづけていた安藤なつさんが、これまで経験した介護の仕事について語るコミックエッセイ。
介護は、過酷だったり、薄給だったり、つらいことばかりなのではないかというイメージがあるのだけれど、安藤さんはひとりひとりの利用者と丁寧に向き合い、コミュニケーションや介護の仕事そのものを楽しんでいる。
彼女の快活で誠実な人柄が伝わるエッセイで、晴れやかな気持ちになれた。
合間にあるコラムも読み応えがあって、いい本だと思った。
安藤さんのポジティブで優しい人柄のほうに目が行ってしまって、介護の仕事の内容よりも安藤さんのほうが印象に残ってしまうところが、欠点といえば欠点かもしれない。すごい人だ。
「デイサービスを幼稚園にしない」とか、介護する側だけではなく、される側の気持ちを思いやる姿勢の話が興味深かったなあ。
みんないずれは介護される側になるかもしれないわけで、そのときのために、介護される側の気持ちに沿った介護の形が徐々に完成するといいな。畳む
#読書
2025年7月14日(月)
殊能将之先生の膨大な読書量に圧倒されながら読んでいる。
殊能先生に限らないけれど、作家さんの読書日記やエッセイを読むと、そのインプット量に驚くことが多い。
やっぱり、質のいいアウトプットをするためには、人よりも広く、多く、なにかを見たり聞いたりしなきゃいけないんだろうなと思う。
アマチュアでもそれは基本的に同じで、うまい同人小説を書く人は、たくさんのジャンルの作品に触れていたり、一作品を深く分析したりしていることが多いという体感がある。
最近あまりインプットできていない気がするから、もっと頑張っていきたいなあ。
#読書
2025年7月11日(金)
猫と飼い主の関係性を追いかけていく、連作短編集。
ペットを題材とした小説って、安易な感動路線やほのぼの路線に回収されがちで、そういうものはあまり読まない。
これはヒリヒリする生と死にきちんと向き合っているお話で、好感度が高かった。
地域猫に餌をやることの是非、小さな命と向き合いながら暮らすことの意味。
それぞれの猫に、それぞれの飼い主との物語があるのだが、ただ幸せなだけの家庭はひとつもない。
人間たちがどんな苦難に見舞われようとも、猫はいつでもそこにいる。
そのことを確認して、涙が出そうになる。そんな小説だった。
#読書
2025年7月7日(月)
2025年7月6日(日)
パピレスの株主優待と夏のボーナスがきっかけで、漫画をひたすらまとめ買いしている。
気持ちよくまとめ買いするためには、完結済みの漫画を最後まで一気に買うのが一番自分に合っているなーと思う。
途中でちょこちょこ買い足すのが地味にストレスなので、一気読みがしたいときは、最後まで買えるのが理想的。
予算を計算しつつ、次は何を買おうか考えるのも楽しい。
#読書
2025年7月2日(水)
事故死や自殺の起きた物件に一ヶ月だけ住み、物件を浄化する不思議な仕事、〈ロンダリング〉。
心に傷を負い、たったひとりでロンダリングをつづけるりさ子。
物件を漂ううちに、りさ子は人の温かさに触れていく……。
傷ついた人の心がすこしずつ癒やされていく系の作品が好きなので、一気に読んでしまった。
特定のだれかのためにというよりも、狭いのに人があふれる東京という土地そのものをロンダリングで浄化しているという概念も好きだった。
続編もあるみたいで気になる。
#読書
2025年7月1日(火)
昨年は既読を調べるだけで終わってしまったため、今年はきっちり課題図書チャレンジもしていこうと思い、書店へと向かった。
まずは昨年同様、既読チェックから。
ルールとしては、短編集などで、表題作は読んでいるけど、他のを読んでいない場合は数えない。
読んだかどうかがうろ覚えな場合も数えない。
読んだけど内容を覚えていないのはセーフ。
訳者・バージョン違いなどもセーフ。
新潮文庫の100冊
1.杉井光「世界でいちばん透きとおった物語」
2.芦沢央「火のないところに煙は」
3.コナン・ドイル「シャーロック・ホームズの冒険」
4.ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
5.フランツ・カフカ「変身」
6.夏目漱石「こころ」
7.谷崎潤一郎「春琴抄」
8.中原中也「中原中也詩集」
9.サン=テグジュペリ「星の王子さま」
10.ドストエフスキー「罪と罰」
11.三島由紀夫「金閣寺」
12.吉本ばなな「キッチン」
13.ライマン・フランク・ボーム「オズの魔法使い」
14.湯本香樹実「夏の庭」
15.梨木香歩「西の魔女が死んだ」
16.森見登美彦「太陽の塔」
17.宿野かほる「ルビンの壺が割れた」
集英社文庫のナツイチ
1.恩田陸「スキマワラシ」
2.青崎有吾「早朝始発の殺風景」
3.乙一「夏と花火と私の死体」
4.三浦しをん「のっけから失礼します」
5.千早茜「透明な夜の香り」
6.谷川俊太郎「二十億光年の孤独」
7.夏目漱石「こころ」
8.サン=テグジュペリ「星の王子さま」
昨年より一冊多く、計25冊だった。
タイトルの入れ替わりがあったので減るかなと思ったけれど、意外と減らず。
「これ、たぶん読んだんだけどなあ……」というものは今年も多くて、でも絶対に読んだという記録が残っているもの以外は除外した。
「地獄変」「江戸川乱歩名作選」「堕落論」あたりはむかし読んでそうなんだけど、うろ覚えなので除外。
そして、今年は新たに購入本もあり。
・原田ひ香「東京ロンダリング」
・ライマン・フランク・ボーム「オズの魔法使い」
・安部公房「砂の女」
・恩田陸「夜のピクニック」
の四冊を購入。
オズの魔法使いのエメラルド色のカバーがどうしても欲しくて、うきうきしながら買いに行った。
他にも気になるタイトルがいくつかあるので、もし読破できたら、しおりをもらいがてら、また買いに行ってもいいかも。
#読書
2025年6月26日(木)
ミステリ界のエターナルコンテンツ、意外と待っていると来ることが多い。読みたいなあ。
城シリーズは中学生時代にドハマリしていたなあ。どれもおもしろい。
あとは、三途川理シリーズの続きが来てほしいな。そろそろ前作から10年近く経つのかぁ……。
#読書
2025年6月15日(日)
note主催・創作大賞2024〈角川ホラー文庫賞〉受賞作。
北九州にある呪われた一軒家でかつて起きた凄惨な心中事件。
そして、その後も頻発する行方不明事件。
それらのつながりを取材によって追いつづける筆者が、取材の先にたどり着く結論とは……。
きれいにまとまっている良作。怖いというよりは気持ち悪い系。中盤に挟まる手記の気持ち悪さがすごくよかった。
ただ、KADOKAWAの宣伝戦略が「『近畿地方のある場所について』の二匹目のドジョウ、狙いたい!」「モキュメンタリーホラー、売りたい!」という傾向に偏りすぎていて、そこまでリアリティのある話でもない本編のシナリオとの整合性が取れていない感じがした。
作品そのものに問題があるというよりも、KADOKAWAががっつきすぎているせいで、不協和音になっているような。
フォントをやたらと変えるのも妙に嘘っぽくて、そこは一緒のフォントでよかったんじゃないかなと思った。
あと、この手のモキュメンタリーでは、2ちゃんねる(5ちゃんねる)のスレッドは横書きにしてほしい……という個人的な願いがある。スレッドを縦で読むことってないから、「あ、嘘だ」と思ってしまう。
「近畿地方」のような意外性のあるシナリオではなく、どちらかというとホラーの王道を手堅く抑えていくベタに怖い話であるというのもあり、宣伝の空回りを感じる。
そろそろ、モキュメンタリーホラーの飽和の気配を感じるので、よほど質のいいもの(あるいは意外性たっぷりでバズりに特化したぶっ飛んでいるやつ)を出さないとヒットはしないのではないか。だんだんハードルが上がってきているなあ。畳む
#読書
2025年6月10日(火)
終わってから細かいところを考えていくと「それはおかしいんじゃ……」という部分もあるんだけど、その場の勢いだとめちゃくちゃおもしろいんだよなあ。
現在では「一般小説」「ライトノベル」「ライト文芸」「ヤングアダルト」「少女小説」と非常に細分化されてしまっている文芸の分野だけれど、当時の赤川次郎はたぶんすべてにまたがるような存在だったんだろうなー、と思わせる。
まだ分けられていない存在だったからこそ、子どもも大人も楽しめるのかもしれない。
「顔のない十字架」ほどではないにしろ、「死者の学園祭」もアダルトだったり不適切だったりする描写はある。
けれど、当時のヤングアダルトとしては、これくらいならオーケーという感じだったんだろうなというおおらかさも感じる。
イケメン教師と生徒がサイレント結婚してるとか、現代だとすごく怒られそう。そもそも、できないだろ!という気持ちもある。
基本はいつもの赤川サスペンスなんだけど、学園祭のパートが凝っていて好きだったなー。誰が犯人なのか、わかりそうでわからないのもよかった。
この調子で赤川次郎マラソンしていきたいなあ。
「顔のない十字架」を超える作品や、それっぽい作品があるかどうか見ていきたいんだけど、どうやら「顔のない十字架」は赤川次郎的には異色の作品っぽいので、もしかするとこれ系を探すのは大変なのかもしれない。畳む
#読書
2025年6月8日(日)
2025年6月6日(金)
第34回鮎川哲也賞受賞作、2025年本屋大賞4位。
救急医・武田のもとに搬送されてきた身元不明の溺死体「キュウキュウ十二」は、なぜか武田と瓜二つだった。
いったい、この遺体は何者なのか? そして、武田自身のルーツは?
まず「自分とそっくりな溺死体」の救命措置を行うところから物語がはじまるというワクワクにがっちりと心を掴まれた。
そして、徐々にその正体へと迫っていく緊迫感。
二転三転する真相も魅力的でよかったなー。
ラストは賛否ありそうというか、嫌な人は嫌かもしれない展開だった。個人的には、これしか落としどころはないなと思った。
現役医師が書いた作品ということで、ミステリなのに、遺体を発見した瞬間に全力の救命措置がはじまるというシーンが斬新で好きだった。
ミステリの登場人物は、遺体っぽいものを発見しても、脈があるかどうか確認するくらいで、基本なにもしないことが多いからな……よく考えたら、発見時に心停止状態でも、蘇生する可能性はあるよね……。
このあとは城崎を探偵としたシリーズとして続いていくらしいので、それも楽しみ。早く続きが出てほしいなー。畳む
#読書
2025年6月5日(木)
入学式当日に「平安時代に興味ない?」と突然声をかけられたことをきっかけに、新たに「平安部」を作ることになってしまった栞。
平安時代が大好きな部長・安以加。
中学のサッカー部で万年補欠だったせいで、今回は楽な部活を選びたいと思った大日向。
百人一首の研究がしたくて百人一首部に入ったら、競技かるたの部だったために幽霊部員になってしまった明石。
気遣いのできる超絶イケメン・光吉。
完全にバラバラな属性の五人を集め、特になんの目的も決めないまま、平安部が始動する。
果たして、平安部の活動内容は……?
完全にバラバラな世界の住人と思われた五人が、意外と平安時代の属性でまとまっていく様子や、最初はだらだらと部活動を行っていたのに、いつのまにか実績を得てどんどん大きくなっていくくだりなどが気持ちよくて、理想的な部活モノだと思った。すごく好き。
これは続編も出そうな気がするんだけど、どうだろうな。畳む
#読書
2025年5月28日(水)
図書室とは別に、担任の教師が家から持ってきた本が置いてあるというもの。
今、思い出しても不可思議なラインナップというか、江戸川乱歩が数冊(しかも春陽文庫)、本当は怖いグリム童話(具体的なタイトルや出版社は思い出せないが、かなりガチでグロいやつ)、そして赤川次郎の「顔のない十字架」。
一通り読んだのだが、自分にとっては、この「顔のない十字架」がかなり衝撃作で、貪るように読んでしまった。
めちゃくちゃおもしろいと同時に、めちゃくちゃエロかったからである。
直接的なシーンはないのに、なぜかすごくエロティック。
小学生の心をほどよくくすぐる内容だった。
ということで、当時を思い起こしつつ、時空を超えて「顔のない十字架」を読む。
主人公・佐知子は非常に面倒見のいい女性で、しょっちゅう弟の世話を焼いている。
ある日、弟が深夜に男を轢き殺してしまったという連絡が入り、佐知子はその死体を処理することになってしまう。
が、その死体となった男は「脅迫状」を隠し持っていた。
その脅迫状には、「月曜日になったら、自動的に人質である娘が死ぬ」と書かれている。どうやら、弟は誘拐犯を殺してしまったらしい。
娘の所在を知る男が死んだことで、娘の命が危険にさらされていると直感した佐知子は、独自に調査を開始する……という話。
リアリティは皆無なのだが、二転三転するサスペンスが非常に鬼気迫っていて、一気に読めてしまう。
そして、途中で出会う裏社会の殺し屋・辰巳と佐知子の危険なロマンスもすごくいい。
辰巳がことあるごとに佐知子への恋心をアピールしていて、辰巳にしてみれば、いつでも佐知子を襲ってしまえる状況であるにもかかわらず、なぜか佐知子を大事にしている……というのがよかったんだよなー。懐かしい。
久しぶりに読んで、もしつまらなかったらショックだよなと思ったんだけど、おもしろかった。思い出をちゃんと更新できて、嬉しい。畳む
#読書
2025年5月27日(火)
改めて見つめ直してみると、攻めたテーマが多くてすごくおもしろい。
大好きだったおばあちゃんのお葬式を描く「うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん」、ある日突然、急病で入院して手術を受けさせられる「うさこちゃんのにゅういん」、文字がなく、絵だけで夜の冒険を描く「うさこちゃんのゆめ」。
そして、かわいらしいタイトルとは裏腹に、非常にビターなテーマの「うさこちゃんときゃらめる」。
「うさこちゃん、キャラメルをもらったのかな? おいしそうだな~!」と思わせるタイトルと表紙だが、内容はそんな話ではまったくない。
うさこちゃんが、お店で見かけたおいしそうなキャラメルを衝動的に万引きしてしまうというショッキングなお話。
うさこちゃんは自分の犯した罪の重さで眠れなくなり、その不審な様子から、お母さんに万引きのことがバレてしまう。
やってしまったことはもう戻らない。
万引きとまでは行かなくても、幼少期にだれもが抱くであろう、「お母さんに内緒で悪いことをしてしまった」という思い。
その気持ちとどう向き合っていくか。犯した罪をどう償うかというテーマを幼児向けの絵本で描いているということが新鮮で、考えさせられる。
「悪いことをしてはいけない」と教えるのは簡単だけれど、「悪いことをしたあと、どうするべきか」という教育が行われる機会は意外と少ないのではないかと思った。
#読書
2025年5月25日(日)
井田千秋さんの漫画は、漫画というよりもイラスト集みたいですごく癒やされるんだよなー。
今回はエッセイということで、作者の代わりをつとめる白いくまとともに、きらきらした食の世界へ。
特に食器に関するお話が好きだった。
かわいらしい食器が次々と出てきて、「あ~!食器がほしい!!」と食器欲に火がついた。
また新作が出たら読みたいなあ。
#読書
2025年5月22日(木)
4巻目にして、茶朔洵登場。
3巻までは恋愛っ気はほぼほぼまったくなしの状態で、ひたすら政務に突き進むというお話なんだけど、朔洵という恋に生きる男(?)が登場したことで、秀麗が初めて自分の中にある恋心のようなものに気づくという波乱の展開が好き。
命をかけながら仲間と分断されたときに出会ったのが、よりによってこの男……!という絶望感と、正体を知らないで過ごした蜜月の不穏な平和さがたまらない。
アニメ版での配役が、いつ見ても全体的に完璧すぎる……と思っているんだけど、特に朔洵に子安さんを当てたのはすごい。セクシー。
当時、朔洵を推すために見ていた人も多いんじゃないか。魔性の男すぎる。
#読書
2025年5月21日(水)
書店で売っているややお高めなものから、セリアで売っているキャラクターものまで。
最近は、自分でいい感じの紙ものを見つけて、しおりに加工するのにもハマっている。
せっかくの読書時間なのだし、ブックマーカーにもこだわっていけばもっと楽しくなるかも。
精神科医の樺沢紫苑さんが、YouTubeで「なにかを楽しむために必要なのは、お金ではなく工夫」という話をしていて、こういう「足るを知る」要素って、人生ですごく大事なのかもなと思った。
今はお金があっても、死ぬまでずっとお金があるとは限らないわけだし。
お金なしでも、自分の工夫でなんでも楽しめる体質になっておいたほうがお得だよな。
読書を楽しむための一工夫としてのしおり作り、これからもやっていこうと思う。
#読書
2025年5月14日(水)
2025年5月12日(月)
どうしてかはわからないけれど、山岳遭難に関する本を定期的に読みたくなる。
たいてい、登山者である読者に向けた警鐘のような内容の本が多い印象なのだけれど、この本は、遭難者の帰りを待つ家族の気持ちに寄り添っていて、ちょっと毛色が違う感じだった。
公的な捜索は生存の可能性の高い人に向けて行われており、生存の可能性が低くなれば打ち切られてしまう。
でも、家族は打ち切りのあとも、遭難者が帰ってくるのではないかと思い、待ちつづけてしまう。
もしかしたら、登山には行かなかったかもしれない。
もしかしたら、無事に下山して、どこか別の場所で過ごしているかもしれない。
どんな形でもいいから、帰ってきてほしい。
そんな家族の気持ちに寄り添い、民間での捜索を行う団体についての本。
登山者はどの道をどんな気持ちで辿っていったのか。
こういう性格なら、険しい道は行かないはず。
この印を見間違えたのかも。
きっとこの道の先にいるはず……。
会ったこともない人の思考を想像し、足取りを追い、そして白骨化したご遺体を見つけ、家族の元へ帰す。
なによりも、止まってしまった家族の時間を動かすために。
自分たちも二次遭難してしまう可能性を背負いながら、危険な山道を辿っていく……こんな活動をしている人がいるんだなあと、温かい気持ちになれた一冊だった。畳む
#読書
2025年5月6日(火)
「彩雲国物語」を久しぶりに最初から再読している。このほのぼの群像劇の雰囲気、好きなんだよなー。
イケメンだらけの少女向けライトノベルではあるんだけど、まったくハーレムではなく、恋愛要素も少なめ。
奇人変人だらけで、恋にはほぼならないという。
後宮で王の妃になるという楽な道を自ら蹴って、世の中をよくするために、国で初めての女性の官吏になるという筋書きが大好き。
フェミニズム的なライトノベルは令和にもちょこちょこあるけど、当時は官吏としてガンガン政治に関与していくという筋書きが新鮮でおもしろかった。
終盤でちょっと雰囲気が変わってしまってから読んでいなくて、たしか完走はしていないような気がする。
今度こそ完走したいな。
#読書
自分で買った紙の本や電子書籍のほか、近所の図書館の棚にある本を手にとって読んだり、借りて読んだり、近隣の市の図書館からも本を借りてきたり、趣味の被らない人におすすめされた本を読んだり。
快活CLUBで読むマンガもいいし、スーパー銭湯やラーメン屋にあるくしゃくしゃになったマンガや雑誌もいい。
町の小さなカフェにある、今はもう手に入らないようなマイナーな本。
実家の片隅にある、ホコリを被った本。
古本屋さんにある、絶版になった懐かしいマンガ。
むかし、大学の講義でちょっと使っただけの参考書。
出版社の無料キャンペーンで配られていた、電子書籍の知らないマンガの1巻。
つまらない本もあるし、思いがけず素晴らしい出会いもある。
買った本しか読まないという人も、世の中にはたくさんいると思う。
けれど、お金を出して買った本というのは、きっと、すごく狭い範囲の本でしかない。
金銭的な価値を見出せる範囲のジャンルの本って、自分で思うよりも圧倒的に狭いのではないか。
「これを買おう!」と一瞬で決められる本ではなくて、たまたま出会った、よく知らない本というのが、自分の人生にとってはすごく大事だ。
図書館の棚にたまたまあったとか、行きつけの店の片隅でホコリを被っていたとか、本屋さんのおすすめの棚にあったとか、そういう突然の出会いが好き。
むかし、民宿のような小さな宿の階段の下のつきあたりにあった、誰も読まないようなひっそりとした本棚にあった「アンネの日記」を一晩かけて読んだことを、今でも鮮明に思い出す。
むかし、親戚の家で読んだ「電影少女」の官能的な描写にドキドキしたことや、それが途中までしかなくて、つづきが気になって、何年か経って買ってしまったことも。
そういう出会いをしつづけたいという気持ちで、きょうも町中のいろんな場所で本を探している。
#読書